どうすれば自死を防げたのか

今日たまたまツイッターを眺めていたら、米国某州にポスドク留学中だった日本人男性医師が自死してしまったというツイートが飛び込んできた。まずは慎んでご冥福をお祈り申し上げます。なぜ私がこのツイートに注目したかと言うと、ツイ主の心境が過去の私のそれと似ていたような気がしたからである。何を隠そう私も高校時代は希死念慮に苛まれて、自死の方法をネット等で検索していたので、勝手にシンパシーを感じてしまった。あと某州と同じ東海岸沿いのジョージア州に留学していたので、米国生活の辛さも少しは理解できる。

もちろん私はツイ主とは一度も交流しなかったので、私と彼の悩み・心情・思考過程が同じである保証は全くない。憶測で語っているに過ぎない。また私には米国で単身ポスドクとして基礎研究留学する人々の苦しみを完全に理解することはできないだろう。なので、以下は私自身の経験をベースに書きたいと思う。

まず仕事(もしくは学業)とプライベート(恋愛・家庭環境等)が同じ時期に問題が発生し、ダブルパンチを喰らうのは非常に辛い。両者が別々の問題であっても十分辛いのだが、両者がリンクしていると負のスパイラルにハマってしまう。例えば、あなたが仕事で失敗して自信を失っている際に、同業者であなたより成果を挙げている同僚の女性に憧れ、彼女を好きになってしまうかもしれない。同分野で活躍している女性から求められることで、失われた自尊感情を埋めたくなることもあるだろう。しかし業績・能力的に劣って気落ちしているであろうあなたが女性にとって魅力的に映る可能性は低く、結局彼女には見向きもされないかもしれない。あなたは余計に劣等感に苛まれてしまう。自分には生きている価値がないんじゃないか?という観念に取り憑かれてしまっても不思議ではない。。

このような苦しみを抱えた男性に対して「これだから非モテコミットは良くない」とか「恋愛は分散投資だ」とかネット上では言われがちだが、それは問題の一面でしかないと思う。じゃあどうすれば良かったんだ!と言われても難しいが、いくつか思うところがある。

まずプライベートも含めて気軽に愚痴を吐ける友人が欲しい。異国の地でそんな友達などいない!と返されたらおしまいだが…。私は知人・友人に愚痴や悩みを安易にこぼしがちなので正直ウザがられている感はあるが、自分の精神の安定が脅かされている時は遠慮なく愚痴って良いと思う。また米国はカウンセリングが気軽に利用できる環境で、大学の保健センターにはカウンセラーが常駐していることが多い。英語だと本音で話せない!と言われたらおしまいだが…思い切って相談してみるのは手だろう。

また職場恋愛は、やっぱり良くないと思う。セクハラ防止という文脈で語られることが多いが、仕事と恋愛を分けることは両方が共倒れになるリスクを減らすことに繋がる。同じコミュニティ内で恋愛対象を探すのは大学生までにして、社会人になったらアプリ等の利害のない出会いに軸足を移そう。

更に今回のケースは同僚に恋愛感情があったと言うよりは、羨望・執着心・嫉妬心だったのではないだろうか?仮に全く同じ容姿・性格の女性が全く違う仕事をしていたら、そこまで彼女にのめり込んだだろうか?自分が自信を失っている時に、活躍している同僚の女性を魅力的に感じるのは、本当はなりたい(けどなれない)自分を彼女に見ているからではないかと思う。失われた自信は自分で取り戻すしかなく、他者を利用して自信を回復しようとしても結局うまくいかない。まぁその点を客観視できれば自死などしない!と言われてしまうとおしまいだが…

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