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炭酸刺繍マガジン

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架空の詩集「炭酸刺繡」をテーマに詩を募り、まとめています
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#創作

詩の募集終了しました 炭酸刺繡|盛夏編 多くのご投稿感謝いたします

架空の詩集「炭酸刺繡」を編さんする名目で、詩を募ります 炭酸刺繡という言葉から連想した詩を、作ってみませんか? 「炭酸刺繡」とは… 架空の詩集の表題です 字面と音が、気に入っております 参加のしおり ・「炭酸刺繡」というワードから連想した詩を、ご投稿ください ・「炭酸」「刺繍」それぞれをテーマにしてもOK ・新作・無料記事限定 ・できれば500字以内でお願いします 短くても、もちろん可 ・しめきりは 8/8(木)23:59まで ・形式は自由  ・この記事を、あなたの

海の見える公園で 炭酸刺繍 盛夏編

 夏。二年ぶりに再会した私たちはバイクにふたり乗りして海の見える岬の公園に行った。  日陰のベンチに座って藍色の太平洋を眺める。遠くに青い島陰がぼんやりとにじんでいた。  しゅわしゅわの炭酸ジュースを飲みながら彼女は言った。 「 ねえ、もしかして怒ってる?」 「ん~ん。怒ってない」 「ほんとに?」 「 ほんと」  二年もほっておかれて怒ってなくはなかったけど、今はこうしてまた会えたことがただ嬉しかった。  愛野あざみさん……また会いに来てくれたんだね。  二年前私はその男の

『詩/炭酸刺繍のために』ドイリーとフルーツポンチ

ばあばの家では冷蔵庫に きまってフルーツポンチが冷えている スイカにオレンジ、マスカット、 白桃だって沈んでる 透明のボールにたっぷりの フルーツポンチとグラスを二つ あと忘れてならないのは パチパチと弾けるサイダー、それにね なぜだか真っ白な丸いお皿 これが大事なんだって グラスにフルーツポンチを取り分けて ばあばは自分にだけ たっぷりのサイダーを注ぎ込む (実はわたしは炭酸がきらい) わたしが食べ始めると ばあばはいたずらっぽくウィンクをして 左手にお皿、そして右手で

夏のたび…、〜クリームソーダのよう。

ただの、わたしの冷凍庫。 一、 夏の旅 二、 夏の旅 三、 夏のたび 、 夏の雲 (原案…) 夏の海に弾けるソーダのように 夏の空を練りおどるクリームのように雲の白さのように クリーム 踊って弾けて… 惜しんで漂う雲 雲色 クリーム 漂って 只、依って 纏って漂う空と海に反射して弾け飛ぶ 反射して 空の雲はクリーム 海の泡はソーダ 反射して… 反射鏡 反鏡 反響… #クリームソーダ #詩 #夏 #夏詩 #創作 #炭酸刺繍

想いは溶けない/#炭酸刺繍

あの日泡に溶けて消えた観覧車 君が呟いた見えないことば ふわり浮いたからだ今も忘れずに やわらかくも強い力振り切って ありもしない嘘をついて逃げてきた 私のことは忘れて欲しいなんてね 何も言わず消えてしまえば良かった 私のせいで見えなくなった二人の未来 君はあの子の愛した人で友達 あの日飲んだ最後のメロンソーダ あの氷がゆっくり動いた音を 最後の合図として風に飛ばすよ ひとつ残る夢のかけら胸に詰め そして心にしまって生きる かつて泡に溶けて消えた観覧車 君のくれた

【炭酸刺繍】夏いろのうた。

空に弾けたサイダー 綺麗事を吐き捨てて 手のひらに残された 透明な抜け殻 空席のきみの場所 溶けていくさまを 縫い止めたままで 夏が通り過ぎていく さよならの合図が鳴って 飛び立った星たちは 夜空に溶けて 朝を迎えにいった ↓短歌バージョン。 あ、ホントは短歌から詩にしたので 逆でした🫢 ちなみに空席のSNSは 特に感傷的なわけでもなく 特定の誰かでもなく なんとなくしゅわしゅわしてるのを 縫い止めてあるなって 思ったからです✨ 秋しゃん、よろしくお願いします(`

【盛夏の炭酸刺繍】とりあえずビールで乾杯🍻

乾杯! 最初の一杯は大きなジョッキの生ビール カチンカチンとグラスを合わせ 笑顔で黄金色の液体を流し込む ちょっと苦くてシュワシュワで口の周りに白い泡 グイグイと飲み干せば今日の嫌な事も忘れるさ 二杯目も生ビールにしようか 焼き鳥に唐揚げ枝豆揚げ出し豆腐 美味しいおつまみ美味しいビール 憂鬱な気分も消えてきたかな 次は何を飲もうかな レモンをギュッとしぼったレモンサワー ちょっと酸っぱいレモンサワー 今日の酸っぱい思いもレモンサワーで流し込め! だんだん楽しくなって

