夏の残り火 バンカラ女子の夏
あざみさんはバイクから小さな焚き火台を取り出して砂浜に置くと薪を置いて火を付けた。暫く二人で火を眺めた。
もうすぐ夏が終わると思うと切なくなった。あざみさんはまた旅に出るのかな。
夏の海は真っ黒で怖い。潮騒を聞きながら空を見上げると満天の星が輝いている。
あざみさんは夜空を指差して言った。
「あれがデネブでしょ。あれとあれがアルタイルとベガ。夏の大三角だよ」
「そうなんだ。詳しいね」
「うん、旅の途中でよく夜空を観たから調べたんだ。羊蹄山で観た星はきれいだったな」
私はあざ