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年俸1015億円をどう見るか。当たり前すぎることも言わなければ通じない。

大リーグでも大活躍の大谷翔平さんの契約金に大騒ぎでしたね。
10年で1015億円。もう凄すぎて意味がわかりません。
秒給に換算すると300円程度だと計算した報道もありました。
3秒で1000円くらいだと。
想像できないほどの報酬で、すごさをアピールしているのだと理解はできるけれど、それだけで終わってしまっては、せっかく大勢の人が見るメディアの活用としては残念な気がする。

彼がここまでのスターになるまでに、どれだけの努力をしてきたでしょう。そのためにどれだけの時間を使ってきたか、
自分の欲を犠牲にしたか、まあ、これは犠牲ではないかもしれない。
彼の場合は、野球がうまくなりたい、ということが人生の目標で楽しいことだから、それに向かう時間は、何一つ苦労ではなかったかもしれない。。。

でも、これは野球選手に限る話ではないと思います。
仕事はお金を稼ぐためだけのものではないのですが、すっかり頭の中には、「みんなと同じように就職して、そしてできれば社員になって、安心して働ける環境がそろったところには入れればいい」という目標になっています。

あるCMで「好きなことは仕事にしたくね~んだよ」と言ってました。
思わずドキっとしたのですが、そういう風に思わせてしまった社会は反省すべきです。

働くことは、社会を作る担い手の一人になること。
地域や日本、世界そして地球で生きる私たちが、それぞれが蓄積してきた能力やや思いを活かして、私たちが生活するこの社会をより良くしていくための活動だという根本的なことを忘れていると思うのです。

より良くすることがテーマですから、どんなにお金を稼げるとしても犯罪はNGなわけです。誰かを脅したり、奪ったり、だましたりすることはダメなのです。この根本がきちんと若者に通じていないように思うのが、オレオレ詐欺や闇バイト。
やっていいこととやってはいけないことの垣根が、どんどん低くなっているな、と感じています。
当たり前すぎて言わなくなってしまったことも、やはり言わないと通じないことが多いのです。

私は新入社員研修のときに「働く義務と権利」の話を必ず入れます。
本当に当たり前すぎて笑っちゃうようなことも話します。「遅刻をしてはいけない理由」など。でも新人君たちは、まじめにメモを取るんです。まあ、新入社員だから、真面目なふりをしないといけない、と思ってるんだろうなあ、と理解していたのですが、この研修をした年代としなかった年代、明らかに職場でのパフォーマンスと離職率に違いが出たのです。

「仕事をする意味」「あなたがやる意味」を本人が納得して前に進めるような教育は、社会全体の課題です。

大谷さんが、1秒でいくら稼ぐか、の背景には、どれだけの知恵と時間と思いを実行してきた結果なのか、ここは省略しないで言語化すべきだと強く思うところです。


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