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動物ショートショートB

8
tabino.が描いた動物の絵とショートショートの8作品をまとめました。
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#創作

私はポメラニアン。

私はポメラニアン。

皆に言われる。
ふわふわだ、と。

私は私を大まかに触ることは出来ない。
私は果たして本当にふわふわなのか。

しかし皆が言う。
ふわふわだ、と。

暖かそうと言うがそうでもない。
雪の日の散歩はほどほどにしてはくれないか。

風を受ける私の身にもなってほしい。
ふわふわであろうがなかろうが、私は私なのだ。

ペンギンになりたい。

ペンギンになりたい。

いや、本当に良かったと思ってるんだよ。
僕はペンギンが好きで好きでたまらなかったのだからね。

見てみたまえこのフォルム、完璧だと思わないか?
ああ、本当に感動しているよ。

しかし中々に難しいものだ。
歩行の様子も観察しなければな。

「何があったんですか…」

研究所の一室で僕が見たものはペンギンと化した所長の姿であった。
所長は施設でペンギンを何羽か飼育していたが、今はその飼育していたペンギ

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浜辺さんとワルツくん。

浜辺さんとワルツくん。

とある動物園に一羽のハシビロコウがいる。
名前をワルツという。

「えー!めっちゃ睨んでるじゃん!」
「あれ、腹減ってるんだろうな」
「私なんか悪いことしたかな…」
「迫力すげー!目力すげー!こえー!」

ワルツくんに対し、人々は色々思うようだ。
だが、ワルツくんは実際のところ今、睨んでもいないし腹も減ってないしあなたは悪いことをしていないしそんなにこわくない。

「なぁワルツ、笑顔できねぇ?」

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兄さん。

兄さん。

虎は柴犬を兄さんと呼んでいる。
「兄さん、今日もモフモフしてますね」
「お前ほどじゃねぇよ」
関係性はまず、兄弟ではない。
「僕そんなモフモフしてませんよ」
「嘘つくな」
そして、一緒に育ったわけでもない。
「昔から言葉きついですよね」
「お前の冗談ほどじゃねぇんだわ」
ではどういう関係性なのか。
「この動物園に先に兄さんがいて驚きましたよ。僕が一番先に入りだと思ってたんで」
「わんわんコーナーが

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意味がなくても。

意味がなくても。

「三歩歩いて、二歩下がるんだよ」
一羽のマガモがハムスター達に何か教えている。
「何で」
「何で」
マガモは足踏みをしながら「運動になる」と言う。
「進まないじゃん」
「進まないじゃん」
マガモは、ぐわぁと鳴いて「そうじゃないんだ」と表情を変えず冷静にハムスター達に話す。
「歩けばいいじゃん」
「歩けばいいじゃん」
マガモは、ぐぅうと唸り「確かに…」と言う。
そう、これは、特に意味のない会話。

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