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[詩]ベルリオーズの鐘が鳴る

いつか私を滅ぼすほどに大きくなった火は、
あの頃に取り残してきた

くべた薪は湿っていたようで、
上手に火が回らない

バラバラとほどけそうな私を
私の両腕で抱きしめる

きつく、きつく抱きしめると
身体の内だけが煉られて熱い
あの頃に取り残してきたはずの火は、
私を滅ぼすために残っていたようだ

ベルリオーズの鐘が待っている
バラバラになりはじめた身体を押さえつけて
階段の一段一段を踏み締める

しけた薪はもはや生きる意味を失った
私の目も耳も鼻も役目を果たさず
ただ真ん中だけが煉られていく

そうしてすっかり黒くなると
目下に広がる暖かい家明かり
ははは、とシニカルに笑ったつもりだった

白けた薪に掠れた息があいまいに揺れる
鐘の音が身体に響き渡る

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