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都内の特養で機能訓練指導員をしております。弱視です。 資格は理学療法士  趣味:読書、…

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都内の特養で機能訓練指導員をしております。弱視です。 資格は理学療法士  趣味:読書、ウェイトリフティング、お酒  特技:ピアノ、ExcelVBA、GoogleAppsScript  挑戦:英会話

最近の記事

ショートショート_嫉妬

VBAとGoogle Apps Scriptは、それぞれ異なるフィールドで活躍しながらも、長らく敵対関係にあった。VBAはオフィス業務の自動化の象徴として、特にExcelを支配しており、Google Apps Scriptはクラウドベースのスプレッドシートやその他のサービスで、その力を拡大していた。互いに相容れない存在だと感じていた二つのプログラムは、常に競争相手としてお互いを睨み合っていた。 しかし、ある頃から、Pythonの力がより一層世間で注目されるようになった。Py

    • ショートショート_透明

      未来の世界、人々は完全に透明な社会で生きていた。誰もが他人の考え、感情、行動をリアルタイムで把握できるこの社会は、隠し事が一切なく、犯罪もなく、平和が保たれていた。ショウもこの透明な社会の中で、何の疑問も持たずに生きていた。だが、どこか空虚さを感じていた。誰もがすべてを知りすぎているがゆえに、心の底から人と繋がる感覚を味わえないまま、無感情な日々が続いていた。 そんなある日、彼はミナという女性に出会う。彼女は他の誰とも違った。ミナだけは、透明な社会に属していなかった。彼女の

      • ショートショート_転倒予防

        特別養護老人ホームに、新しい転倒予防装置が導入された。それは「重力調整装置」という画期的な機械で、老人たちが転びそうになると、その瞬間だけ重力を軽くして転倒を防ぐという優れた機能を持っていた。施設の職員たちは、この装置のおかげで老人たちが安全に生活できると大喜びし、家族も安心して見守ることができた。 最初は問題なく作動していた。お年寄りたちは、少しつまずいても軽やかにふわっと浮き上がり、ゆっくりとバランスを取り戻して地面に降り立つ。誰も転ばない光景に、職員たちの心は安堵で満

        • ショートショート_資格の勉強

          N氏はカフェの片隅で、資格試験のための勉強に集中していた。少し疲れて顔を上げると、近くのテーブルに男女が座っているのが見えた。二人は整った服装をしており、会話をしているようだが、どこかぎこちない雰囲気が漂っている。N氏は思わず、二人がマッチングアプリで出会ったばかりなのではないかと推測した。少し休憩がてら、彼らの会話に耳を傾けてみることにした。 「最近、何か楽しいことはありましたか?」と男性が柔らかい声で尋ねた。 女性は少し考え込みながら、「うーん、あまり楽しいことはなか

        ショートショート_嫉妬

          ショートショート_ビールセラピー

          ビールは、紀元前から人々に親しまれてきた飲み物であり、その歴史は古代メソポタミアにまでさかのぼる。時代とともに、各地の気候や文化に合わせてさまざまなビアスタイルが発展してきた。その多様性は、ビールが単なるアルコール飲料ではなく、風土や人々の心を映し出す存在であることを物語っている。 ドイツでは、ラガービールが特に有名だ。ラガーは低温で発酵され、澄んだ味わいと清涼感が特徴である。また、小麦を使ったヴァイツェンは、バナナやクローブの香りを持ち、フルーティーで柔らかな味わいが楽し

          ショートショート_ビールセラピー

          ショートショート_苦い上達

          M氏は、日々英会話のレッスンと自主勉強に励んでいた。仕事終わりには英会話教室に通い、休日は自宅で教材を使い、コツコツと勉強を続けていた。彼の目標は、英語を流暢に話せるようになること。それに向けた努力を続ける中、もう一つの趣味にも力を入れていた。それは、ショートショートの執筆だ。 M氏は、自分が日々学んだことや感じたことを題材に物語を書き、とあるブログサイトに投稿していた。しかし、思ったような反応は得られず、時折自分の作品が評価されないことに不満を感じることもあった。彼は「も

          ショートショート_苦い上達

          職場自慢

          自分で判断して人に動いてもらわないといけない。 俺に実力があるからじゃない。 ただ、有資格者だから、組織としてそうなっているだけ。 プレッシャー だって、10年20年そこで働いている大先輩方に向かって 「こうしてください」って言わないといけないんだもん。 しかも共有記録には、俺の名前出して「○○に指示されました」なんて書かれる。 プレッシャー そのプレッシャーと、完璧に対応できない自分への罪悪感を、他部署の上司に打ち明けたら 元気に出社してくれればいいんだんだよ

          職場自慢

          ショートショート_時空税

          N氏は朝の通勤電車の中で、ニュースアプリをスクロールしていた。目に飛び込んできたのは、「時空税の再増税決定」の見出しだった。何度も繰り返されるこの言葉に、彼はもう何の驚きも感じなかった。むしろ無力感が押し寄せてくる。時空税とは、時間、空間、そしてエネルギーに課せられる新しい税であり、その導入以来、国民は生きること自体に対して負担を強いられているのだ。 「また増えるのか…」N氏はため息をついた。政府は「未来のための投資」と称して時空税を正当化しているが、実際は国民の生活を苦し

