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フォーキーについて

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えーと、今回は最近トイストーリー4を改めて観て、やはり感動したのでその感想を書いていきたいと思います。

7章くらいに区切って1記事でまとめたかったのですが、ちょっと余りにも長くなってしまうと思われたので、今回から短い数記事に分けて書いていきます。書き終わったら最後にマガジンにまとめます!

1回目はフォーキーについて・・・

フォーキーはSNSの象徴

トイ・ストーリー・シリーズは各回ごとに僕たちに新しい問いを投げかけてきたんですよね。もしもオモチャが生きていたら?オモチャにとって本当に価値のあることとは?子どもに必要とされなくなったとき、オモチャはどうする?とかとか・・・。んで、今回のテーマ?というかお題は「オモチャとは何か?」これだと思いました。

まずトイストーリー世界の前提として、ウッディやバズ、その他どのオモチャもまず「商品」として作られ、出荷され、然るべき物流ルートに乗ってこの世に出てきたんですよ。

トイストーリー1で、バズがスペースレンジャーとしての初期設定に忠実に振る舞うことがギャグになってたこととか、2でウッディはかつて一世を風靡した超人気キャラで、実はめっちゃプレミア価値がついてるような激レアオモチャだったことから、「オモチャとは子どもを楽しませるための商品である」ということが大原則としてありましたよね。オモチャの掟というか。

でも、どんな原則や掟も「破られるから面白い」が信条のトイストーリー。シリーズ4作目にして全く新しいオモチャが出てきました。そう、フォーキーです。デューク・カブーンではありません。(NO!カブーン!)

フォーキーの掟破りは実に現代的です。そう、フォーキーは「商品」ではありません。ウッディやバズ、2のプロスペクターや3にちょろっと出ていたとなりのトトロと違って、何のバックグラウンドもストーリーも役割も目的もなく、「ユーザー自身が生み出したオモチャ」なんです。マーケティング用語では「UGC(ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ)」と呼ばれています。

これは要するにどういう事なのかと言えば、もはや「オモチャ」というものは、玩具メーカーやオモチャ屋から売られてくる魅力的な「商品」である必要はなく、ユーザーの一番近くにいつも陣取ることが重要であって、しかもそれは無料でいくらでもあるんだって事です。

どんなに適当に作られていたとしても、今ボニーにとって一番価値のある「存在」はフォーキーです。フォーキーさえいれば、あとのオモチャはどんなに美しくてカッコよくて可愛くって、希少価値があったとしても、相対的に皆その他の脇役に過ぎなくなってしまうんです。

これはまさにSNSのTL(タイムライン)です。LINE、Twitter、Instagram、Facebook、YouTubeなど今は簡単に作れるメディアがいくつもあって、人気の企業やブランドもこぞってアカウントを作成して情報発信しています。

でも、普段はある程度好感を抱いていて、好感を抱いているからこそフォローした企業やブランドのアカウントも、いつの間にかTL上では目障りだと感じてしまったり、5秒広告への嫌悪感など、SNSというメディア上で接するものとしては、あまり有効に働いてないことの方が多いです。

企業が何千万、時には何億というお金をかけて張ったプロモーションよりも、素人が作ったテキトーなコンテンツの方が遥かにPVを稼いだり、無償無頼で始めた取り組みが圧倒的に社会に影響を及ぼすような事が毎月、毎週、毎日沸き立っています。

SNSや無料のエンタメサービスが出てきたことによって、映像や言語など2次元のコンテンツはその「消費」や「認知」の形を決定的に変えざるを得なくなったんだと思います。

フォーキーはその消費行動の変化という意味において象徴的なんです。

そもそもオモチャとは「商品」であり、同時に「消費」の象徴であり、「消費」はいつも顧客と一緒にあったんです。(ウッディとアンディがいつまでも一緒だったみたいに。)あったんですが、いつのまにか「商品」でも「消費」でもないものが台頭するようになってしまった。それがフォーキーです。

僕たちはもう既に映画や小説やアニメといった有料の「商品」を「消費」することで時間を過ごすよりも、無料のSNSやネットニュースを「ネタ」にして他人と(はたまた自分自身と)コミュニケーションすることに価値を感じるようになっています。

企業やブランドがどんなにストーリーを練り、豪華なキャスト、ド派手なCG、計算され尽くしたブランディング戦略を用いてアピールしてきたとしても、結局僕たちのスマホの画面の先頭に陣取っているのは、自分自身にとって一番「意味」のある投稿なんですよね。

そしてその多くはリアルの友達や家族の他愛もない近況報告だったり、(自分にとってはリアルに感じる)芸能人やインフルエンサーの適当でズボラなオフショットだったりするわけです。

「観る」という行為に1800円や2000円を出して映画館へわざわざ出向くよりも、自分にとって「意味」のあるつぶやきや写真や動画やゴシップを観てる方が全然マシ。この現実の状況に対してディズニー&ピクサーが自問自答したのが今回のトイストーリー4だったと思うんです。

こんな状況で「今、映画を作るとはどういう事か」という現実世界の問いが、自分の居場所に悩むウッディに重ねられていたんですよね。

ディズニー&ピクサーは今回、自分たちが今まで席巻してきたエンタメ市場に、SNSという未知なるものがやってきたこと、この消費行動の決定的な変化の象徴としてフォーキーを出してきたんだと読み解きました。

ちなみにトップの画像はヴィレバンに売ってたフォーキーのオモチャです。世界に一つだけのはずだったゴミのオモチャが「商品」になって売られてる、このグロテスクさもまた興味深いですねぇ・・・。


いかがでしたでしょうか??こんな感じでこれから数回に渡ってトイストーリー4の感想を書いていきたいと思います。

次回はみんな大好きデューク・カブーンについて!お楽しみに!

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