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雑記

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記事一覧

コロンボ生活立ち上げマニュアル

赴任地における生活立ち上げの経験を記録するべく、過去には「ジュネーブ生活立ち上げマニュアル」なる記事を執筆したことがある。 クアラルンプールに赴任した際は、日本語での情報が既にネット上にたくさんあったため、同様の記事は書かなかった。今回コロンボ編はどうしよう?と思っていたのだが、引越しする過程でネット上に情報が多くないと感じた。どうやら新型コロナ&経済危機の影響で、在留邦人の数がグッと減ってしまったようだ。 上記のような状況を踏まえ、私が2023年現在のコロンボでの生活は

どうすれば自死を防げたのか

今日たまたまツイッターを眺めていたら、米国某州にポスドク留学中だった日本人男性医師が自死してしまったというツイートが飛び込んできた。まずは慎んでご冥福をお祈り申し上げます。なぜ私がこのツイートに注目したかと言うと、ツイ主の心境が過去の私のそれと似ていたような気がしたからである。何を隠そう私も高校時代は希死念慮に苛まれて、自死の方法をネット等で検索していたので、勝手にシンパシーを感じてしまった。あと某州と同じ東海岸沿いのジョージア州に留学していたので、米国生活の辛さも少しは理解

クアラルンプールのホテル選び

マレーシアに赴任して2年ぐらいになる。赴任してすぐに新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、国全体に移動制限が敷かれてしまった。唯一の遠出はランカウイ島に一度行っただけで、基本的にはクアラルンプール周辺をうろちょろしていた。その怪我の功名と言うべきなのか、やたらクアラルンプールのホテル事情に詳しくなってしまった笑 本稿ではコロナ明けにマレーシアを旅行したい日本人向けに、絶対失敗しないホテルの選び方について解説したい。 基本的な考え方まぁ予算によるという身も蓋もない話ではある

クアラルンプールのレストラン探し

前回のジュネーブ編に引き続いて、クアラルンプールで外食を満喫したい!となった際にレストランの選び方について考察したい。しかし人口50万人ほどのジュネーブと比較して、人口180万人で郊外に開けているクアラルンプールのレストラン探しは、ジュネーブほど単純にはいかない。 お店の情報食べログ等の代わりにトリップアドバイザーやGoogleマップを利用する。また駐妻等がインスタで美味しいレストランの食レポをアップロードしていることが多く、重要な情報源になるだろう。 予算まず一般的にロ

2019年に最も読まれた記事トップ5

私は大学生の頃からブログを書いており、頻繁に記事を書くプラットフォームを変えていたのだけど、このnoteは結構長く続いている。記事数も多くなってきたので、過去1年間でもっとも読まれた(=ページビュー(PV)数が多かった)記事トップ5を以下にまとめてみた。最近私のnoteを知って、どの記事から読んだらよいか分からない方は、ぜひ参考にして頂きたい。 1位:MPH受験の振り返りMPH留学系の記事はPV数が多い傾向があった。ここ数年で医療従事者を中心にMPH留学熱が高まってきたこと

ジュネーブでレストラン探し

新しい土地に住むと、その地域の美味しいレストラン等を開拓したくなる。また接待やデート等、土地勘がないアウェイな環境下であっても、及第点が得られる会食をセッティングする必要に迫られるかもしれない。本稿では、そんな悩める男性達向けに、ジュネーブにおけるレストラン選びの指針について考察してみた。 情報源食べログやRettyはないので、代替サービスとして、例えばTripAdvisorやGoogleマップ等を利用するのが良いと思う。評価(星の数)と評価数を参考にする。サンプル数が多い

すごいですね

「すごいですね」は、男の承認欲求を簡単に満たすことができる便利な言葉である。キャバクラや合コンでは頻用されているようだが、昨今は婚活や日常会話でもよく用いられる。振り返えれば、婚活で出会った女性10人中8人ぐらいに言われた記憶がある。例えば… 女「お仕事は何をされてるんですか?」 私「実は医者をやっておりまして…」 女「へぇ〜、すごいですね♡」 …みたいな。ちなみに僕は男だけど、しばしばこの言葉を発する。気の利いた返事をするのが面倒な時に「すごいですね♪」と言っておけば、