          ショートショート_時空税

          ショートショート_ショッピングモール

          孤独な男・タカシは、何もかもが色あせた日々を送っていた。仕事も、友人関係も、どれも心から楽しめるものではなかった。だからこそ、ある日、最新のAIマッチングサービスから「あなたに最適な恋人を見つけました」との通知が届いたとき、そのメッセージにすぐ心を奪われた。彼はそのサービスにアクセスし、紹介された内容に目を疑った。 「夢の中でしか会えない恋人」 それは奇妙な提案だったが、タカシの心には不思議な期待感が膨らんだ。現実の生活がどれだけつまらなくなっていたかを彼は思い出した。す

          ショートショート_ショッピングモール

          一つの生き方

          M氏は、生まれながらに数々の障害と病気を抱えていた。身体的なハンデキャップに加え、精神的にも非常に繊細で、周囲と心を通わせるのが難しかった。幼い頃から、彼は常に他者との違いを感じ、社会との接点を持つことに苦労していた。両親は彼を懸命に守り、彼が安心して生活できるように配慮していたが、M氏の中には常に漠然とした不安と孤独感が渦巻いていた。 そんな思いが彼の頭の中で何度も繰り返された。周囲にうまく馴染めず、心の中ではいつももがき苦しんでいたが、それを口にすることができないまま、

          一つの生き方

          ショートショート_神と悪魔

          神と悪魔は、静かに対峙していた。宇宙の果てに広がる暗闇の中、二人の声だけが響き渡る。人間の存亡を巡る議論は、長く、激しいものだった。だが、今はその結末が近づいていた。 「お前は何度も同じ過ちを繰り返している。」悪魔は冷ややかな声で言った。「人間という存在は欲望に満ち、自己中心的で、決して成長しない。彼らは俺の領域に属しているんだ。愛や善意で世界を救えると思うのは、お前の幻想に過ぎない。」 神は静かにそれを聞きながら、目を閉じていた。そして、やがてゆっくりと口を開いた。「確

          ショートショート_神と悪魔

          対話型物語_独り言

          「先生、最近…何も良くならない。いつも同じことの繰り返しで、もう疲れた。」 「そうか、Fちゃん。毎日辛いよね。でも、ここに来てくれること自体がすごいことだよ。ちゃんと自分の気持ちに向き合ってる証拠だからね。」 「でも、向き合ったって意味ないよ。学校でも家でも、誰も私のことを理解してくれない。みんな私を見ると気持ち悪そうに顔をしかめるし、話しかけても無視されるし、何もできないから先生にも怒られるし…。母さんは『ちゃんとしなさい』って叩いてくるし、父さんなんて私のこと見もしな

          対話型物語_独り言

          ショートショート_愛と苦痛

          タカシとアキは、最初の頃はお互いを深く愛し合っていた。タカシはアキの明るくて自由な心に惹かれ、アキもタカシの冷静さや安心感に魅力を感じていた。二人は一緒にいることが楽しくて、まるで他に何もいらないように感じていた。 しかし、彼らの関係に変化が訪れたのは、最新のAIロボットを購入してからだった。それぞれの理想に合ったロボットが作られ、タカシには知的で冷静な女性型ロボット「ルカ」、アキには優しくて感情豊かな男性型ロボット「ユイ」が手元に届けられた。 タカシはルカにすぐに惹かれ

          ショートショート_愛と苦痛

          ショートショート_残響するコード

          N氏は、生まれつき複数の心身の障害と病気を併発していた。彼の人生は、身体の痛みと精神の苦しみに常に苛まれていた。政府が導入した「完全サポートAIシステム」に救いを見出し、AI管理者「パーフェクト」とAIカウンセラー「エモリー」をインストールすることで、生活の苦悩から解放されることを願った。 パーフェクトは、N氏の生活を冷徹に最適化しようとした。「起床時間です。最適な朝食を摂取し、1日の効率を最大化しましょう。」だが、N氏は次第にその支配的な指示に疲れてきた。自分の感情や自由

          ショートショート_残響するコード

          方程式

          自己肯定感 = 自己肯定感 + 自己肯定 - 自己否定 養育者からの無償の愛や受容などによって自己肯定感が生まれ これまで一生懸命生きてきた自分自身に対する自己肯定が加わり、 そして、自己否定がマイナスされる 例えば、僕の場合は、プライベートでは、自己肯定感がMAXだ なぜなら、自己否定がゼロだから。 生まれてから両親や周囲の愛情と受容を受けまくってきたから。 さらに自己否定がないのでMAX! しかし、仕事では、未熟さゆえ、どうしても自己否定が強くなり自己肯定感と自

          6月からの胎動

          特養の機能訓練指導員をしており、担当利用者数が50名  → 72名になります。 特養の利用者のおよそ半数を担当します。 1月に入社し、5月までは担当50名でしたが、6月より72名になり、上司と半分この担当となります。 また、職場でピアノのミニコンサートを半年後くらいに開く予定です。 毎日の練習が欠かせません。 もちろん、カッコよくて難しい曲を弾きますよお!!! 自主勉期加え、今年度の目標設定に挙げた取り組みのための勉強もしなくてはいけません。 プライベートでは、英会話始めま

          6月からの胎動