『最後のクリスマスケーキは服部がいいかなぁ』
我が家はお誕生日とクリスマスには必ず銀座で買ったホールケーキを食べる♪
もうだいぶ食べ尽くして来たので、90歳の父に
「リピートしたい所ある?」
と聞いてみると、
「そうだなぁクリスマスケーキは最後になるかもしれないから、服部にしようかなぁ」
と言った。
服部?
父の言う服部とは、時計台で有名な “銀座の和光 ”の事。
1947年に和光になるまでは、服部時計店だった。
「子供の頃、服部はPXで中には入れなかったから、
外からガラス越しにうまそうな物がいっぱい見えてさー、
いつも指をくわえて見てたから、やっぱり最後は服部のケーキがいいなぁ」
( 服部時計店PX : (Post Exchange の略) アメリカ軍隊内の売店 )
と言った。
1933年生まれの父。
1945年8月15日が終戦の日。
リアル戦前戦後を生きて来た父。
言葉に重みがある。
「チョコレートやポップコーンが美味そうだったんだよなぁ♪
酒も煙草も豊富で凄かった!」
と目をキラキラさせながら話してくれる。
その頃の影響か、チョコレートへの執着は半端ないし、
思い起こせば、父の設計した家はカウンターがあり、
外国のお酒がいつもいっぱい並んでいた。
超巨大なウイスキーの瓶は、重くて持てないから、注ぎやすいようにブランコがついていた事を覚えている♪
お父さん深いなぁ。
頑固な過ぎて、毎日つい言い争いばかりしてしまうけど、
彼は90年間どんな景色を見て来たんだろう。
そうだ!
日常でポロリと呟くお父さんの話をこれから少しづつnoteに書いてみよう♪
追記;テレビ朝日ドラマプレミアム『黄金の刻〜服部金太郎物語〜』
先日服部の前を通った時に、ショーウィンドウに大きな看板が
出ていて、ドラマがあると知りとても楽しみにしていました♪
父の時代より前のお話でしたが、なんだか涙が止まりません
でした。続編が観たいと強く思いました。(2024年3月31日)