ワシントン大学に学ぶグローバル・ヘルス・フェローシップのあり方

レジデンシーを修了した若手医師に「グローバル・ヘルス・フェローシップ」と題して渡航医学、熱帯医学、国際医療協力などのトレーニングを行うフェローシップが欧米では存在する。例えば米国ではそこそこあるようだ。レジデンシーに海外ローテーションを組み込んでいるプログラムもあるようで、例えば米国家庭医療学会(AAFP)のウェブサイトからも検索できたりする。 ワシントン大学(UW)家庭医療科もその1つで、家庭医療レジデンシーを修了した医師を対象に、1年間のグローバル・ヘルス・フェローシッ

米国大統領選雑感

宿題の山に囲まれて悠長にnoteを書いている暇はないのだけれど、このビッグイベントに立ち会って、今の気持ちを書き留めないわけにはいかないなと思い、筆を取ることにした。 今回の米国大統領選はトランプが制した。僕はクリントンに勝ってほしかったので、この結果は残念に思っている。トランプはオバマケアを縮小または廃止することを明言しているし、副大統領候補のペンスはインディアナ州知事時代にタバコ規制や薬物中毒者への針交換プログラムに反対した過去がある。トランプは米国環境保護庁も改組する

AGIが医業に与える影響について考えた

最近、各国の知識人の間で汎用人工知能(AGI)の話題がフィーバーしている。かなり盛り上がっている。AGIは我々が思っている以上に早く、世の中に普及するらしい。そういえばAGIが普及すると医療はどうなるのだろうという予測は、あまり見ない気がする。筆者はAGIについてはど素人だが、見知った情報をもとに頭をひねってみた。 病歴聴取AGIに代替されやすいと思う。主要な病歴の感度・特異度はかなりわかってきており、インターネット上にある膨大な文献から検査前割合を推定する力はAGIの方が

結局インセンティブ・デザインだよね

米国の大学生はマジメに勉強しているが、日本の大学生はマジメに勉強しておらずけしからん、とのたまう人がいる。この主張は一見正しいようで正しくない。確かに米国の大学生は日本の大学生よりも勉強しているが、それは大学の学業に集中せざるを得ない、良い成績をとると報われる仕組みがあるからである。前述の主張をする人々には、表面的な理解ではなく「なぜマジメそうに見えるのか」という構造を理解してほしいと思う。 例えば、米国で博士課程に進学するためには学士や修士のGPAがほぼ4でなければいけな

OHSU Family Medicine見学記

エモリーのことと直接は関係ないのだが、初休みを利用してOregon Health Science UniversityのDepartment of Family Medicine (オレゴン健康科学大学家庭医療科)を見学してきた。航空券代が1,000USD以上もして凹んだが、元は取れた気がする。フェイスブックにもレポートしたのだけれど、以下にまとめておく。 ファカルティ・ディベロプメントSaultz教授のFDを聴講した。Family CircleやFACESという家族を分析

専門性に対する考察

ヘリコバクターピロリの除菌による胃癌一次予防を推進するクラウドファンディングを目にして、今まで別々に考えていたことが繋がったような気がしたので、以下にまとめておく。 1点目は、専門性というのは1つしか身につかないということだ。 昔『MD×〇〇で医療を変える』みたいなキャリアにすごく惹かれていた時期があった。〇〇というのはMBAとかコンサルとか、医療とは関係が薄い分野のことなのだが。例えば、医療も経営もわかっていて医療現場の問題解決ができます、とかドヤ顔で言われたらカッコイ

僕の後期研修に足りなかったこと

先日親からのメールで、家庭医療専門医試験に合格したことを知った。ひとまず、よかった…。 さて実りある後期研修になるようにいろいろ工夫してきたつもりだったけど、振り返ってみると多々足りないなぁと思うことが見つかった。忘れないうちにメモしておこう。 ① 在宅医療に関する諸制度:以前も書いたが、僕は後期研修が終わるまで訪問看護に介護保険と医療保険の2種類があることを知らなかった。何でこんなことになったのかというと、僕が診療所研修(ver 2における総合診療Ⅰ)をおこなったのは山