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THE 離婚 トーキョー NO.4 ドイツ人男性と日本で婚姻後、夫が帰国して逃げました

ドイツ人男性と日本で婚姻後、夫が帰国して逃げました

 私は5年前に来日したドイツ人と神奈川で結婚をしました。ドイツ人に別の彼女ができてしまい、同居生活中喧嘩をたくさんしていましたので、そのドイツ人は浮気相手のいる東京の立川に暮らし始めているそうです。旦那はいったん帰国したのですが、コロナが落ち着いて、また帰国して復縁を迫ってきましたが、また出国してドイツで暮らすようです。

ある日の相談より抜粋

何が問題なのか?


 
実は、この事件には、人事訴訟事件及び家事事件の管轄権【国際裁判管轄権】という難しい問題を含んでいるのです。各国において共通している国際法上の原則はなく、しかも、法の不存在がさけばれているような状態なのです。それでも、離婚をしたい場合には、ドイツ人の配偶者と離婚に向けた協議をしなければならず、協議が整わないのであれば、調停・裁判などに侵攻をするしかありません。
 ここで、本当に調停や裁判などの裁判所での手続をとることができるのか?というのが国際裁判管轄の問題です。

実際に日本の裁判所を使えるのか?


 結論、使うことができます。離婚の場合には、当事者の本国・国籍国に原則的管轄権を認めています。本来訴訟法の原則では、被告の本拠・住所に管轄を認めるべきとされているところを、離婚の場合には、身分関係が本国と密接な関係を有していることから、管轄を認めているのです。

実際にどう判断されるのか?


 
日本の裁判所を使えるとして、どう判断されるのでしょうか?日本どおしの離婚と同一に考えてしまっていいのでしょうか。結論、問題ありません。夫婦の一方当事者が日本人であり、日本に常居所があるのであれば、日本法を問題なく用いることができるのです。そうすると、離婚にあたっては、不貞行為があったり、悪意の遺棄があったりすれば、完全に日本人通しの離婚と一緒の原因で離婚をすることができるのです。
 本件でも、不貞行為があるので、離婚は認められるでしょう。

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