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新入社員研修が離職率に影響する理由

企業でメンタルヘルス教育をしていても、なかなか若手社員は早めに声を上げにくい状況が変わらなかったので、新入社員研修の中で 半日お時間をいただき、研修を実施。

研修内容は「働く義務と権利」

改めて社会人になったあかつきに手に入る「権利」を明確にし、それと共に自動発生する「義務」もきちんと認識してもらいつつ、これからの社会人人生の目的や 自分のなりたい姿を想像してもらうワークをふんだんに入れた研修としました。

特に「社会人としての義務」の中に 自分の健康を保持増進することは 個人の自由ではなく社会人としての義務であることは、意外と長年社会人をしている人でも知らない人が多いようなので。

会社で毎年行っている定期健診は 100%福利厚生ではないのですよ。
勿論 福利厚生の一環はありますが、法律なのです。

事業者は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して、医師による健康診断を実施しなければ. なりません。また、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければなりません・・・ と記載されています。

違反した場合、事業者側には罰則もあるのです。(社員にはありませんが)

ですから入社したときのフレッシュな頭の中にこのルールをしっかり理解してもらうことで 健康でいる重要度が一段アップするわけです。

長期に渡って働くためには 元気な体と心が必須になると思いませんか? ですから どんなに仕事の能力が高くても それを実行するための体力や気力がなければ やりたくでもできません。と、なると やはり仕事のベースに「健康」は不可欠だということです。

研修に自分の考えを自由に発言できるワークを入れることは同期と理解しあうコミュニケーションにもなりますし、カウンセラーの私とのコミュニケーションにもなります。

これからの社会人人生、私生活で困ったことが発生したときに、気軽に相談してもらえれば 大きな問題になる前に解決できたり、メンタル不調にも気づいてあげられることが可能になるわけです。

そしてなんと! この「働く義務と権利」の講座を入れた年代と入れなかった年代は 3年後の離職率に大きな変化がでたのでした!!

理由は簡単です。

双方向の信頼関係が築けたからです。健康管理が義務である、という知識も大事ですが、それ以上に 「困ったらこの人に相談してみよう」と 気軽に声をかけられる人が会社にいる、という安心感があるかどうかです。 

同じ部署の先輩だったら なおいいでしょうね。
でも別の部署だからこそ 話せることもあります。
彼らの所属部門から離れているおかげで 仕事の辛さや上司の愚痴など 些細な事でも話してもらいやすいこともあります。

コロナ禍で今の若者は 人とのかかわりがなくなっていることにストレスを感じている人が急激に増えました。 リモートであっても 関係性を作ることは問題なくできるものです。

日常的にそんな関係性を意識して仕事をしていることで 突然退職する社員が減った、というわけです。

普段の仕事も同じですが、企業研修というものは 知識の向上だけでなく、生き方にも大きな影響を与えます。
1回の研修で学べることもあれば、大抵は席に戻れば忘れてしまうものです。研修を実施する側は 研修を受ける側のことを理解し、継続性を考えて研修を企画する必要があります。効果を出す研修には「目的感」と「効果予測」が重要です。

そして すべての研修が 社員のエンゲージメントの向上につながるものでなければならない、ということも重要なポイントです。



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