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「天空の城ラピュタ」〜ジブリ公式画像で感想を書く〜

常識の範囲内で自由に使用できる「天空の城ラピュタ」の画像が公開されました。そこで、画像を堂々と使用して、「天空の城ラピュタ」の感想や思い出を書いてみます。

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公開当時の思い出

当時、中3でした。田舎暮らしで、近くに映画館もなく、あったとしてもチケットを買えるほどの小遣いすら持ってない頃。

見に行きたくても、映画館で見る、という選択肢はありませんでした。

そこでまず最初に取った選択肢は、ノベライズされた原作を読むことでした。

この小説版は、公開前から書店に並んでおり、前後編合わせて買っても、映画館のチケットよりは安い(!)ので、有益な選択肢でした。

後で映画本編を見て知りましたが、この小説版は、映画の冒頭よりも、時間的にかなり前のあたりから物語が叙述され始めています。また、映画のラストシーンよりもかなり後の時間におけるエピローグもあります。そういう点でもなかなかお得でした。

実際に映画を見たのは、同年、中学校の文化祭の視聴覚室ででした。初見が視聴覚室というあたりが何とも田舎の中学生っぽいなぁと(笑)。

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テレビ放送で初めてじっくり見たのは翌年でした。宮崎監督本人も出演して作品について語るコーナーもありました。しかし、途中でニュース速報か何かが入ってしまって、録画を保存版にしようとしていた友人が激怒してましたっけ…。

大抵、原作を読んだ後に見る映画というのはつまらないんですけど、ラピュタに関してはそんなことはなかったですね。ストーリー分かってても、十分に楽しめました。

パズー=未来少年コナン

まず、パズーの顔を見た途端に、「あ、コナンだ」と勘づきます。

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未来少年コナン」を見たのが小1のとき。このくらいの年齢だと、記憶の刷り込まれ方も濃厚ですから、コナンの顔は忘れようったって忘れられやしません。

こういう場面が、かつてのコナンをほうふつとさせます。

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いや、死ぬでしょこれ!(笑)。

ああこの無茶苦茶さは、コナンと同じ監督だからなんだなと、アニメファンですらない私でも分かりました。

今年、NHKで「未来少年コナン」が放映されたのは、この辛い一年の中でも、喜ばしいことのひとつでしたね。

「ガリヴァー旅行記」

「天空の城ラピュタ」がなかったら、「ガリヴァー旅行記」の全編も、インドの叙事詩「ラーマーヤナ」も、存在すら知らず、読もうとすら思わなかったでしょう。

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まず、「ガリヴァー旅行記」に第三部があるなんて知らなかった。第一部の小人国、第二部の大人国で終わりだと思ってましたし。

実は続きがあって、ガリヴァーが飛島ラピュタを訪れていたなんて知ったら、こりゃあ全編読まないわけにはいかないでしょう。

で、高校の時、ガリヴァー旅行記の全訳版を読みました。

ガリヴァーが訪れたラピュタは、宮崎版とはだいぶ違いますね。まさか磁石で浮遊しているとは思わなかった。似ているのは科学が進んでいる点くらいかな?

あと、邦訳によっては「ラピュータ」と表記されてたりします。もし映画もこの表記だったらと思うと、だいぶ印象変わってきますね。

天空の城ラピュータ

本来の「ガリヴァー旅行記」は、子どもの頃に読んだものとは違い、かなり癖の強い小説ですね。様々な架空の国々を描いていく中で、実は自分達の暮らす人間社会が痛烈に皮肉られているという、なかなかに反抗心あふれた作品です。

実はラピュタを訪れた後、ガリヴァーは日本も訪れたこと、また、更に第四部ではYahoo!の語源となるキャラクターが登場することなど、いろいろ面白い点はあるのですが、それはまた別の話(脱線)。

