GENSAI PRESS【ゲンサイプレス】

減災復興政策を学ぶ大学院生が運営する個人メディア。マスメディアが報道しきれない被災地や…

GENSAI PRESS【ゲンサイプレス】

減災復興政策を学ぶ大学院生が運営する個人メディア。マスメディアが報道しきれない被災地や減災に取り組む地域のミクロな情報を発信します。拠点は兵庫県神戸市。

マガジン

  • #先人の教訓

    過去に発生した自然災害の中には先人によって伝え続けられているものもあります。繰り返し発生する自然現象による被害を低減するためには、先人が残した石碑やミュージアムといった伝承の手段から教訓を学ばなければなりません。そこで「#先人の教訓」では、過去の自然災害を伝承する手段について紹介しているnoteをまとめています。

  • ゲンサイコラム

    減災復興のプロセスにおいて役に立つ豆知識をまとめています。

最近の記事

【東日本大震災から12年】「なぜ高台に逃げなかったのか」息子亡くした父、命の大切さ伝え続ける

 「息子が自分を介して話しているんだと思う」。そう語った60代の男性は、東日本大震災の大津波で、地元の銀行で働いていた息子・健太さん(当時25歳)を亡くした。あれから12年。男性は自ら法人を立ち上げ、被災地を訪れる人々や全国各地の子どもたちに命の大切さを伝え続けている。  宮城県仙台市中心部から車で1時間ほど。震災当時、約1万人が暮らしていた牡鹿郡女川町。最大14・8メートルの津波が襲った地域だ。湾口が狭いリアス式海岸で、湾の中に入った津波が長時間出ずに被害が拡大した。町民

    • 【東日本大震災から11年】福島のいま 朗読劇で伝える 大阪・高槻で上演

       演劇集団「風煉(ふうれん)ダンス」の東日本大震災を題材にした朗読劇「まつろわぬ民2022〜更地のうた〜」が12月15日、大阪府高槻市の生涯学習センターで上演された。公演は2部構成で、後半は歌手の白崎映美さんのソロライブ。約300人の観客は手拍子で盛り上がった。 ■風煉ダンスとは  1990年結成の風煉ダンスはジャンルを越境し、アイデアに満ちた空間創造を得意とする演劇集団。社会的メッセージ性のある演劇に取り組み、ダイナミックな演出で観客を驚かせる。 「まつろわぬ民」は2

      • 【大分】天ケ瀬温泉街で避難訓練 出水期を目前に意識高める

          2020年7月の記録的豪雨により甚大な被害を受けた大分県日田市の天ケ瀬温泉街。梅雨入りを目前に控え、住民自ら作成した避難行動計画を確認しようと、水害に備えた一斉避難訓練が5日、同温泉街であった。  小雨がぱらつく日曜日の午前9時すぎ。住宅が並ぶ谷筋をさかのぼるように、避難を呼びかけるサイレンが鳴り響いた。それを合図に、町内2か所に設置された避難所へ非常持ち出し袋を背負った住民たちが続々と集まった。日田市によれば、参加したのは55世帯82人だった。  到着すると、まずは

        • 【#先人の教訓】大地震の爪痕 教訓伝える 北淡震災記念公園

           北淡震災記念公園(兵庫県淡路市小倉)では国指定の天然記念物・野島断層を保存・展示し、地震のエネルギーや自然の脅威を後世へと伝えている。1995年1月17日に発生した、阪神・淡路大震災という未曾有の大災害の引き金となった断層を様々な角度から観察できる。さらに地震のメカニズムや対策についても学ぶことができ、見学者の防災・減災意識を高めている。  破壊された道路、生け垣のズレ、地割れ・・・。  同公園内で保存・展示される野島断層の動きによって変化した様々な地形から、自然の大き

        【東日本大震災から12年】「なぜ高台に逃げなかったのか」息子亡くした父、命の大切さ伝え続ける

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        • #先人の教訓
          2本
        • ゲンサイコラム
          2本

        記事

          【岐阜】大雨で冠水、閉じ込め被害も アンダーパスの危険性

           2010年7月、九州から本州付近に停滞していた梅雨前線の断続的な活動が活発化し、西日本を中心に豪雨災害となった。全国で死者16人、行方不明者5人という人的被害をもたらした災害だった。  同月15日夕方、岐阜県の中濃地方では局地的に1時間あたり60ミリ前後の非常に激しい雨が降った。可児市土田のアンダーパスは冠水し、車に乗っていた3人が被災した。こうした過去を踏まえ、アンダーパスの危険性に迫る。 ■「7・15豪雨災害」の教訓 浸水深示す標識  今から約12年前———。岐阜

