なぜあの人が苦手?不機嫌な上司に悩むリーダーへ
わたしたちはそれぞれ苦手な人のタイプが異なります。ある人にとっては、怖くて避けたくなるような人でも、ある人にとっては気さくで付き合いやすい人だったりします。
リーダーという立場では、なんとなく避けてしまうメンバー、声をかけやすいメンバー、ということがあるかもしれませんね。
今回は、自分にとって苦手だなーと思う人に対して、どのような心構えで一緒に仕事をすれば良いのか一緒に考えてみましょう。
苦手な上司
わたしはかつて苦手な上司がいました。その上司は、気分がよい時はとても気さくで、ジョークを言ったり、チームを励ましたり、雰囲気を明るくする存在でした。機嫌がよい時に仕事の話をすると、何もかもがスムーズに進みました。
しかし、機嫌が悪い時は、理不尽的に厳しくなり、些細なミスをつっこまれたり、相談しているのに能力がないような発言をされたり。方針や指示が矛盾することもよくありました。今日はこれを最優先と言ったかと思えば、翌日には別のことを重要と言い出したりします。
わたしにとっては、この気分のムラが、いつ危険が迫るかわからないという状況でした。なので、一歩でも遠ざかっていたい、なるべく関わりたくないという気持ちでいっぱいでした。
しかし同僚は、機嫌が悪い上司に対して、「なんなんだ、まったく腹がたつ!」とその時は激しく怒っているのですが、翌日にはケロッとしています。しかもその機嫌のよい上司と仲良く冗談を言い合っているのです。
その上司に対して、同僚もやりにくさを感じてはいたものの、わたしほど苦手ではなかったのです。むしろ、物事をはっきり言うところは付き合いやすいなどといって、一緒に飲みに行くこともありました。
苦手なタイプが違うのはなぜか
なぜ、わたしにとっては避けたくなるほど苦手な上司だったのに、同僚にとってはそうでもなかったのでしょうか。
わたしにとって、不機嫌とは何なのか、なぜ不機嫌な人が怖いのか、よーくよく考えてみると、、、
わたしの親は気分にムラのある人で、いつ不機嫌になって怒られるかわからない環境で育ちました。子供にとって親の不機嫌はかなりきついことです。親の不機嫌は、予測不可能な避けられない危険であり、それにおびえた辛い気持ちが、わたしの心の中に刻み込まれました。
この体験から、気分にムラがある人に接すると、子供のころに体験した恐怖や辛さが再生され、この上司を苦手と感じてしまうのだと気が付きました。不機嫌にあたられたりすると、大きな恐怖心を感じて二度とこんな目にあいたくないと思うのです。
一方、同僚は、気分にムラがある人に対して特別な経験がありません。なので、上司に怒鳴られたり、気分で当たられたりしても、その時は腹が立つのですが、わたしほどの恐怖を感じていません。
わたしたちは、育った環境でによって、心に刻み込まれていることが異なります。ある人にとってはなんでもないことでも、ある人にとっては身構えてしまうことがあります。
例えば、父親との関係があまりよくなかった場合、年上の男性が苦手ということがあるかもしれません。無関心な親だった場合、目上の人と親密になるのが苦手で、上司とも親しく付き合えないということがあるかもしれません。
どのような心構えで一緒に仕事をすればよいか
では、職場で苦手な人に対しては、どのような心構えで一緒に仕事をすればよいのでしょうか。
まずは、苦手な人がいることを悪いことだと思わないことです。
苦手なのは自分が弱いからだとか、寛容でないからだとか、人間性が欠けているからなどと思わないようにしましょう。逆に、どんなタイプが苦手なのかをしっかり把握して、自覚しておきましょう。
「苦手な人なんていない方がいい」と思っていると、そのことを排除しようとして、自分の中に収めることができません。自分の中に収めるというのは、自分の中に取り込んでおく、自分の一部として認める、という表現が近いかもしれません。
自分の中に収めることができると、そのことに対処できるようになります。
取り込んでしまったら、どう扱うかを決めることができるからです。
苦手な上司がいる、上司の不機嫌さは自分にとってはきついことだ、だからできるだけ回避するようにしよう、ということを冷静に考えられるようになります。
ここまでできると、苦手なことが悪いことではなく、ただ対処しているという平穏な気持ちで過ごすことができます。
もし苦手だと思う人がいたら、どのようなタイプか、それのなにが自分の中で反応しているのか、よかったら考えてみてください。
まとめ;
苦手な人がいる場合、自分の反応が過去の経験によるものだということを理解し、それを受け入れて自分の中に収めましょう。そして、その苦手さを自覚しながら、無理をせずに自分なりの対策をすることが、心の健康を保つために大切です。
苦手な上司や苦手なメンバーがいても大丈夫です。
そのままのあなたで対処できます。
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