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【#先人の教訓】大地震の爪痕 教訓伝える 北淡震災記念公園

 北淡震災記念公園(兵庫県淡路市小倉)では国指定の天然記念物・野島断層を保存・展示し、地震のエネルギーや自然の脅威を後世へと伝えている。1995年1月17日に発生した、阪神・淡路大震災という未曾有の大災害の引き金となった断層を様々な角度から観察できる。さらに地震のメカニズムや対策についても学ぶことができ、見学者の防災・減災意識を高めている。

道路に現れた野島断層、向かって右方向に最大1・3メートルずらした=4月9日、淡路市小倉

 破壊された道路、生け垣のズレ、地割れ・・・。

 同公園内で保存・展示される野島断層の動きによって変化した様々な地形から、自然の大きな力を実感できる。アスファルトで舗装された道路は上下に約50センチ、横方向に最大1・3メートルずれ、大きくひびが入っている。全く原形をとどめない姿に、見学者は絶句していた。

野島断層付近の地面を掘り下げたトレンチ展示=4月9日

 地面を掘り下げたトレンチ展示では、断層による地質の違いを視覚的に確認できる。また、地震の揺れを再現した模型も設置されており、実際の地面の動きと地形をリンクさせることもできる。

空襲、震災に耐えた防火壁「神戸の壁」=4月9日
断層が横切る民家「メモリアルハウス」=4月9日

 公園内には、空襲、震災に耐えた防火壁「神戸の壁」や、断層が横切る民家「メモリアルハウス」も保存されている。これらは断層とともに震災を語り継いでいる。

 過去の教訓を伝えるとともに、今後発生する自然災害による被害低減のため、公園内にある震災体験館では地震の体験や、震災に関する映像を見ることができる。阪神・淡路大震災だけでなく、2011年3月に発生した東日本大震災も扱われており、実践的に防災・減災について学ぶことができる。

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 阪神・淡路大震災は95年1月17日午前5時46分に発生した兵庫県南部地震による災害。兵庫県淡路島北部が震源でマグニチュード(M)は7・3、神戸市などで観測史上初の震度7を記録した。

 北淡震災記念公園は兵庫県淡路市小倉177、神戸・三宮地区から車で60分、JR三ノ宮駅から高速バス有り。開館は午前9時から午後5時まで。1月から11月は無休(12月下旬に臨時休業有り)。【山口泰輝】

※この記事は、4月15日発行の「GENSAI PRESS 7号」に掲載されています。以下の紙面は、ダウンロードできます。

GENSAI PRESS 7号

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