第二次予備校 春期講習(授業編1)

春期講習の昼休み

初日のゼロクラス終了後は、その後Yと昼飯を買いにコンビニに行きました。当然食堂などありませんので、生徒が入れる休憩室みたいな所で食べなければいけません。

Y「いゃぁ疲れたね。うちの英語のクラスは、前の所と変わらない人多かったよ。」

「前いたI君、来てた。軽く挨拶した程度だけど。」

説明会にいたI君は、ちゃんと来てたようです。

午後は、現代文と古文と漢文の授業2コマが残っています。現代文だけ私は彼らと違い、残りの授業は3人共同じなのです。

(この分だとゼロクラスの人も来そうだなぁ。)

私は、コンビニのパンをかじりながら自動販売機に囲まれたスペースで語りだしました。

私「うちのクラス、キャラが濃くてさ、前の所にいたB君よりも派手なやつ多いんだ。」

「ギャルはいるし、ドレット頭もいるし、ボンタン履いた高校生もいたよ。」

Y「やばいね、ソレ。確かにゼロクラスにいるっぽい人じゃん。」

浪人生らしき人達も入ってきました。隣の大部屋のスペースには自動販売機が無いので、こちらまで来なければなりません。すると先程話したM君が来ました。

M「あ、ゼロクラスにいた英語出来る人だ!こんちわぁ。」

相変わらず、自由奔放な雰囲気を出しています。

M「その子、彼女?!うちのクラスにいないよね。」

Y「いやぁ、彼氏じゃないし、決めつけられてキモいんだけど。。。」

開口一番第一印象が悪いようです笑

M「ゴメンゴメン、仲いいからさ。」

私と彼で少し話し込むと、先程いたD君とE君とは中高一貫校の時に高1まで一緒に遊んでいた同級生だそうです。M君だけ自主退学して、今は通信制の高校でスクーリングをしているとか。編入はしているので、同じ学年で受験勉強を決めたと話してました。

私「さすがに、ドレットじゃ私立の高校は無理でしょ。」

「けど、似合っててかっこいいと思うよ。」

敢えてリップサービスしておきました。なんだかんだしているうちにお昼休みもそろそろ終わりです。

M「午後、古文と漢文は俺基礎クラスだからまた後でね。」

次は、現代文の授業になります。

現代文の授業

O「文章を理論的に書けて理解出来る人は、まず学校での授業では満足できないかと思います。」

「何故ならば、筆者の心情、訴えたいこと、語句の問いを高校では、学ぶだけだからです。」

名物講師のK先生。ビジュアル化された板書をメインにしている難しそうな授業でした。発展クラスは、ある程度国語力がある前提で春期講習を進めている様子です。

(うちの高校じゃ作品の勉強とか教師の好みで学習するからなぁ。)

今でも覚えているのが、ある新聞のコラムから問題演習の解説をする場面です。大手の新聞の政局から経済、文化など評論家が指摘する内容です。先生は、まずもう一度文章を読ませます。

「昨今の政局は、二大政党制からの弊害である。中選挙区から小選挙区となった事による一党独裁体制は減りつつ有る。つまりは民意の有る政治家しか通れない。」

「しかし、組織票や党員票の強い政党はあくまでも支持政党でなくても、当選しやすいのである。すなわち無党派層の獲得である。」

O「はい、これを読んだ人で、「しかし」と「すなわち」に違和感感じた人いますか?」

手を挙げる人は半数でした。私は、挙げておりません。

K「実は、この部分は筆者の心情ではなく事実=ファクトについて書いています。」

「よって、前述の゛民意の有る政治家しか通れない゛にこそ筆者の心情が出ているのです。」

先生は、色使い鮮やかにチョークで線を引いていました。ここが見せ所です。何をいいたいかというと事実と心情の部分について見極めをしておかないと選択問題の時に間違った答えに○をしてしまうからです。

(うちのF高校の授業じゃ全くここまで教えないよなぁ。。)

初めて教わったテクニックに呆然としてしまった私がいました。

O先生は、常に問題をただ解くのではない。心情だけでなく、こうしたファクトの部分を常日頃の時事問題や歴史、文化などに触れて置かなければならない。と強く忠告してくれました。