          【岐阜】大雨で冠水、閉じ込め被害も アンダーパスの危険性

          【#先人の教訓】大洪水から人命救う 日田・人助けのムクの木

           温暖な気候と緑豊かな自然に恵まれている大分県は、さまざまな自然災害を繰り返し経験してきた。そのうち、平成29年、令和2年と近年、複数回発生している風水害は甚大な人的・物的被害をもたらした。例えば、令和2年7月の記録的豪雨では日田と由布の両市で計6人が犠牲となり、被害額は558億円に上った。  こうした現状を踏まえ、自然災害による被害を低減させるために私たちは何をどうすべきか。その手立てのひとつとして、過去に発生した災害を振り返ることが有効だと考えられている。そこで、水害常

          【#先人の教訓】大洪水から人命救う 日田・人助けのムクの木

          【大分】復興の灯り 被災地にぎわう 天ヶ瀬で実証実験

           「天ヶ瀬温泉街 灯りの実証実験」と題した取り組みが日田市天瀬町で開催され、5日に最終日を迎えた。2020年7月の記録的豪雨で被災した同町で支援活動を行う「天ヶ瀬温泉つなぐ会議」が主催。地域住民の不安解消と「川と湯のまち天ヶ瀬」を復活させようと企画した。 ■玖珠川護岸など9エリアライトアップ  実証実験は2月5日から1ヶ月間にわたり実施された。点灯は18時から22時まで行われ、玖珠川護岸や軒先提灯など9つのエリアがライトアップ。日田木材協同組合から提供された木材も活用した

          【大分】復興の灯り 被災地にぎわう 天ヶ瀬で実証実験

          【ゲンサイコラム】「経験」を「教訓」に

          ▲1月22日午前1時8分ごろ、日向灘を震源とする地震が発生し、大分県内では最大震度5強を観測した。揺れの大きさから南海トラフ地震の発生を思い浮かべた人も少なくないと思う。幸い津波被害は発生しなかったものの、人的・物的被害は想像を超えるものだった。 ▲今回の「経験」を無駄にしてはいけない。まずは当時の状況を振り返る必要がある。そこで地震発生時、どこで何をしていたかを問うウェブアンケートを1月24日から実施した。 ▲結果、多様な回答が得られた。自宅で寝ていた人、ゲームをしてい

          【ゲンサイコラム】「経験」を「教訓」に

          【佐賀】大雨から半年 ボランティア 被災地支える

           2021年8月、佐賀県を襲った記録的な大雨から半年が過ぎた。白石平野を蛇行しながら貫流する六角川が氾濫し、流域の武雄市や杵島郡大町町などで浸水被害が発生した。現在、被災地には県内外からボランティアが集まり、住宅の修繕や被災者間のコミュニティの構築に尽力している。 ■過去にも洪水被害 3年間で2度の被災 佐賀県によれば、同災害により佐賀、嬉野の両市で計4人が軽傷を負った。また、県内における建物被害は全壊や半壊、床上・床下浸水など3423戸に上った。農林水産関係の被害総額の

          【佐賀】大雨から半年 ボランティア 被災地支える

          【大分】地震の対策してた? 学生半数「対策なし」

           私たちは、ごくふつうの日常の中で突然訪れる地震災害にどう立ち向かうべきか。1月22日未明に発生した日向灘を震源とする最大震度5強の地震を受け、会員制交流サイト(SNS)を通してウェブアンケートを実施したところ、全回答者のうち半数が「22日の地震発生前に、地震対策をしていなかった」と回答した。この傾向は10〜20代の学生にも共通した。  「GENSAI PRESS 1号」と同様のアンケート内で、地震による被害の有無や事前の地震対策について問うた。回答者は54人だった。  

          【大分】地震の対策してた? 学生半数「対策なし」

          【ゲンサイコラム】「想定外」だけでなく「想定内」も

          ▲1月22日未明、大分県内で最大震度5強を観測する地震が発生した。大分、佐伯両市で計6人が重軽傷を負い、各地で水道管の破損やブロック塀の倒壊、落石等が発生した。 ▲今回の震源地は日向灘。政府の地震本部によれば、この領域ではマグニチュード7・0程度の地震が繰り返し発生しているという。では過去に発生した日向灘を震源とする地震は、県内にどのような被害を及ぼしたのだろうか。 ▲NHK大分放送局と大分大が提供する「大分県災害データアーカイブ」内で「日向灘地震」を検索した結果、31件

          【ゲンサイコラム】「想定外」だけでなく「想定内」も

          【大分】地震の時、何してた? ウェブアンケート調査を実施

           1月22日午前1時8分ごろ、日向灘を震源とする地震が発生し、大分県内では大分、佐伯、竹田の3市で震度5強を観測した。揺れの大きさから南海トラフ地震を思い浮かべた人も少なくないだろう。大分県によれば、大分市と佐伯市で計6人が重軽傷を負った。また、建物や道路、ライフライン等の被害も発生。大分市の大分港西大分地区では液状化とみられる被害が確認された。 ■日向灘でM7・0級地震が繰り返し発生 地震本部  政府の地震本部によれば、日向灘ではマグニチュード(M)7・0程度の地震が繰

          【大分】地震の時、何してた? ウェブアンケート調査を実施