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「為替相場の不安定性理論」no.2

   為替相場には、名目為替相場と実質為替相場がある。   名目為替相場が部分モデルであれば、それを決定する実質所得や利子率は外生変数である場合が大方である。それらを決定して一般均衡モデルで為替相場の不安定性を分析するためには、上記2つのカテゴリーで分析する必要がある。
 まず、最初に実質表示の古典的なIS/LMモデルに接合する。その実質表示のモデルで決定されるのは、実質所得と実質利子率である。それらにトータルな影響を及ぼすのは、実質為替相場である。名目為替相場は実質為替相場の一要素に過ぎない。実質為替相場が定常値に収束し安定であるとしても、それに対応して名目為替相場が定常値であることは、一般的にはありえない。実質為替相場については不安定なモデルも安定なモデルも両方が存在する。その違いは何処にあるのかをこれから明らかにしていく。

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