「秋の乗り放題パス」で行く!中国地方乗りつぶしの旅 ~旅立ち編
2023年の秋に発売された「秋の乗り放題パス」を使って、岡山~広島周辺の乗りつぶしに行ってきました。その思い出を書き記そうと思います。
「秋の乗り放題パス」とは
10月14日の鉄道の日に合わせて発売されるお得な切符。料金は7,850円(2023年発売分)。
全国のJR線全線の普通、快速列車が3日間分乗り放題になる。要は「青春18きっぷ」のミニバージョン、という感じだ。
ただし、18きっぷより制約が厳しい点が2つ。
利用する期間が10月7日~10月22日の間の連続する3日間であること
複数名での利用ができないこと
つまり、18きっぷのように、何回かに分けて乗車、とか、5人で1日分使う、ということができず、1人で最大3日ぶっ続けで使うことが求められる、という、18きっぷ以上に上級者向けとも言える切符だ。
まさに乗り鉄に向けられた挑戦状。
その挑戦、受けて立ちましょう。
今年はどこに行こうか
実は「秋の乗り放題パス」自体は2012年から発売されているが、自分が知ったのは2022年に「鉄道開業150年記念」のサブタイトルがついて発売された時からだ。その時は山形県から秋田県、そして新潟県あたりを攻略した。
今年は仕事の都合で夏に満足に動けなかったので、遠征欲が溜まりに溜まっており、秋の乗り放題パスは絶対買うぞ!と決めていた。
とはいえ目的地までは決めておらず、さて、どうしようか…と思案した結果、まだ攻略があまり進んでいない西日本に目を向けることにした。
メインの攻略エリアは中国地方、特に岡山から広島にかけてのエリアだ。
攻略の難しさについて
早速乗車の計画を立てたのだが、正直、今回の計画立案はかなり難航した。
1.路線の配置
岡山から広島の周辺の路線の概要図を以下に示す。
中国地方は山陽線と山陰線がそれぞれ瀬戸内海側と日本海側を東西に走っている。それ以外に、姫路から中国山地の中を通って広島に通じる姫新線と芸備線、そしてその途中の駅から山陽線や山陰線にバイパスするような路線が何本もある、という形をしている。
なるほど、わかりやすい路線の作り方だ。ただ、いざ乗りつぶしとなると、この碁盤状の路線配置は一筆書きにしづらく、攻略が難しい。
現地に行くだけで相当な時間と費用がかかる地方遠征では、極力一度に数多くの路線を制覇したいところだが、3日間という限られた時間でこれらに全て乗車するのは難しく、ひとまず最低限のノルマとして、真ん中を貫く姫新線と芸備線に完乗することを今回の主目的とした。
またいつの日か、山陽と山陰を行ったり来たりしながら乗りつぶす時が来るんだろう。…正直あまり気が乗らないけどw
2.路線の経営状況
上記URLに、2022年にJR西日本が示した、輸送密度が2,000人/日未満の路線の経営状況のPDFが置いてある。
今回乗車するエリアは、高速道路が並走している影響もあってか、経営状況が特に厳しい。中でも芸備線の一部線区(東城駅~備後落合駅)は営業係数が20,000超、つまり100円売上を上げるための費用が20,000円を超えるという、全国屈指の赤字区間となっている。
ちょうど旅の計画を立てる数日前、JR西日本が路線存続に関する協議会設置を国に要請、というニュースがあった。
となれば、遅かれ早かれ廃線に向けた流れになるのは間違いなさそうだ。このタイミングで乗っておこう、と計画を後押しする形になった。ここまでの赤字区間となると、廃線後にバス転換してくれるかも怪しい気がする。
3.列車の本数の少なさ
経営状況の裏返しになるのだが、1日の列車の本数がかなり少ない。先に書いた営業係数20,000超の区間なんかは、1日に朝昼晩の3往復しかない。朝と晩の便の時間も妙に偏っており、実質昼の便1択、という状態だ。
どうやら姫路を朝の6時台に出ればその昼の便に乗って広島まで行けるようで、恐らくガチの乗り鉄はそういう行程を選ぶんだろう。
一方、自分はせっかくの休日にそこまで辛い思いはしたくないので、9時台に姫路を出発することにした。
ただし、その代償として当日中に芸備線で広島に到達ができない。そこで、新見から一旦伯備線で山陽方面に抜け、吉備線経由で岡山に向かってそこで1泊、次の日に改めて津山線経由で姫新線に戻り、今度は芸備線にしっかり乗り継いで広島に向かう、という作戦とした。
津山か新見あたりで泊まるのも案だとは思うが、ここは乗りつぶしを優先。ついでに岡山周辺の未アクセスの駅も取っておけば一挙両得である。
今回のプラン概要
というわけで、最終的な旅程は以下の通りとなった。
1日目:10/14(土)
東京=(新幹線)⇒京都
(京都から乗り放題パス利用)
奈良県、大阪府の未アクセス駅を取得
桜井線、おおさか東線、片町線
大阪から阪急を何路線か乗りつぶしつつ、姫路着
2日目:10/15(日)
姫路=(姫新線)⇒新見
新見=(伯備線)⇒総社
総社=(吉備線)⇒岡山
余力があれば赤穂線とか岡山電気軌道を取得
3日目:10/16(月)
岡山=(津山線)⇒津山
津山=(姫新線)⇒新見
新見=(芸備線)⇒広島
広島=(新幹線)⇒東京
見事な鉄道尽くしのプランであるw
本当は東京からの移動にも秋の乗り放題パスを使いたいところなのだが、そうすると恐らく目的地に着いたところで1日が終わってしまうので、現地での乗りつぶしが捗らない。こればかりはやむを得ない。
いつもの最寄り駅で秋の乗り放題パスを購入。当日を迎える。
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