授業の最後に論述問題の宿題を出されます。翌日の授業に提出すれば添削してくれるようです。この時は、お話したことはありませんけど、1年間はとてもお世話になりました。

古文と漢文の授業

教室は、そのまま。次の授業まで10分休憩が開始です。

Y「ヤッホー、現代文どうだった?」

早速、Yが登場しました。

私「いやぁ、ハイレベルだった。先生凄かったよ。」

Y「うちの基礎クラスは、テキストの進め方を教えてから簡単な問題を解いて終わったよ。」

彼女のクラスでも、宿題を出されていたようです。論述問題ではなくて、当日の授業と似たような演習でした。

Yがうちの現代文のテキストを流し読みしました。

Y「うーん、ハイレベルってこの事言うのね。」

「あんた、ついていけんの?」

ニヤニヤしながら、からかってきました。

廊下の方では、先程のM君達やガングロギャルのT、定時制に通うギャル男カップルなど、ぞろぞろ入ってきました。同時に知らない人も複数名いて、総勢20名の授業のようです。

T「あ、こっちにもいたんだ。英語はゼロだったからまさか、と思ったけど。」

厚底ブーツを履いたTは、物音を立てながら近くに座ってきました。

Y「誰?知り合い?」

私「あー、さっきのゼロクラスにいた子。筆記用具貸したんだよ。」

Y「あ、そうなんだ。よろしくね。」

T「こちらこそ。筆記用具は、事務局で借りたからもう大丈夫だよ。」

(さすがに1日中無いとやばいだろうなぁ。)

すると、スーツを着たイケてる風の若い女の先生が教室に入って来ました。この方も名物講師のN先生です。30代ぐらいの頭の良さそうな人でした。

N「はい、基礎クラス担当するNです。」

「今日は、古文と漢文が苦手な人向けに講習したいと思います。」

「あ、そうだ。英語と現代文のクラスも聞いておこうかな。」

先生は、どうやら他のクラスにどれだけ入っているか、相場感を知りたかったようです。

私「現代文は、発展クラスです。英語は、ゼロクラスです。」

Y「現代文は、基礎クラスです。英語は、中堅クラスです。」

etc・・・・。

先生は、名簿の横に一人ずつメモをしていました。

N「なるほど。。大分ばらつきのある生徒さんが多いのねぇ。」

「ただ、気になったのは、貴方、智聖さん?」

「貴方現代文発展クラスなのに、英語はゼロってどうゆうことなの?」

先生は首を傾げています。

(デコボコ具合に驚いたんだろうなぁ汗)

私「いえ、英語はもしかしたら基礎クラスになるかもって今日講師の先生に言われたので、まだわかりません。」

N「あ、そうなんですね。」

先生が言うには、古文と漢文は、英語の文法だったり、現代文で言う読解問題の習得度など共通する事が多いので、あらかじめ出来る所と出来ない所を見据えて教えたかったそうでした。

他に聞いていたのは、M君とカップルのoさん達でした。

N「Mさんは、通信制で、Oさんとお連れの子は定時制なんですね。」

「多分、履修してる単元などここと違う事もあるから、その点気をつけてね。」

学校によって、学ぶレベル、履修する単元が違うことから改めて学んでほしいようです。

授業自体は、文法や活用と言ったところから、後半になると単語など説明をしてくれました。色々と覚えることが多いので、板書を写すだけでも一苦労です。

(これも、うちの学校だとここまでやらなかったなぁ・・。)

あっという間に60分が終わりました。ようやく15時過ぎに講習終了です。浪人生と現役生は、この後社会科と理科や数学を学ぶクラスなど開講しているので、自習組と分かれるようです。

T「いやぁ、今日はマジで疲れたよ。」

「うち公立なんだけど、ここまでやったこと無かった。」

脳の疲れ、慣れない場所の勉強から汗が出ていました。着ているサーフブランドのジャージを腕まくりしています。

Y「うちもそう。特進クラスの人はここまでやってたと思う。」

打ち解けた雰囲気で、ガールズトークをしています。

Tは、近県から通っている遠征組でした。県境であるためどうしても、大きな都市のある駅に来ないとレベルの合う予備校が無いようでした。

私「前の所でも、簡単なことはやったけど、ここまでやらなかったなぁ。」

「けど、Tちゃんは、通い甲斐があるんじゃない?遠くから来てんだしさ。」

ふとドアの所を見ていると、M君やDとE君がこちらを見ていました。コソコソ話しながら、こちらの様子を伺っています。

Y「ね、自習やってく?宿題家でやるよりここでやったほうが良くない?」

T「ウチもそうしよ!、家帰ったらガン寝しちゃうし。」

確かに休憩時間が4つの授業で40分と昼休み入れて60分。授業は、4コマあって4時間。家に急いで帰っても17時近くになります。ダラダラしてしまうのが目に見えています。

この日は、そのまま自習組に17時過ぎまで残って宿題をしました。備えあれば憂いなしです。あっという間に初日が終わりましたが、講習最終日に一波乱が・・・笑









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