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チャーリー・ワッツ氏追悼 ジャズへの愛情が生んだスーツとスタイル

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 8月24日、ザ・ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツ氏が80歳で亡くなった。翌朝のBBCニュースでこの訃報を知った。
 史上最長にして世界最高峰のロックバンド、ストーンズのオリジナルメンバーにして今世紀最高のドラマーのひとりが亡くなったのだ。
 ひとつの時代がまた終わったのを感ぜずにはいられない。

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 今となっては、1990年、ザ・ローリング・ストーンズの東京ドーム公演を前から二番目の席で観たのは密かな私の自慢となっている。
 パンキーなヘアスタイルに身体にぴったりと張りついたステージ衣装で舞台を所狭しと走り回るミック・ジャガーらを尻目に、チャーリー・ワッツだけは自分の役割を認識し、常に淡々と自分のプレイに集中していた。

 チャーリー・ワッツといえばジャズに影響を受けた偉大なるグルーヴとスタイリッシュでクラシックなスーツスタイルが思い浮かぶ。インスタグラムは彼への哀悼を表す言葉と、ロックスターのイメージとは一線を画すエレガントな彼のスーツ姿の写真で溢れた。

 バンドのメンバーが結婚相手を次々と変えるのと同様に、時代によってスタイルを変えていったのとは対照的に、セレブリティとして脚光を浴びることを望まず我が道を行く、そのスタイルは一貫していた。
 ドラッグ、セックス、ロックンロール、あらゆるゴシップの宝庫だったストーンズの中で、(1980年代にはドラッグとアルコール依存で苦しんだにせよ)、彼だけは不変のストーンズの屋台骨であり続けた。
 1964年に結婚した妻シャーリーとの50年以上に渡る結婚生活を維持し、競走馬を育てる牧場を所有し、デボンのカントリーハウスに住み、ゴシップとは無縁の生活を送った。

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