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行動経済学はじめの一歩:わたし的図解(その1)



参考文献 JAICO産業カウンセリング会報 3-4 2024.No411

わかっちゃいるけど…

経済学では「人間は自分の利益が最大化するように常に合理的な行動をとる」とされている。一方で行動経済学では「人間の意思決定は合理的ではない」と考えている。つまり常に合理的な行動をとるのがいいんだろうけど、なかなかそうはいかんのよ…ということなのだ。

たとえば「がん検診」を受けるとして…


「がん検診を受けましょう!」といわれ「そうだよね!がんの発見が遅れるとお金も心も体も負担が大きい。早期発見に向けて受診しよう!」と理性でしっかりと考えて検診をうける。合理的な行動をしている。それで実際にがんが発見され早期治療が行われると様々な部分で負担が少なく仕事を失わずに治療が完了できる。これは満足。がんが見つからなくても安心できるのでこれも満足。長期的な満足が得られることが経済学的に当たり前であり美学なのである。
しかし、みんながみんな理想的な判断をするわけではない。

「がん検診を受けましょう!」の段階で「えーっ…面倒くさっ!」「いや…ちょっと時間が取れそうになくて…」とか、「うちはがん家系じゃないし大丈夫や」!…で、「がんになったらなったときのこと」と検診を渋る人がいる。こういう人、わたしをふくめて結構多い。人はそうそう合理的な行動ばかりできないよ!を認めた行動経済学。ただがんが見つかると早期ではないので「苦しい治療」「高い治療費」「死への恐怖」など様々負担がかかり、「どうしてあの時受診しなかったんだろう…」の後悔に進んでいく。
行動経済学のゴールは、経済学と同様で「合理的な行動をした結果の長期的満足」である。なので、なんとか最初の「えーっ…面倒くさっ!」「時間がない」のあたりの直感をくすぐって、満足する結果に導けないものだろうか。

認知バイアスに訴える

目先の誘惑に囚われないようにするには?人の直感に着目する。
認知バイアス(思考の偏り:思い込みや経験により非合理的な判断をしてしまうことを指す心理学用語)に着目して、ここを操作していく。
これがナッジ(nudge)!「ちょっと肘でつつく」という意味。
ここから「長期的満足」に至る矯正を行っていく。

To be continue


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