「北越雪譜」を読む:17
鈴木牧之という人は、大変熱心で真面目な人柄だったと思われるが、一面、「空気が読めない」ところもあったのではないかと思う。あくまでも、「 」付きだが。
頑固に一途に、40年も「北越雪譜」の出版を諦めず模索し続けた、その空気の読めなさが、結果的に夢を実現させたと言っても良いのではないだろうか。
…先年、玉山翁が出版された軍記物語の画本の中に、越後の雪中で戦ったという図がある。文には深雪とあって、しかも十二月(旧暦)のことなのに、描かれている軍兵たちの振る舞いを見ると雪は浅く