見出し画像

3Dプリンターのトラブルシューティング記録①[Anycubic Photonプラットフォームから出力品(プラモパーツ)が剥がれ落ちてしまう現象を解決]


皆さん、こんにちは

3Dプリンターを使っている方ならだれもがその機器の不具合や故障の経験があると思います。特に、長期間使っていると3Dプリンターは精密機器であるため、本来はメーカーによる定期的な校正(キャリブレーション)が必要になります。今回は私が最近経験した不具合とその恒久対策を紹介していきます。

私のこれまでの活動や自己紹介は下記の記事で紹介していますので、はじめて訪問された方々はぜひご覧になってみてください。

今回の不具合が発覚したのは、下記のディジェのサーボモータのマウントパーツを出力している時でした。(現在、ムーンガンダムのリックディジェ改1/30の可動ヘッドを作成しています。詳しくはコチラから)

画像1


1. 原因調査と結果

この異変に気付いたのはプリントを開始してから約2時間後でした。出力品のサポート面の一部が写真のようにはがれていたのです。

画像2

上記のように、サポート面が一部剥がれた状態でプリントを継続していたため、もちろん出力品の形は歪なものになってしまいました。。。。。。(2時間無駄にした)

最初に疑ったのは、サポート面がはがれていることから、出力モデルのスライスデータの設定値を確認しました。しかし、この設定値はメーカー推奨時間よりも少しだけ長くしているため、硬化の不十分さが原因ではないと判断しました。プラットフォームの面が歪んでいるわけでもなかったため、Z軸レベリングに調査の対象を絞りました。

Z軸のゼロ位置取りは下記の写真のように薄い紙を一枚挟んで、ギリギリ抜けないくらいまでZ軸を落とし調整しています。この方法に関しては以前書いたレビュー記事に載っています。

画像3

この方法で今まで問題なく出力できていたのですが、今回それができなくなりました。私が焦点を当てたのは、VATとプラットフォームのブラケットの位置関係もしくは干渉でした。ここが干渉すると、設定したZ軸のゼロ位置までプラットフォームが下がらなくなり、サポート面がうまく生成されないと予想しました。(また、Z軸の校正を行っていなかったので、ずれるとしたらここしかないと思いました。元々ここの2間の間隔はかなりギリギリだったため、Z軸が少しでも狂うと干渉すると思っていました。)

画像4

調査の方法は下記の手順で実施しました。

①通常通りZレベリング(ゼロ点取り)を実施する

②70mm分だけプラットフォームをZ軸上方向にリフトアップする

③VAT(レジン液の容器)を設置する(この時VAT内は空のままにする)

④70mm分だけプラットフォームをZ軸方向に下げる(②と同じ移動量であること)

この手順で実施し、VATとプラットフォームのブラケットが干渉してないか確認しました。

結果として、VATとプラットフォームのブラケットが干渉していました。おそらく0.5mmくらい干渉している印象でした。それでも3Dプリンターにとっては致命的な干渉なのですぐに対策を施しました。簡単な断面の図解は下記の通りです。

画像7


2. 対策

対策は至ってシンプルです。それは、干渉しないようにプラットフォームとブラケットの間隔を大きくしました。間隔を広げるために、プラットフォームとブラケットの取り付け箇所にスペーサーをかませました。厚さは最低1mmあれば大丈夫だと思います。私は2mmほど間隔を広げました。

下図は簡略な断面図解です。

画像8

実際の写真は下記の通りです。

画像5

画像6

一応これで今回の問題は解決されました。元々VATとブラケットの間隔が狭いので、事前にスペーサーを設置してしまうのもありかもしれませんね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。良かったらフォロー、いいねをよろしくお願いします!!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?