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RE:CREATE


保育園に通ってたころ、楽しかった遊びはなんだっけ。
遊具で怪我をしたことや、仲間はずれにされたこと、その怒りや鬱憤を自分の中に収めたこと、周りと違うことをする恐怖。そんなものは、この歳になっても忘れられないのに。


数えきれないほど、嫌なことがあった。
それと同じくらい嬉しいこともあったはずなのに、嫌な思い出ばかり思い返して、笑顔になれたことは、どんどん記憶から薄れていく。



美しいことを覚えていたい。
素敵なもの、かわいい花、眩しい記念日、昨日の夕ご飯、もういないあの人の声。
たくさんの人たちに支えてもらっていること。

せめて今からでも、忘れないようにしたい。
覚えていたい。遺したい。



自分の中に、輝くものを集めたい。
今も溢れ出る濁ったものも、全てが私であるけれど、私を構成するものはそれだけではないということを、覚えていたい。

澱んだものだけを持ち、朝日の輝きを忘れたさびしいひとに、なりたくない。



そのために、日記を書こう。
その日にしたこと、見たもの、聞いたこと、感じたことを記そう。

文字通り、死にそうになりながらも生きている日々も、それでもしかし、決して悪いことばかりではなかったことを。


からっぽの私の中に何を詰めるのか、決めるのは私だ。
選ぶのは私だ。
私にしかないその権利を行使することを、怠ってはいけない。
たった今芽吹いた、この若葉への水やりを、怠ってはいけない。


私の中に、何から入れていこうか。最初の一つは、何にしようか。

砂の中に輝く金を探し、ちゃんと泥も入れよう。そうやって、中をいっぱいにしよう。外から見たら、汚いものと綺麗なものがごちゃ混ぜになって、とても美しいとは言えないだろうね。


そうして「私」ができるまで、なんとか息をし続けよう。一日を繋いでいこう。



それじゃあ、ゆっくり始めようか。
自分で終わらせたくなるほど時間は沢山あるってことを、私は知っているからね。

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