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“リファラルのプロ” TalentXによる、「紹介熱」が高まる交流会とは

社員の友人や知人を紹介してもらい、人材獲得につなげる「リファラル採用」は、いまや多くの企業が採用手段として取り入れています。しかし社員がなかなか人を紹介してくれなかったり、交流イベントに人が集まらなかったりと、その運用には多くの企業が頭を悩ませているのも事実です。

そんな中、株式会社TalentXは約100名の社員を通じて、2023年8月には1ヶ月で80名以上の応募を創出。その圧倒的な応募数を生む土台となっているのが、友人や知人がカジュアルに参加できる月1イベント「粋ともパーティー」です。毎回社員の知り合いを30〜50名程度招いて、自社のカルチャーを理解してもらえる場として開催しており、そこから多くのリファラル応募につながっているのだそう。

一体どのようにして社員の紹介意欲を高め続けているのか。リファラル採用サービス「MyRefer」を展開するTalentXだからこそ語れるリファラルイベントのコツを、CHROの中村侑太郎さんに伺いました。


社内の「リファラル熱」を高める工夫

──「粋ともパーティー」の内容や参加者について教えてください。

参加いただいているのは、TalentXにマッチしていそうな社員の知り合い=“粋な友人”や、転職を検討し始めている方、あるいは実際に弊社の選考に進んでいただいている方などです。実際に働いている社員の口から、TalentXのカルチャーや社員1人1人の個性について直接聞ける場となっています。2018年から実施していますが、コロナ禍以降はZoomによるオンラインで開催しています。

参加者の方には事前に「粋ともパーティーで知りたいこと」をアンケートしており、当日はそのテーマを語れそうな社員と一緒のブレイクアウトルームに入っていただきます。1つのルームの人数は参加者を含めて6〜7人ほど。そこで約1時間お話をしてもらっています。

粋ともパーティーの様子

──毎回多くの参加者がいるそうですが、社員が知人を紹介するモチベーションをどのように高めているのでしょうか。

2つあると思っています。1つは、粋ともパーティーをなぜやるのかという「Why」をSlackや全社集会を通じて社内に周知していることです。

ここで意識しているのは、粋ともパーティーへ協力することは採用ももちろんですが、「TalentXのカルチャー醸成」に繋がるのだと強調すること。

弊社は「MyRefer」というリファラル採用サービスで創業しました。この事業を世の中に浸透させていくためにも、まずは自分たちの社内でリファラルを当たり前にやる文化にしていくことは重要です。

粋ともパーティーへ協力することは採用だけではなく、TalentXという会社やTalenXのカルチャーを作ることだと伝えているので、その必要性を感じてもらいやすいのだと思います。

ちなみに、弊社は、カルチャーは代表や一部の社員が作るものではなく、社員1人1人が作っていくものだと考えています。部署を横断してカルチャー醸成を進める「TXC7」という組織があったり、社員のご家族に弊社のことを知ってもらう「CULTURE DAY」という取り組みがあったりと、社員自身がカルチャーづくりに参加する機会を多く用意しているのもそのためです。こうした日々の取り組みもあって、自分の行動が企業づくりに繋がるという意識がそもそも高くなっているのかもしれません。

中村 侑太郎:新卒で株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。メディア媒体の営業に従事した後に、全社人事に異動し同社の新卒採用に従事。その後、創業フェーズの株式会社サーキュレーションに参画し、コンサルティング部門マネジャー、全社採用責任者等を歴任し、東証マザーズ上場を経験。現在は株式会社TalentXにて、CHROとして採用(新卒/中途)、人事企画、人材開発、広報/PR領域を担当。

──リファラルによる「人材採用以上の価値」を社内に知ってもらうのがポイントですね。

はい。そしてもう1点は当たり前のことではあるんですが、ただ「イベントやります。呼んでください」と社内に言うだけではなかなか協力を得られません。運営側である人事が社員を巻き込んでリファラルの背中を押してあげる必要があると思っています。

80名以上を呼んだ月は、全社員を対象にした「チーム別のリファラル対抗戦」を同時に行っていました。チームに分かれて、ゲーム性を取り入れて楽しみながら粋ともパーティーに招く参加者の数を積み上げていった感じです。

自分の人脈は意識をして思い出さないと意外と忘れてしまうものです。そこで、改めてTalentXに合いそうな自分の知人を思い出してもらうために、人事が主導して各チームにメモリーパレス(※質問に沿って交友関係を洗い出すワーク手法)をやってもらいました。

また、リファラルを頑張っているチームや個人を人事から頻繁に社内にアナウンスして、いい意味でゲーム感を高める、という試みも。ただ対抗戦を開くのではなく人事が主体となって盛り上がりを作っていった形です。ここまで全社を巻き込んで設計したのは初めてでしたが、皆さんすごくコミットしてくれましたね。

沈黙を作らない、Zoom部屋のポイント

──集客面だけではなく、粋ともパーティーの中身では何か工夫をされていますか?

