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アロハ アイナ


ハワイには「アロハ アイナ」という言葉がある。
これは「土地への愛」という意味らしく、『私たちは土地とそこに生きるすべてのものに生かされている』という考え方なのだそうだ。

私は、アロハ アイナを知った時に、「地産地消」という言葉が頭に浮かんだ。
その地産地消であるが、これには生産者の顔が見えたり、新鮮だったりという安心安全面に加え、流通の簡素化による価格面のメリットなど、「生産と消費」という経済面の要素が強いことから、アロハアイナとは少し違うような気もする。
それでも地産地消にアロハアイナのような考え方が加われば、もっと地産地消の意義が重要視されるだろうし、「食育」という観点からも良い機会のような気がしたので、少し考察してみることにした。

地産地消には、生産する側と消費する側の二人称的な関係性がある。一方、アロハアイナには、生産する側と消費する側という関係性ではなく、両者は共にその土地に生かされているという点で、常に同じ立場という関係性なのだ。つまり、そこに住む者はすべてその環境の中で生かされているわけで、かつての日本にも同様な精神世界があり、現在においても中心的ではないにしろ日本文化の中に継承されているように思う。

しかしながら、今の日本の実情はどうだろうか。
自然を破壊し、数多くの動植物を絶滅へと追いやり、生活環境を敬うどころか、農業に於いては農薬を使い、大量のエネルギーを消費するために原子力発電所を乱立した挙句、爆発事故による放射能汚染を引き起こしている。にも関わらず、原発をやめようとせず、再稼働だけに留まらず、運転期限を延長するという愚かなことまでやっている始末である。

それでも、最近の若い人たち、特に子育て世代は食べ物や環境の安心安全に関心が高く、都会を離れて地方へ移住し、スローライフを重視する傾向が高まって来ている。
そのような中、地産地消にアロハアイナの考え方を加えることは、子育て世代に受け入れられるのではないかと考える。
私は、もう少しアロハアイナについて考えてみたいと思う。

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