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【映画感想】そして僕は途方に暮れる
改めまして、こんにちは。もずくです。
今回は、私が観るのに悶え苦しんだ映画「そして僕は途方に暮れる」についてご紹介します。
そして僕は途方に暮れる
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製作委員会
ストーリー
自堕落な日々を過ごすフリーターの菅原裕一は、長年同棲している恋人・里美と、些細なことで言い合いになり、話し合うこともせず家を飛び出してしまう。その夜から、親友、大学時代の先輩や後輩、姉のもとを渡り歩くが、ばつが悪くなるとその場から逃げ出し、ついには、母が1人で暮らす北海道・苫小牧の実家へ辿り着く。だが、母ともなぜか気まずくなり、雪降る街へ。行き場を無くし、途方に暮れる裕一は最果ての地で、思いがけず、かつて家族から逃げていった父と10年ぶりに再会する。「俺の家に来るか?」、父の誘いを受けた裕一は、ついにスマホの電源切ってすべての人間関係を断つのだが――。
2023年1月13日(金)公開
上映時間:124分
製作:2022年(日本)
配給:ファントム・フィルム
脚本・監督:三浦大輔
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製作委員会
賛否両論の映画
この作品ネット上で賛否両論分かれていて、凄く共感する人もいれば、反感する人もいれば、全く理解できない人もいるらしいです。
私は痛いぐらい共感する作品でした。
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そんなにクズか…?
さて、なぜ私がこんなにも共感したのか。
この作品の主人公の裕一は、やること成すことなんでも人任せのクズです。色んな人の家に転々と転がり込んではダラダラして、自分の都合が悪くなるとすぐ逃げ出す。トイレットペーパーぐらい自分で買いに行けや!!と言われただけで逃げ出すような。
そんなダメ人間の癖に人によって態度を変えたり、偉そうにYouTuberを罵倒したり、姉にひどいセリフを吐いたりなど、やたら人を批判をしたりもする。
「お前、何様だよ」とも言いたくなる。
でも正直、観ていて裕一のことを嫌いになれなかったんです。「寧ろ、そんなにクズかな…?」と悩むぐらい。何故なら、彼は根っからの極悪人ではないんです。凄く不器用なのかなと。
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こいつをクズだと認めたら、
自分もクズということになる
途中で気づいたんです。
あ、これ、私だ!!
自分が悪いとわかっていて、そのことを人に詰められると途端に逃げ出したくなることありませんか?
その人たちの苦労を知らないのに、芸能人やYouTuberの切り取られた行動を見て、一丁前に批判することありませんか?
私、結構あります。
この話が自分の話だと気づいたら、動悸が止まりませんでした。胸が痛い。耳が痛い。
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わかってるんだよ!!
映画終盤に実家で裕一と家族と友人で食卓を囲むシーンがあるのですが、その用意をする時に裕一は反応が悪くて全く動けないんです。それで不貞腐れてしまう。
ああ、凄いわかる。
周りの人が気を遣ってくれて、元通りの日常が訪れようとしたことに安心をしてしまう。
ああああ、凄いわかる。
裕一が、今までの行いを謝るシーンがあるのですが、本当に耳が痛いんです。胸が騒つくんです。
自分がどうしようもないことはわかってる。
本当は変わりたい。
けれど、なかなか変われない。
でも強がりたい。
この気持ちを一度でも経験したことある人は、
きっとこの映画刺さると思います。
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クズはクズになりたくて、
なってるんじゃない
この映画を観て気づいたのは、凄く当たり前のことなんですけど、悪い人間になろうと思って悪くなっている人なんているわけないんですよね。
ただ、その人なりの正義や心の拠り所を探し求めた結果がクズになってしまったんだと感じました。
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5年も恋人関係だった里美
この映画で凄く気になったのが裕一の恋人・里美。
何故、里美はクズ野郎と5年も恋人関係でいられたのか私が里美だったらという視点で考えてみました。
もちろん愛情や腐れ縁もあったけど、それ以上にクズな奴にも誠実に関われる自分に酔えること。
自分の愛情がきちんと恋人のためになってるかが、わかりやすいこと。
自分よりクズな人を見ると安心して、自分の弱い部分を見ないで済むこと。
これは、あくまで自分だったらという話です。
そして、深層心理の話というか。
こんな考えしてしまうの良くないかな……?笑
要するに何が言いたいかというと、類は友を呼ぶの通り、周りの人間も実はクズなんじゃないか、ただクズな部分は誰もが隠し持っているんじゃないかなと思うんです。
それをうまく隠せるか隠せないかの話。世の中には本物の善人って方もいらっしゃると思いますが。
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自分の無様な姿を
丸裸にされたかのような映画
この作品は、美しくはないです。
見たくもないか、気付きたくもないか、
理解されない、世間様には見せたくない、
自分の無様な姿を丸裸にされたような映画です。
鈍い痛みが走るけど、
何度も観たいとは思えないけど笑、
節目節目で観たいとも思う映画。
この映画に出会えてよかった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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