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カオスな実家に帰る#8

婚活がうまくいかず、無職で金銭的に苦しく、仕方なく帰りたくもない実家に帰ることにした26歳の私。
婚活は続けられるかな?
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カオスファミリー集結

8月の熱い日、汗だくになりながら荷物をまとめ、実家に引っ越した。
私は、大学時代から実家を離れていたので、
おおよそ8年ぶりの家族との共同生活が始まった。

<家族構成>
父:瞬間湯沸かし器のような父親。小さなことにも激昂する。
  ずっと何かにイライラしている。
母:3年前に義母が亡くなり、
  長期の介護生活が終わった反動で引きこもりになる。
  家から一歩もでない人①
妹:私の一つ年下の妹。無口。小中高といじめにあっていて、
  高校は入学1カ月で過度ないじめにあい中退。
  かれこれ、引きこもり歴10年のベテラン。家から一歩もでない人②

引きこもりが2人もいる。カオスすぎる・・・
そんな風に思いながらも、私は、家から一歩も出ない人③になった。

家族と私の関係

父親は、幼少期から単身赴任で家にいなかったので、
父親とちゃんと暮らすのは、実質20年ぶりくらい。
父親とは、まともに話したことはない。
私の進路とか何かしらの決め事があったと思うけど、
家にいないから父親とは何も話さず、すべてを母親と決めてた。

母親は、教育ママ過ぎて、あれやったら、これやったら?と、
たくさん習い事(6つくらい)をさせてくれて有難かったけど、
私は、母親の操り人形だと小さい頃から思っていた。
加えて、母親は、近所の噂話が大好き。
同級生の誰ちゃんがどうのこうので、誰くんはどうのこうのでという話ずっと一方的に聞かされていた。
私は、噂話に対してどうでもいいとしか思えず、どうでもいい会話をしてくる母親と物心ついたころから、ほとんど会話することをやめた。
ちゃんと話したのは、進路の話くらいかな(笑)

妹は、話すことが何もないので、何も話さない。
18年間は、一緒に暮らしていたはずだけど、
たぶん中学生の頃から1分以上の会話をしていない気がする。

普通の円満家庭とは、かけ離れた家族と屋根の下、
私は、婚活に疲れ、仕事はないけど働く意欲もなく、
家族とも何も話さず、ぼーっとする毎日を過ごした。

いつもと違う風景を見る

夏だった季節は、気付いたら冬になり、私はコタツムリになった。
何もする気力が起きない。
食べて寝て、食べて寝てを繰り返した。

婚活、頑張ったけど、うまくいかない。
結婚が無理なのかもしれん。
誰にも好きになってもらえないんだ。
ネガティブな感情をぐるぐると巡らせていた。

なんか変えなきゃと思うけど、何もできず眠りに落ちた。
ある日、寝ていると誰かが体を揺らしてきた。

父:「おい!起きなさい!出かけるって!」
私:「・・・、なんで?」
父:「いいから!!」

父に勢いよくたたき起こされ、
パジャマの上にコートを羽織って急ぎ足で車に乗った。
どこいくんやろ?

車を走らせること数十分。

父:「見てみろ!きれいだろ?」

車の窓から、真っ赤に色づいたモミジや、
鮮やかな黄色のイチョウがみえた。
わぁー。きれいやなーー。

父とは、ほとんど会話ができない状態だったけど、
父は、私を元気づけるために、ここに連れてきてくれたんだと分かった。

私は、父の言葉に一言「うん。」としか言えなかったけど、
心の中では、ありがとう、と言っていた。
前に一歩すすむ力をもらったような気がした。

立ち上がる

会社辞めて3ヵ月か。
そろそろ、引きこもりをやめなきゃ。
婚活はいったん疲れたから、お休みすると決め、
働こうと転職サイトに登録した。

すると、転職サイトから、
なにやら『スカウトメール』というものが届いた。
あなたの経験が活かせる求人を紹介したいから、
面談しないかという内容だった。

何か面白そうな感じがして、その面談を受けることにした。
面談は、午前10時から。
昼夜逆転、引きこもり生活をしていた私は、
目がしょぼしょぼしていたけど、何とか面談に行った。

面談に出てきたのは、眉毛が凛々しいこち亀の両さんみたいな男性。
よくよく話を聞くと、私に紹介した会社は、両さんの会社だと言っている。
なんか分からないけど、普通じゃない提案にワクワクした。

紹介されたのは、やったこともない営業職という仕事。
営業って、いろいろある職種の中でも一番大変そうと、とても不安だった。
でも、この一番やりたくない営業ができたら、
自分何か変わるかもしれん。

こち亀の両さんとの面談後、1が月、不安と葛藤した結果、
両さんに営業職として入社すると告げた。

私は、27歳になっていた。
つづく・・・


26歳の私へのアドバイス

  • 実家に帰るのかなり躊躇っていたけど、よく帰ったね!本当は家族を大切にしたいという気持ちが一番にあったのを知っているよ。つれない態度してたけど、あの時、帰れてなかったら、家族との溝が広がっていたかもしれないね。

  • 家族が引きこもりになっていることに対して、何か怒ってたよね?人にはさ、人それぞれに悩み苦しむ時があるんだよね。自分もそうだったじゃんね。引きこもりの状態になっていることに怒るのではなくて、その状況を認めてあげたらいいんじゃない?あなたが引きこもりになってた時、家族は、心配しながらも温かく見守ってくれていたよね?

  • 普通の円満家庭ってなんだと思っている?普通って何?あなたは、両親、妹に恵まれ、ご飯もしっかり食べされてもらって、ほしいものを買ってもらってすごく幸せだったと思うよ。その当たり前の幸せな日々を忘れていない?

  • とにかく、人をネガティブに見る癖をなおそう!あなたにもネガティブな面がある。人のネガティブな面ばかりをみるのではなく、ポジティブな面をみる練習をしてみて。

  • 家族に対してありがとうって言葉、なんか照れくさくてなかなか言えなかったね。素直にありがとうって言ってごらん。家族はすごく喜んでくれるよ。

  • 婚活お休みする判断はナイスだったね!休息するってとても大事!頑張りすぎない方が案外うまくいったりするものだよ。

  • 仕事の選択、なかなかすごい決断したよね!あの決断があったから、私は今、いろんなことができるようになっているんだよ。ありがとうね!


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