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【東日本大震災から11年】福島のいま 朗読劇で伝える 大阪・高槻で上演

 演劇集団「風煉(ふうれん)ダンス」の東日本大震災を題材にした朗読劇「まつろわぬ民2022〜更地のうた〜」が12月15日、大阪府高槻市の生涯学習センターで上演された。公演は2部構成で、後半は歌手の白崎映美さんのソロライブ。約300人の観客は手拍子で盛り上がった。

■風煉ダンスとは

 1990年結成の風煉ダンスはジャンルを越境し、アイデアに満ちた空間創造を得意とする演劇集団。社会的メッセージ性のある演劇に取り組み、ダイナミックな演出で観客を驚かせる。

「まつろわぬ民」は2014年の初演後、17、18年と東京、東北各地で上演。これまでに延べ6000人超の観客を動員した。

■10年目の津波、朗読劇に

 福島では21年、原発事故の影響で次々と家屋が取り壊される「10年目の津波」が発生。それにより、更地が増え続け、同時に人々の声も遠のいた。

 風煉ダンスのメンバーは同年、福島を訪問取材し、現地の様子をもとに新たな朗読劇を創作。タイトルを「まつろわぬ民2022〜更地のうた〜」とした。主役は「上々颱風(しゃんしゃんたいふーん)」のメンバー・白崎映美さん。自宅を無くした老婆を演じ、震災と原発事故を忘れないことの大切さを訴えた。

ライブで歓声に応える上々颱風の白崎映美さん=高槻市生涯学習センターで、山口泰輝撮影

 後半のライブでは白崎さんがソロで登場。ギターの演奏に合わせて、スタジオジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」の主題歌「いつでも誰かが」など代表曲を披露し、会場は手拍子に包まれた。

 公演に訪れた大学院生の山口泰輝さん(23)=神戸市灘区=は「福島の現状に目を向け、関心を持ち続けることが大切だ」と話した。

 次回の公演は19日、東京都江戸川区のタワーホール船堀にて行われる。詳しくはウェブサイト(https://eplus.jp/sf/detail/3750600001)まで。【山口泰輝】

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