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#2 コロナ外出禁止令で人生を振り返る。客室乗務員異国へ出発、訓練のお話

前回の続き...私は晴れてCAに合格し、有頂天だった。

合格通知から3ヶ月後、異国の地へ飛び立った。当時、私のベースとなる異国の地はまだ無名で、親戚、友達は「大丈夫?」「本当に行くの?」と散々い言われつづけたが、私はそんな事にはもちろん聞く耳持たず。私はCAになれるならどこにでも行くと宣言していた。大きな夢を抱いていた。

結論から申し上げよう。

確かにCAは華やかで、お給料も外資のOLをしている今より全然良く、泊ったことのない5ツ星ホテルにタダで泊り、飲み会では大物と知り合ったり、有名人とデートしたり良い思いをした。

しかし、もう二度とやりたくありません(笑)夢を壊してしまってすみません。孤独、時差辛すぎ、血圧上がりすぎ、なんといってもお家のベッドが1番!経験しないと分からないもんですね。

何はともあれ、本日は異国へ出発、訓練のお話。

英語もろくにできない、田舎から来る私が、いよいよ異国の地へ出発。夏休みも終わり、家族はイタリアに帰ったので忘れもしない10月2日の朝、おばあちゃんが自転車で田舎の無人駅まで見送ってくれた。異国の地に何をもっていけばいいのか分からないのでとりあえずスーツケース2個、スーパーで頂いた「西瓜」と書いたダサく、持ちにくい段ボール1コ抱えていざ出発。(今思えば、空港まで荷物送れば良かった・・)

おばあちゃんに言われた最後の一言は、

「頑張ってきんしゃい。早く帰ってきて。」

私は、「まだ向かってもいなにのに、何を言っているのばあちゃん。私はCAになるのよ」と言いたかったが内心に留めておき、電車に乗った。

おばあちゃんが電車の窓から見えた。おばあちゃんは細い手で自転車抱えながらずーっと手を振ってくれていた。泣けてきた。ほんとに私は行くんだと、ようやく実感しはじめた。

電車を乗り継ぎ、新幹線に乗り、ようやく空港へ。

そこで、翌々フラットメイトとなる同期2人とご対面。2人は空港に家族と来ていて、小綺麗なスーツケースを1つ持ちチェックイン。私は急に、西瓜の段ボールが恥ずかしくなり、トイレに行ってくると伝え、トイレの個室に30分ほど籠った。「早くチェックイン済ませて、中にはいってくれー」と思いながら。

が、

2人はチェックインカウンターで律義に待っていてくれた。後ろめたさと、段ボールを勧めてきたおばあちゃんを恨みながら、私も渋々チェックイン。

チェックインもスムーズにいかず、スーツケースの中に髪をまくコテを入れていたので、グランドスタッフに怒られた。「これからCAになるんですよね?なぜコテが入ってるんですか?」

私はそれより西瓜の段ボールがベルトコンベアーに乗って早く消えて欲しかったので、パニック。丁重に早口で謝った。

いざ、ゲートに向かう。

同期の家族はマダム風な元CAのお母様とファション誌から出てきたんじゃないかというダンディーなお父様。もうひと家族はお医者様だった。早速、格差を感じて、私はこの段階でも西瓜の段ボールを勧めてみたおばあちゃんを恨み、出発のセンチメンタルな気分は1ミリもなかった。

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訓練は6週間。うち4週間は実機を模した施設で緊急脱出訓練などを実施する。残りの2週間はOJT(実地研修)に向けたサービストレーニング

訓練はホントに厳しい。訓練に合格しなければ、念願の客室乗務員にはなれない。訓練中は毎週テストがあり成績が基準に満たず、帰国させられるネイティブの人や遊び惚けていた外国人の帰国を目のあたりにすることは珍しくないと日本人先輩に事前に教えてもらっていたので、英語ができない私はパニック。英語が出来る同期に縋り、毎日訓練後、日本語で訓練内容を説明してもらった。ありがたかった。これこそチームワーク。(私は貢献できなかったが・・)

当時は若干22歳。CAになりたくって、これまでがむしゃらにやってきたが、今さら未知の出来事と不安が入り交じり押しつぶされそうだった。毎日訓練後の復習と次の日の予習。

運転免許試験の時より勉強した。ここでまた母譲りの「諦めない精神」が参上。TOEIC の点数は恥ずかしすぎて言えないがこのような訓練を受けるレベルではないことは確実。毎日平然を装って訓練を受け、夜は必死に勉強。そして外国人の帰国を目のあたりにした日は、徹夜もした。

6週間後、訓練卒業式。

うちの会社では卒業生がチームになりダンスを5分程踊る。そして映画「トップガン」のように卒業証書を空に。

これで私の軍隊の様な生活も終了。嬉しかった。

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同期に大感謝。お互い異国の地での訓練。色々と助け合いながら、笑いあり、涙あり、すべて一緒に乗り越えた事で一生物の絆ができたと思う。今でも同期と思い出話をする時、必ず出てくる話題。

しかし、二度と受けたくない。

つづく…

さいごに

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