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公園を歩く⑫(砂も地球のかけらなんだと)


  (公園を歩く歌のシリーズです)


1989年、アンルイスの歌です。
「Woman」と題する曲は、ジョンレノン、中西圭三など、あまたありますが、これにしてみました。

聞くと、やはり心のなかに余韻の残る曲だとおもいます。

Wikipediaを見たところ、あまり売れた曲ではない様子。CMも、明星食品の「ラーメン一徹」(一平ちゃんではない)に使われたとのことで、もう廃盤商品ですね。
テレビも、シティハンターの特番のエンディングに使われた位みたいで、どうしてこんなに印象に残っていたのでしょうか。

つわものどもが夢のあとだね
静かな波が打ち寄せてる
月の光を瞼に受けて
とてもきれいな気持ちになる

いきなり芭蕉って。
恋の修羅場でもあったのでしょうか。。
おそらく、語呂がよいので使ったのではないかと。。

海には、カップル達が集まってきていたのです。別れた恋人との思い出を海に捨てに来た女性の回想の歌なのですね。

舞台が、月明かりの中の夜の海のようです。

独り、月の明かりの中、波の音をききながら海辺にたたずむ。

私でもわかるのは、波の音をしばらく聞いていると、心が浄化されるのは確かで、多分歌詞のとおりなのだとおもいます。

眼を閉じて何かを回想しています。

砂も地球のかけらなんだと
いつかあなたが話してたね
そんな言葉を思い出すたび
皮肉ね心救われるよ

「砂も地球のかけらなんだと」
という台詞が、やはり印象に残ります。

「地球のかけら」という言葉を生み出した達人がいたわけです。

数十億年前にできた岩石がころころ転がって摩滅し、今、砂になって目の前にある。
数十億年の月日に比べたら、失恋なんて、たいしたことではないよね。

失恋に苦しんで思い出を捨てに来たはずなのに、相手の思い出の言葉に心救われるのです。

「大したことない悩みだよね。悩んでる時間がもったいないよね。」

他人に聞いてみたことがないので、よくわかりませんが、自分のことを振り返ると、年々淡白になっている気がします。
こだわりが減っているというか。。

恋愛をすることもないので、失恋など到底することもない。

ドキドキすることもない代りに、苦しむこともない。

いいのか悪いのかわからないけれども、苦しむよりは、つまらなくても、平穏無事が一番だと、思うタイプです。

ただ、折角生まれてきたのに、もうドキドキできない人生もどうかと思うし、痛し痒しです。。

そんなことを考えるようになる、意味深な歌であります。

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