「ラーマーヤナ」

映画の中でムスカは「ラーマヤーナ」と言ってますが、あちこち本をあさってみると、「ラーマーヤナ」表記の方が多いようです。まあ外来語のカタカナ表記に正解はないのでしょうけど…。

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大学の頃、図書館や書店で「ラーマーヤナ」の本を探していくつか読んでみました。全訳版はちょっと難しくて挫折したので、小学生向けに易しく語り直された版で読み直したりも。

ラーマーヤナにも、勇敢な王子が、捕らわれた王女を助けに行く、という設定があり、その王女の名が「シーター」。宮崎監督の構想の原点をうかがい知ることができます。

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インドラの矢」は、普通に「矢」でしたね。あんな核爆発みたいなのを誘発するような凄まじい感じではない印象でした。

むしろ旧約聖書のソドムとゴモラを滅ぼした天からの硫黄の火がラピュタ起源、と解釈する方が自然な気がしました。但し、私個人、この硫黄の火は、小説「富士覚醒」(石黒耀)の影響を受けて、火山活動による火砕流災害だったのではという仮説の方に有力性を感じてます(脱線)。

プラトン「天空の書」

これに私は30年くらい悩まされてしまいました。

前述の小説版の冒頭に、宮崎監督によるまえがきがあり、その中にこう記されていました(手元に原文がないので、やや曖昧な記憶に頼った復元であることをおことわりしておきます)。

ジョナサン・スウィフト作ガリバー旅行記第三部「ラピュタ」にはモデルが存在した。プラトンの失われた地理誌「天空の書」に記されたラピュタリチスがそれである。

「天空の城ラピュタ」をきっかけに「ガリヴァー旅行記」「ラーマーヤナ」を読んだとなれば、当然このプラトンの「天空の書」も読みたくなるのが当然の好奇心ってもんです。

しかしこの「天空の書」がなかなか見つからない!

プラトンの本はたくさん見つかります。書店にも図書館にもいくらでもあります。しかし、この「天空の書」だけは見つからない。

しかも、この書についての、宮崎監督の書き方はかなり難解です。

プラトンの失われた地理誌「天空の書」

…「失われた地理誌」ってどういうこと?失われたということは、今は存在しないということ。じゃあ書店や図書館になくても仕方がない。

しかし、失われたということは、その内容を誰も確認できないということ。なのに、なぜその内容が詳しくここに書かれている?

考えられるのは、原典の「天空の書」は残存しないが、その内容について書き残した文献があるはずだということ。しかし、宮崎監督はその文献に全く触れていない。

もうわけがわかりません。

大学図書館の豊富な蔵書を調べるようなこともしてみましたが、結局見つからないまま大学を卒業、就職して忙しさに取り紛れているうちに、いつしかその疑問も棚上げになっていました。

私の学生時代は、ネットがなく、これ以上のことを調べようとしても、もうお手上げでした。

今は便利ですね。私が苦労して見つけだせなかった情報が、手元で検索すればすぐに見つかる。

どうやらプラトンに「天空の書」という本は存在しないようです。しかも、宮崎監督の空想の産物らしい(確定したわけではありませんが)。

ネットで見かけた仮説ですが、プラトンが「ティマイオス」で紹介したアトランティス大陸のことを、宮崎監督が空に転位させて創造したのが、「天空の書」のラピュタリチスだというんですね。

これが本当だとすれば、ただただ宮崎監督の創作力にうならされるばかりです。

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フラップター

ナウシカのメーヴェをリアルに開発してる人はいますが、個人的には、メーヴェよりはフラップターに乗ってみたいです。

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羽根と胴体のバランスが悪そうだから難しいかな…。ネット検索してみたところ、1/10程度のサイズから実現を検討している人はいるようですね。

以上、ジブリ公式画像を使って、感想というよりは、ラピュタの原点を探る思い出話のような記事になりました。

「風の谷のナウシカ」の画像も公開されたので、同様の記事を書いてみたいと思っています。

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