読書感想 谷崎潤一郎 鍵
当時過激な性描写ゆえにかなり話題になったみたいですね。相当修正が加えられたようです。私的には、これくらいがちょうどいいというか、安心して読めるギリギリなラインだと思います。
こちらの作品、非常に完成度の高い作品だと思います。物語の筋が通っています。
芥川龍之介と谷崎潤一郎の間には、文学論争があったようですね。
私はあまり詳しくないのですが、しかし、
両者の言い分といいますか、言いたいことは
ものっすごぉーーーく良くわかる気がします。私は両者の作品が大好きなので……。
物語の筋に重きを置くべきか、表現力に重きを置くべきか、とゆうかそもそも純文学とはなんぞや??みたいな論争だと思うのですが、(間違ってたらごめんなさい……)
皆違って皆素晴らしいよ!小説の評価なんて、結局のところ個人の好みだよ!好きに書いて好きに読めばいいじゃん!それが小説ってもんだろう!!
だって、野菜にしたって、トマトととうもろこしでそれぞれ異なった魅力を放ってどうにも甲乙つけ難いでしょ??
と私は思うのですね。
……話がそれてすみません。
さて、谷崎潤一郎の「鍵」。
互いの日記を盗み読む夫婦のお話です。
様々な攻防が繰り広げられるのですが、最終的には妻の方が一枚上手でした。悪女の完全勝利です。
谷崎潤一郎は、愛欲に溺れて排他的となり闇落ちする人間の心理をドラマチックに描くのが非常に上手ですね。「エンターテイメント」として非常に完成度が高い印象です。
もちろん文章もとても美しいです。
ここまで愛欲に溺れることは、私は出来ないなあ。だって、性愛以外にも、楽しいことは沢山ありますもんね。
以前にも書いたのですが、谷崎潤一郎の作品を読むと、夫婦の在り方について考えさせられます。夫婦を夫婦たらしめるものは一体なんなのだろうか、と。
それは本当に人それぞれなんでしょうね。
読み応え抜群のこちらの作品、ぜひ一度読んでみてくださいね。
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