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オンライン環境でも職場の生産性を高める 継続的なコミュニケーション改善手法とは?

テレワークが浸透し、在宅で仕事をする人が増えています。そんな中、慣れないオンライン上でのコミュニケーションに難しさを感じている人も多いのではないでしょうか?
第258回 グローバル人材育成研究会では環境の変化に戸惑う現場を人事はどうサポートするか。オンライン環境でも職場の生産性を高める継続的なコミュニケーション改善手法とは?」を開催いたしました。

コロナ禍での「不安」にいかに対応するか

ある調査によると、
「2020年、これまでにないストレスを感じた」と回答した人は、78%。

在宅勤務によるワークライフバランスの喪失や孤立感、先が見えない感染状況拡大。こうしたストレスや不安を乗り越え、職場でのチームの生産性を保つには、何ができるのでしょうか?

そのためには、組織・個人への有効なアプローチが考えられます。研究会の前半では、組織における課題と対策を中心に、当社代表福田からご説明いたしました。

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コミュニケーションが対面からオンラインへシフトした今、組織における生産性を高めるカギを握るのが、「社内コミュニケーションのデザイン」です。

これまである意味「無意識」的に行っていたコミュニケーションを、webを活かした特性にあわせて再設計することが求められています。
「量・質」両側面から最適化するアプローチが有効です。

対面では、「ちょっといい?」といった「その場」の情報交換が多くありました。しかし、オンラインでは、自分に関係ない情報や非オフィシャルな情報が入りづらい特性があります。だからこそ、「意識して情報量が多く入る仕組みづくり」が重要です。

また、「対面」では同じ場所で同じ空気を共有できていました。そこにあったのは、阿吽の呼吸で「わかりあえる」を前提とした環境でした。
ところが、オンラインでは相手の状況が見えず、情報も分断化されてしまいます。だからこそ、「わかりあえない」こと、を前提に置き換え、ならばどんなデザインにするべきか?を再考することが有効です。

なぜ「不安」への対処が必要なのか? 

後半は、当社パートナー講師の脇田啓司氏にご登壇いただき、「個人」面での課題ー「不安をどう認知・マネージしいかに「未病」の段階で防ぐか」についてご紹介をいたしました。脇田講師は、メンタルヘルスストレスマネジメントのトレーナーとしてご自身のキャリアをスタートされ、20年間不安やストレスと認知における関係性ををテーマとして活動され続けています。

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そもそも「ストレスや不安」になぜ手を打たねばならないのでしょうか?
それは「否定的・ネガティブな感情を起こしやすい」ためです。

リモートワークで孤立感が高まる環境では、ちょっとしたコミュニケーションから生まれる小さなストレスや不安も、雪だるま式に増大してしまう傾向にあります。すると、いつの間にか目の前の仕事に集中できなくなってしまい、その人が持つ本来の能力が発揮されにくくなってしまうのです。これは、個人のパフォーマンスはもちろん、組織への生産性にも影響します。

たとえば、「部下が何を考えているかわからない」という不安がある上司は、マイクロマネジメントに走りやすい傾向があります。それを受けた部下は「自分は信用されていないのでは」「責められているのでは」と感じ、否定的な見方が増えてしまうのです。そうすると、
「できないと思われるから、聞きたくても聞けない」
「仕事で失敗することが怖い」

といった声が聞かれます。実際、特に現場経験の少ない若手から、例年以上に上記の声が非常に多く寄せられています。


否定的な見方が増えると、客観的に物事を見られず、「自分はダメだと思われたくない」という予防線を張った仕事の仕方になってしまいます。すると、本来成果を上げることが目的のはずの仕事が、周りの目に映る自分の見え方を良くすることにすり替わってしまうなど、近視眼的な働き方になってしまいます。

生産性を高める上で、一定のストレスや不安は必要です。しかし「過度な不安やストレス」は逆に生産性を低下させてしまうのです。

不安への対処法ー「認知の傾向」を捉え、偏りをチューニングする


ではこうした「不安」にどのように対処をしたらよいのでしょうか?

その答えのカギは「認知」です。

認知とは、「自分自身の物事の捉え方」です。
同じ事象に対してそれをどう解釈するかは、人によって千差万別です。
「自分の認知の傾向」を知ることで、自分の考え方の「クセ」を客観的に点検し、捉え直すことができます。
脇田講師の研修では、不安・怒りの原因をグラフで可視化し自分の特徴を内省する、という手法を採用されています。

自分自身の傾向は「うすうす理解」してはいるものの、「客観的に」理解している人は、実際は多くないのではないでしょうか。しかし、他者との関係性の中で「自分は何に気を付けたらいいか」に気づき、それを踏まえて仕事や対人関係に臨むことで、自分が本来もっている力を発揮できるのです。
これが、内省により生産性が上がる、という理由です。
「なんとなく働く」のではなく「自分の思考が偏りすぎていないか?」に気づくことができると、偏りをチューニングするようになるのです。

対話による相互理解を促進する風土を醸成するには

 リモートでもいかに生産性の高いチームを作るか?は大きな課題ですが、これに大きく影響するのが「職場風土」ではないでしょうか。
 チーム内でも「競争モード」が強い職場では、自分の相対的価値を下げないよう大事なノウハウは人に伝えない、ということが起こります。しかし、「対話」を重ねることで「協働モード」になっていくと、教えあい助け合う一体感が醸成されていきます。

 研究会では、こうした対話の場を仕組化し定着していくための手法として「リフレクティングプロセス」というワークをご体感いただきました。

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これは、3人1組となって、相互理解を深めるための対話を促進するものですが、ワークをご体感いただいた方からは
「自分の話に共感し同意してもらうと安心した」
「違うものの捉え方もある」という気づきを得ることで、視野が広がった
といった感想をいただきました。

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オンラインだからこそ、より対話の場が必要になった今。そしてオンラインだからこそ、場所や時間の制約を超えて、対話の場を作り出すことができるようにもなりました。こうして協働を促進し、積極的に個人や組織を持続的に成長できる仕組みを作ることが、今、イキイキと働き生産性の高いチームを作る上で、とても重要なのではないでしょうか。

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