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【老父母との旅行】イタリア珍道中①飛行機移動

投稿:018
【記事の要約】
海外に一度も旅行した経験のない両親を
日本国外に連れ出すと何が起こるのか?
「両親にも一生に一度は世界を体験してもらいたい」。
そんな思いでイタリア旅行に
繰り出した親子旅を振り返る。

今回の記事は「出国」と「ローマテルミニ駅到着」まで


一度も日本国外に出た経験のない両親

父(当時72歳)、母(当時69歳)は
それまでの人生で公私ともに海外に
行ったことがなかった。
新婚旅行は北海道だったそう。
それはそれで楽しかったらしいので
いいけれども、定年を迎え、
時間に余裕ができ、
豪遊しなければ旅費も捻出できる。
それなら一生に一回ぐらい
日本の外の空気を感じたっていいんじゃないの?
親孝行のつもりで老父母の水先案内人を
買って出たのが旅の発端だった。

「海外旅行」というイベントに対して
両親はしばらく考え込んでいたが、
数週間して行き先や
スケジュールについて相談を持ちかけてきた。

結論から述べると、
2023年6月にイタリア(ローマ、フィレンツェ)へ行くことになった。
旅程は移動を含めて3泊5日だ。
元々クラシック音楽の
演奏者だった父は宗教音楽に興味があり、
母は食べ物に興味があって
イタリアに行くことにしたらしい。

私はローマに足を運んだことがあったため、
交通機関の利用法も含めて
案内できるかもと計画を練り進めることにした。

6月某日、羽田空港から
空路フランクフルト経由でローマへ。

ところが、ローマに入る前から
珍道中は始まっていた……。

トイレから戻らない母

深夜便で羽田空港を発ち、
早朝に経由地のフランクフルト空港に到着。
初の海外。特に国際空港特有の
多様性豊かな人々の風景に
旅の高揚感と不安も
否応なしに高まっている様子。
自分自身、初の海外旅行は
そうだったなぁと思いながら、
周囲の光景に圧倒されている両親を見ていた。

飛行機を降りてすぐに
それぞれトイレを済ませた後に
再度ゲートに集合しようと話したはずが、
トイレに行ったきり母が一向に戻ってこない。
でも、トイレにしては時間が長すぎる。

とうとう機内に残っていた
機長やクルーの方々まで降りてきて、
笑顔で挨拶されてしまった。

他の乗客はすでに
バゲージクレームの方向へ移動して、
私たちだけがゲートに取り残された。

この状況は、一体何なんだ?

父と一緒に母がどこに行ったのか、
メールをしたり、近くを探したのだが反応がない。
母はどこに消えてしまったのだろうか……。

そう思っていたら、
バゲージクレームの方向から
母がとぼとぼ歩いてきた。

どうやら自分が取り残されたと思って
歩き出してしまったらしい。
あれほど集合場所を確認したのに(泣)
70歳を迎えようとしている親に対して
子供に言い聞かせるように
「勝手に動いちゃだめだよ」と
伝えるのも変な感じがした。

乗り継ぎの途中でスマホを紛失

15時間近いフライトで
さすがに疲れてしまったのかもしれない。
乗り継ぎ通路の途中にあった
黒いベンチで小休止することにした。

いざ、ローマへの乗り継ぎ便に
向かおうと搭乗ゲートに進み、
搭乗開始直前になって、
父が「スマホがない……」と衝撃の一言を発した。
その言葉に青ざめる母と私。
荷物のなかを探してもスマホは見つからない。
搭乗時刻を告げるアナウンスが流れ、
人の列が動き始めた時、
父が空港の通路を歩いて来た方向に戻っていった。

今からどこにいくの……と
ため息をつく私。
スマホを紛失すれば
個人情報漏洩のリスクはもちろんのこと、
乗り継ぎができないことによる
旅程の再検討が必要になってくる。
まさか、目的地に着く前にスマホを失うとは……。

だが、しばらくして父は戻ってきた。
手にスマホを握って。

安堵と共に驚きの眼差しで
スマホがどこにあったのか尋ねると、
どうやら先ほど休憩したベンチに
置きっぱなしになっていたようだ。
スマホケースがベンチのカバーと同じ質感で
完全に溶け込んでいたみたい。
海外の空港で金目の紛失物が無事見つかるなんて
ラッキーとしか言いようがない。

両親はモバイルWi-Fiまで借りたのに、
スマホなくしたら目も当てられない
と思っていた矢先の出来事だったので一安心だ。
遅れ気味ながら搭乗客の列に加わり
私たちも機内に乗り込む。

「貴重品は常に身につけ、確認を怠らないこと」。

紛失や盗難を避けるために
セーフティポシェットを着用していた
父が起こしたハプニングから、
改めて出国したときの心構えを学んだ。

ローマに到着!両親に合わせた移動手段を

フランクフルトからローマへの移動は
2時間ほどで、無事空港に到着した。
さらにローマ中心地のテルミニ駅までは
空港発のレオナルド・エクスプレスという
電車を使って移動するのがおすすめだ。

到着の喜びを感じている反面、
両親の疲労は目に見えて蓄積していた。

バスという選択肢もあるが、
料金が安い分、移動時間が長くなるので
今回のケースでは不向きだと思う。

とは言え、バゲージクレームを出てから
空港の駅舎までの移動距離は長い。
私の足でも15分はかかる。
ちょうどいい時間に出ていく列車があったので、
私1人なら乗ってしまいたいと思ったが、
両親の歩くスピードに合わせて
次の列車の乗車券を購入した。

満席に近い車両のなかは
乗降口付近の荷物置き場までいっぱいだ。

乗車券の購入は券売機でできる。
クレジットカードにも対応しているが、
券売機の機嫌が悪いと
カードを承認してくれない。
前回訪れたときはこの不具合に泣かされた。

今回は両親の分までスムーズに購入でき、
親子揃って座席で一息ついた。
ローマ・テルミニ駅の雑踏に身を置いて、
両親との海外旅行が始まった
という実感が湧いてきた。

今回の記事はここまで。
次回はローマの街並みを両親と巡った1日を綴る。

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