ブレイクアウトルームでの会話が途切れてしまったり、打ち解けきれずに終わってしまったりするのを防ぐためにいくつか手を打っています。

たとえば、ファシリテーターとなる社員をブレイクアウトルームごとに指定し、その方に話を広げてもらうようにお願いしています。細かいところでいうと、ファシリテーターのZoom背景に「9月の思い出」「人生で1番嬉しかったこと」などのトピックを書いた画像を設定してもらって、最初のアイスブレイクなどで使ってもらっています。これも粋ともパーティーの運営のお手製です。

さらに選考中の候補者がいるルームには人事が順番に顔を出していって、ご挨拶をさせていただいたり、参加者のご紹介をしたりもしています。このような細かな工夫を積み重ねていくことが、交流会をいいものにする1番の方法かなと思います。

──丁寧に運営するのが理想ではありますが、通常業務もある中では時間をかけるのは大変そうですね…

そうですね。ただ大変ではありますが、実は粋ともパーティーを通じて人事として得られる大きなメリットがあるので続けられているというのはあります。

参加者の方に聞きたいことをお伺いすると、本当にいろいろな角度からの質問をいただきます。「〇〇業界から転職してきた方の話を聞きたい」「新卒社員の話を聞きたい」というものもあれば、「マーケティング部では〇〇の施策をどうやっているのか」のようなすごく各論の話もある。

参加者の立場や状況によってTalentXについて知りたいことや観点はこんなに変わるのか、と気づけることは大きいです。候補者が気になることや疑問に思うことの解像度が高まるので、日々の採用活動に生かすことができているなと感じますね。

「オーナーシップの醸成」という意外な効果も

──既存の社員にも思いがけず良い影響があったのですね。

はい。その観点でいうと、社員のオーナーシップ醸成にも効果があると感じています。先ほども申し上げたように、ブレイクアウトルームは事前質問を参考にさまざまなテーマで組まれます。なので、社員はある時は「元〇〇業界人として見たTalentXの魅力」を語り、ある時は「TalentXの〇〇チームで働く醍醐味」を語ることになるわけです。

TalentXに入社した理由や働く面白さをさまざまな角度から語る機会があると、自分がここにいる意義を再確認できます。ただ所属しているだけではなく、当事者としてオーナーシップをもって働く意識づけにつながっているんじゃないかなと。

──オーナーシップの醸成がさらなるリファラルを生む好循環もありそうです。

まさにそういうサイクルを作れたらと思います。弊社のリーダーシッププリンシプル(バリュー)にも「Be Ownership/オーナーシップを持とう」というのがあるので、粋ともパーティーが当事者意識を高める機会になっていればいいですね。

ちなみに、新卒の内定者には研修の一環で粋ともパーティーを活用してもらっています。大学の後輩や友人を招いて、ブレイクアウトルームで「面接対策セミナー」のような企画を自ら行ってもらっているんです。新卒の方にリファラルを体験してもらう機会にもなっていますし、企画を立てることでオーナーシップを持つとはどういうことかを感じてもらえていればいいなと思っています。

時には採用目線を捨てる

──貴社のように、カルチャーや社員の個性を理解してもらうことを目的とした交流会を開催する場合、どんな点に気を付けると良いでしょうか?

「採用目線にならない」ことでしょうか。参加者の方に対して「TalentXに合うか合わないか」という視点ではなく、「この方とTalentXの相互理解が深まるか」を考えるということですね。その軸で考えることで交流会の内容や、協力してもらう社員のアサインも固めていけると思います。

また弊社のように参加者と社員との会話の機会を作るのであれば、どの社員がどのようなことを話せるのかをインプットするのも大切だと思っています。弊社はすでに社員数が100名を超えているのですが、それでも“タテ・ヨコ・ナナメ”の関係性を強固にしていきたいんです。

その一環として、粋ともパーティーの後に「粋ともパーティー2次会」といって、社員限定の交流会をやっています。新しく入った社員と既存社員の交流や、部署の垣根を超えた会話の場として使われていますね。これとは別に月2回の全社集会もある。そういった場で知った1人1人の特性が、結果的に粋ともパーティーの運営にも生きてきているような気がします。社外の方にカルチャーを知ってもらうためには、まず自分たちが社員のことを知るのが大切なのかもしれません。

株式会社TalentXの採用情報




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