「心日刺繍」

「心日刺繍」 炭酸がシュワシュワ 空を目指して 透明でカラフルな 幾千もの糸が生まれ 刺繍をしましょう お望みは夢? それとも幸せ? こころの内に 施された装飾は あなたに希望を 見せるでしょう でも忘れないで それは一瞬 永遠の心に刻むだけ 糸は輝き あなたを誘い 綺麗な模様を 描くでしょう  藤家 秋さんの企画「炭酸刺繍・盛夏編」への参加作品です。 #炭酸刺繡  前回の「一杯の宇宙」は「炭酸」メインだったので、今回は「刺繍」をメインに考えてみました。  意図

「一杯の宇宙」

「一杯の宇宙」 グラスに注ごう 透明の液体 いっせいに炭酸 生まれて消えて 知ってるかい この泡ひとつひとつ 全部が宇宙なのさ 指が弾く グラスの中は大渋滞 このひと泡の 宇宙に生きる者たちは その長い一瞬を グラスの中で 繰り返しているのさ グラスを挟んで会話する きっとふたりも 炭酸の泡の中 いつか弾けて 消えるまで  藤家 秋さんの企画「炭酸刺繍・盛夏編」への参加作品です。 #炭酸刺繡  爽やかにするつもりだったのに、何故か儚い雰囲気の結末になってしまい

おつかれさま

つかれて帰ってきたわたしに ねこが言う おつかれさま 恥ずかしいのか わたしのほうを 見ないで言う おつかれさま わたしは ねこに近づき ねこを ぎゅうっとした 強く 強く ぎゅうっとした 強く 強く ひたすら強く やめたまえ やめたまえ ねこが言った やめない やめない まったく 困ったヤツめ はやいとこ ごはんの支度をしないか その前に わたしにも言わせてよ いつも わたしのこと待っていてくれて ありがとう おつかれさま 恥ずかしいのか ねこは 何も

誘ってみたいの

となりの席の女の子を誘ってみたいの 放課後 誘ってみたいの 歌は下手だけど カラオケに誘ってみたいの あんまり行ったことないけど ファミレスに誘ってみたいの 噴水のある大きな公園に誘ってみたいの 評判のかき氷屋さんに誘ってみたいの あんみつを食べに誘ってみたいの めずらしい絵本が置いてあるお店に誘ってみたいの 遊園地の中にあるゲームセンターに誘ってみたいの 特に買う予定はないけど ショッピングモールに誘ってみたいの 路地裏の雑貨屋さんに誘ってみたいの ア

きっと泣いてしまうんだろう

一年後 自分がどうしているのか まったく 想像ができない 一年後 自分が生きているのか まったく 自信が持てない あと何回 朝日に ため息をつけばいいの? あと何回 暗闇に 不安を覚えればいいの? あと何回 おいしくもないごはん ひとりで食べないといけないの? ふと 自分の最期を 想像する きっと 死にたくない と言って 泣いてしまうんだろう お父さんと弟のことは 思い出さなくて お母さんのことは 思い出しちゃうんだろう いい人生だったと 言える自信はない い

日常と平和

お気に入りのマンガ やっと 読み終わる 季節は 五つか 六つくらい すぎたかな 依然として 魔法つかいには なれず いつの間にか わたしは 会社をやめている ねこは となりで 寝ている そばにいてくれるのが ねこでよかった そう思ったこと いままで 何度もあった 大きな変化 お好み焼きを ソースではなく しょう油とマヨネーズで 食べるようになった 初めて しょう油とマヨネーズで 食べてみたお好み焼き 思いのほか 美味しかった 勝手に その日を お好み焼き記念日 にし

こらえきれない衝動

橋を眺めるのが好き 橋を歩くのは好きじゃない 欄干に飛び乗りたい衝動をおさえられなくて たまらなく苦しくなってしまうから 坂道を上がるのが好き 坂道を下るのは好きじゃない 足がもつれるくらいに 駆け出したい衝動をおさえられなくて たまらなく苦しくなってしまうから アイスを食べるのが好き かき氷を食べるのは好きじゃない 頭がキーンとなるのもかえりみず ガバーッとかき込みたい衝動をおさえられなくて たまらなく苦しくなってしまうから クラスのあの男子のことが好き あの男子の気