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甘いものがやめられない!       ー甘味欲求のメカニズムを紐解くー

甘いもの、糖質がやめられない!
しんどい思いするくらいなら今のままでいい!

なーんて方はいませんか?
ダイエットなどでしたことがある方はわかると思いますが、
甘いものを断つのって相当の苦労と我慢が必要ですよね。

私もまだ何の知識もない頃、ボディメイクの一環で糖質制限をしましたが
とはっきり言って苦痛でした笑
もう、気狂いそうになるんですよ笑
(私の場合は甘味というより米でしたが笑)
今思えば、とんでもなく無謀なことをしていたなと思います。

しかし、甘いものを欲するには原因があります。
身体の中で何が起こっているのかを理解すれば、甘味への欲求を抑える方法も見えてきます♪
というわけで、今回は
甘いものを欲するメカニズムとその対策】
について皆さんと一緒に学んでいこうと思います。


『甘いものを欲するメカニズム』
まず、結論から言うと甘いものがやめられないのは
「エネルギー不足」だからです。

は?エネルギー不足?
「いやいや、お兄さん冗談やめてよ。
こっちはスイーツにお菓子、時にはラーメン、焼き肉だって食べるんだから!それで、エネルギー不足なら痩せてもいいはずじゃない!」
と罵声が聞こえてきそうですが…負けません笑



まず、知っておいていただきたいのは
「エネルギー不足」=「カロリー不足」ではないということです。
人間にとってのエネルギーとはATP(アデノシン三リン酸)というものを
ADP(アデノシン二リン酸)∔リン酸に分解した際に発生するエネルギーのことです。
小難しいことは置いといて、「ATPってのが必要なんだな」って感じで覚えておけばOKです。
車のガソリン≒人間のATPといった具合です。

始めにざっくりとした回答を言うと
ATP(アデノシン三リン酸)を生産するには実に様々な栄養素が必要なのです
①タンパク質②ビタミン③ミネラル(鉄やマグネシウムなど)④酸素などです。
糖質や脂質を原材料に①~④の栄養素ががフル活動することで
始めてATPは正常に生産されます。
つまり、エネルギー不足というのは「ATPを作るための栄養素が不足している」ということです。要は栄養不足ってわけです。
なので、どんなに色々食べていようがその食べ物に栄養がなければ人はエネルギー不足になるのです。
結果、エネルギー不足になると身体は少しでもエネルギーを補うために
最もATP生産効率の良い糖分を欲するようになります。
これが甘いものをとめどなく欲してしまうメカニズムです。

『ATPはどこで作られる?』
ではそのATPはどこでどのように作られるているのか?
ATPは解糖系、TCA回路、電子伝達系という回路で作られます。
解糖系で2ATP
②TCA回路で2ATP
③電子伝達系で34ATP
合計38ATP
作ることができます。
このうち、②TCA回路と③電子伝達系は細胞内にあるミトコンドリア内で機能しています。
ミトコンドリア内で36ATPも作れちゃうんです。
となると、
ミトコンドリアが上手く働かない
→36ATPが作れない
この状況を2ATPしか作れない解糖系で補おうとすると、19倍も機能させないと本来得られるはずのエネルギーを作れない
→頑張るから、とにかく糖分(材料)だけでもをくれ!!!!
→結果、甘いものを欲する。
これが異常な甘味欲求のメカニズムです

ミトコンドリア


『ミトコンドリアに必要な栄養素』
さて、こう見てみるとどうやら「エネルギー産生にはミトコンドリアが非常に大事だ」ということがわかってきたかと思います。
ではミトコンドリアが元気に働くための栄養素は何か?
①ミトコンドリアの構成成分の一つ
     →鉄分
②TCA回路を機能させるのに必要な栄養素
     →ビタミンB群、マグネシウム、コエンザイムQ10、グルタチオン
③電子伝達系を機能させるのに必要な栄養素
     →酸素、α-リポ酸

※グルタチオン:レバー、肉類、アボカド、キウイフルーツなどに含まれる。
※α-リポ酸:レバー、ほうれん草、トマト、ブロッコリーなどに含まれる。といっても、含有量はさほど多くないのでサプリメントが良いかもしれません。

そのため、鉄欠乏の方や酸欠気味の方はミトコンドリアが上手く機能せず、甘いもの欲求が強くなる傾向にあります。
特に有経女性は月経により経血とともに鉄分が失われるので、エネルギー不足に陥りやすいです。
また、成長期のお子さんも成長するために鉄分を多く消費するのでエネルギー不足に陥りやすいです。
女性に甘いもの好きが多いのもこのエネルギー不足が関わっているかもしれません。

また、鉄が足らなければ、赤血球も正常に作れません。
赤血球には身体中に酸素を運ぶ役割があるため、鉄不足があると酸素不足にもなりダブルパンチでミトコンドリアの機能を低下させてしまいます。


『ミトコンドリアの所在地』
ミトコンドリアはエネルギー需要の高い細胞にほど、多く存在します。
先程も述べたとおり、ミトコンドリアは鉄を含むため赤黒い器官に多く存在します。
心臓・肝臓・筋肉・卵子(卵細胞)などです。


『エネルギー不足を起こさないための対策』
・朝ごはんをきちんと食べる。
・血糖値を安定させる。
  →こちらについては「え?これが原因だったの!?メンタル不調を紐解く」もご覧になってみてください。
・サプリメントも使いつつ必要な栄養素を摂る。
・食物繊維や低GI食品など血糖値の上昇を穏やかにしてくれる食品を摂る。
・ストレスを溜めすぎない。
・腸内環境を整える。


かなり長くなってしまいましたが、なんとなく
甘いものがやめられない理由がわかっていただけたでしょうか。

甘いものがやめられないのは根性論ではありません。
「エネルギー不足」にならないように食事を気を付ければ
異常な甘味欲求は軽減できます。
また、きちんと栄養で満たしてやることで甘いものへの欲求だけでなく
様々な不調の改善も期待できます。
薬と違うのは副作用がほとんどないことです。

有経女性や成長期のお子さんであれば、まずは鉄分の補給からやってみて下さい。
それだけでも違いを感じるはずです。

人の身体というのはとても不思議なもので
自分の嗜好だとか、性格だと思い込んでいたのもが
実は身体からの赤信号だったりするのです。

今回の記事がお役に立てば嬉しいです。
また、分子栄養学に興味を持っていただけたら幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました♪

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