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頼られる医療従事者が医学書より先に学ぶこと

こんにちは、ごますりおです。

今年度(R5年度)でちょうど社会人10年目となる節目の年です。そこで、僕が今までの薬剤師人生の経験で「1年目のときから気付いていればよかったな」いう経験について記事を書こうと思いますね。

そうそう、タイトルには「一人前の医療従事者になるため」と書きましたが、どの職種であっても共通する考え方になるかと思います。


”理屈”よりもまず必要なこと

僕の場合、病院薬剤師として社会人生活をスタートさせました。大学では薬理学の授業などがあったわけで薬の作用機序など細かいところをたくさん学んできました。

ナントカ受容体に作用して、拮抗作用を示すことでナンタラカンタラ…

ひたすら必死になって覚えました。万全の知識を持って病院に就職したつもりでした。しかし現場ではその知識だけでは不十分でした。


普段薬を扱う業務の中で、ナントカ受容体の知識が重要になることは実はそれほど多くはありませんでした。それよりもまず、どの薬がどのような使われ方をするか(1日何回飲む薬なのか、とかね)の方がよっぽど大事な知識でした。


たとえを使って説明しますね。


例えば、車の運転をするとき。

  • ハンドルを回した方向に車は曲がる

  • アクセルを踏むと進む。ブレーキを踏むと止まる

こういったことを一番最初に覚えるかと思います。この2点だけあれば最低限運転はできるんじゃないかと思います。

ブレーキの仕組みをまず覚えてから、実車に挑もう!なんて人はいますかね?因みに仕組みは下記のとおりだそうです。

ブレーキキャリパーに組み込まれたブレーキパッド(摩擦材)を、車輪とともに回転するディスクローター(回転体)に、ピストン(押しつけ機構)で両側から押しつけることによって、ローターの回転を止め、クルマを減速・停止させます。

曙ブレーキ工業

うーん、よくわかりません。でも毎日運転できているし、ゴールド免許です。

薬の知識についても同じことが言えるな、と思います。〇〇という薬は血圧の薬だ!とか、1日何回使う薬なんだ!

という知識があればまずなんとかなります。まずは、理論云々より、こういったところをまずは学んでいくことが大事でした。

そのうえで、薬のプロとして、必要に応じて受容体などの細かい理屈の部分を学びなおしていくことが大事でした。


医療従事者としてよりも、まずは社会人としての基礎を学ぼう


そして、薬や医療の知識も大事ですが、それ以上に大事なのは”社会人として基礎を身につける”ということです。

医療従事者って、それぞれ専門分野について詳しい人はとても多いんです。

しかし、社会人のマナーがなっていない人もとても多いと感じます。

例えば医師ですよね。めちゃくちゃ頭の良い人たちばかりです。そして、自身の知識のアップデートも欠かさず行っている人たちがほとんどです。専門医をとるために自費で学会に参加したり、論文を書いたりしてるんです。激務であるにも関わらず、プライベートを投げ打って仕事に向き合う姿はさすがとしか言いようがありません。

でも…尊敬できない人って結構多くないですか?


僕の病院には投書ボックスにはたくさんクレームが投書されます。
・あの医師の上から目線の対応が許せなかった
・話をまともに聞かずに診察をする
・真剣に話しているのに、鼻で笑われた

看護師からの医師への文句も数多いです。
・看護師へのあたりが強い
・電話対応がいつもイライラした口調
・いつまでたっても書類作成されない

などなど。


なんでこんなに頑張っているのに、クレームが止まないのでしょう?理不尽じゃない?


でもよく見てみると、ある共通点があるんですよね。それは「医療以外のところで不満がある」ということなんです。

医学の知識は文句はなくとも、社会人としての基礎がなっていない部分に、患者や看護師はムカついているんですよね。逆に、知識はまだ未熟かもしれないけど、親身になって診察をしてくれる研修医に好感をもつ患者も多いです。


つまり、僕が言いたいのは「医療従事者である以前に社会人であることを自覚せよ!」ということです。


よく言われることにこんなことがあると思います。

  • 笑顔で挨拶をしましょう

  • 人の話は最後まで聞きましょう

  • 提出物は期限内に提出しましょう


数を上げればきりがないですね。社会人としてのマナーや基礎というより、小学校で学んできそうなことばっかりです。当たり前だろこれくらい!と思うかもしれませんが、意外とできない人が多いです。まじで。


僕も就職後2~3年はこんな感じだったように思います。当時は医療の知識さえあれば良いと思っていたんですよね。更に言えば、飲み会の知識も何も無かったので上司に気を遣うなんてことは無く、学生のノリでワイワイ飲んでただけでした。


ビジネスマナーのひとつでも読んでみてください。自分に合っていると思う本で良いです。これらを完全に身につけて遂行しろとは言いません。ただ、心得ておくだけでだいぶ違ってきますよ

まとめ



僕も、これらを気にし始めてから、少しずつ行動に移していったことで、病院内での評価も高くなってきました。知識については僕以上に詳しい同僚薬剤師はたくさんいます。でも、そこそこの知識の僕であっても信頼は勝ち得ることができました。


なにも、そんなに難しいことではありません。小学生でもできることです。でも、効果は絶大です!だって、医療従事者はこれらが出来ていない人が多いんですから。営業職ビジネスマンであれば普通レベルのことであっても、病院内であればスーパーマンです!


医療従事者になったらまず、社会人としての基礎を身につける。そして、現場に即した知識を身につける。これらを気にしながら、業務と向かい合ってみてください。


では!!

#この経験に学べ


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