見出し画像

『問い』を作り込むことで観える、新しい世界観へ

こんにちは!
お盆に長期の休みをもらっているので、コンディション含めて休み前よりも上げていこうと目論んでいる今日この頃です。

さて、今回の1冊はコチラ!

『問のデザイン -創造的対話のファシリテーション-(著:安齋勇樹・塩瀬隆之)』

会議のお作法から、ファシリテーターとしての心得などを学んだ後、仕上げとしての1冊です。これまでの積み重ねから、どのような「問い」によって、相手の思考を形成するかはとても重要であることがわかりました。

とはいえ、そのような「問い」を偶発的に作れるはずもなく……

やはり、「問い」を作るためにも、基礎が必要ということで重要な示唆を得ることが出来ました。


1.問いとは何か?

問いとは、答えと対になっており、持つ視点によって問いも答えも変化をします。そして、思考と感情を刺激し、主体的なコミュニケーションを誘発するものを指します。

ここでの鍵は、創造的対話(新たな意味やアイディアを引き出すトリガー)であることです。個人の認識の内省(メタ認知)を促すことにより、「なぜ、そのような意味付けがされているのか?」という変容的学習を生み出します。

「問い」はあくまで媒体です。
対話に取り組む時点で、「誰も答えを知らない」場合、‟認識と関係性の病”から探り当てる必要があります。

「問い」は課題とプロセスのデザインであると、定義づけています。

2.課題のデザイン

問題と課題の違いは何でしょうか?

〇問題:何かしらの目標、動機付けがあるか、プロセス等が上手くいかない状況です。この背後には、認識の違い(問題の捉え方の違い)が存在をしています。無自覚に、「痛み」に囚われることで長期的思考が低下し、自分本位になっています。

〇課題:関係者間で、「解決をすべきだ」と前向きに合意された問題のことを指します。

課題に昇華する際に、自分本位・自己目的化・ネガティブ・他責・優等生・壮大が生じると、失敗をします。
必要なマインドセットとして、素朴思考、天邪鬼思考、道具思考、構造化思考、哲学的思考があります。本質を観取し、目的と現状の差分を埋めていくことが必要になるのです。そのために、4つのステップがあります。

① 要件の確認:目標・認識・構成要素を抑える
② 目標の精緻化:期間・優先順位・性質
③ 阻害要因の検討:対話の機会がない・固定観念・合意形成・他責・知識創造性の不足
④ 目標の再設定:リフレーミングをする

良い課題であるかどうかの見分け方は、効果性・社会的意義・内発的動機(衝動を掻き立てる)の有無にあります。

3.プロセスのデザイン

プロセスにおいては、‟ワークショップ”の組み立て方を中心に観ていきます。ワークショップとは、普段とは異なる視点から発想する、対話による学びと創造の方法です。これまでの方法論を「問い直す」モノでもあります。

ワークショップのデザインは、経験のプロセスのデザインでもあります。
導入から知る活動(仕込み)と創る活動からまとめ(発芽)の大きく2工程に分けられます。
早速、デザインの手順を観ていきましょう。

① 課題解決に必要な経験のプロセスを検討

・参加者の頭に具体的な映像として思い浮かべる
・導入からまとめまで、どこで何を入れれば達成(経験)をできるかをイメージする
・要素に応じて、複数回のワークショップに分ける

② 経験に対応した問いのセットを作成する

・探索の対象を決める:経験、価値観、合意形成、方法などから、個人の経験を個人の妄想、そして組織のビジョンへ昇華させる
・制約を設定する:問いの表現にこだわる/アウトプットの形式(紙・作品・身体表現)/表現を検討する(参加者がどのような思考や表情や感情になるか)

③ 足場の問いを組み合わせて、プログラムを構成する

・問を活かすための問い:マクロからミクロ/他社から自社(抽象度の異なる問いは1つに2つ内包をさせない)

④ タイムテーブルの設定

〇 導入:10~20%
〇 知る活動:20~30%
〇 創る活動:30~40%
〇 まとめ:10~20%
問いの深さ(視点・多様性・時間)、サイズ、シェア、頻度にて調整をかけていきます。何よりも、導入におけるアイスブレイクが重要であり、ゴール設定に繋がる期待を持たせることが必要です。
アイスブレイクでは、固定概念を揺さぶり、集団の関係性を揺さぶり、警戒と緊張をほぐし、テーマと接続をさせる必要があります。

4.ファシリテーションの技法

原則として、主役は参加者であり、ファシリテーターは黒子です。
その上で、3つの大きなポイントを抑えていきましょう。

① コアスキル
〇説明力:焦点を明確に、背景、繋がりの補足
〇場の観察力:多くの事実を集めて解釈する
〇即興力:想定外を受け入れて楽しむ
〇情報編集力:共通点を探る・相違点を探る・情報を構造化する・視点の不足を探る
〇リフレーミング力:「クセ」を発見し、揺さぶりをかける
〇場のホールド力:「黒子」としてエネルギーが十分発揮されていることにコミットする

② 芸風
〇コミュニケーションスタンス
〇武器
〇信念
大切な拠り所でありながら、変容可能なものでもあります。

③ 「対話」を深める
〇導入:「なぜ」を明確にする
〇スタンス:伴走者・ホールド・支援者という立場から、知ると創るをつなげる/フィードバックは好奇心を刺激する
〇クエスチョン:自分の得手・不得手を理解し、使い続ける


いかがでしたか?
「問い」というものがどのようなものであるのか。
ワークショップのときに、どのような準備を行い、当時は何をしなければならないのか。
導き方やそのスタンスはどうしなければならないのか。

このように要素はたくさん存在します。
僕の得意なやり方もあれば、完全に苦手だなぁーと感じるやり方もあります。ただ、著者も締めくくりでのべていました。

‟完全なリーダー”はない

僕たちは「問い」を使い、日々起こる事象を、出会う人たちを理解し、協働するために、試行錯誤を続けなければいけないのでしょう。

ではでは、毎日がワクワクするような最高の1日になりますように!!
acty home
講内 源太


医療・介護における患者体験を変えることで、一人ひとりにとって最良のサービス提供が行えるように、日々学び続けています。
今年は、EX(働く方のプロセス)にも注目をし、各種講座も準備しています。
『一社)PX研究会』に、是非、一度お立ち寄りください。

#ビジネス本
#まとめ
#マネジメント
#管理職

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?