「金融財政政策雑感」no.32
デフレの時代は過ぎ去り、インフレの時代が到来したとの主張が確信をもって語られるようになった。平成時代の難渋を極めたデフレと円高の悪循環に思いを馳せると、今日、隔世の感がある。当時、円高がデフレの真因であると円高是正のための為替介入の必要性が声高に訴えられた。詰まりに詰まって2013年初頭、リフレ派の主張する2%のインフレ目標を掲げたアベノミクスの政策が打ち出された。今はその白熱した当時の議論も、新たな装いの下に語られるようになった。だが、2%のインフレ目標が政府・中央銀行の