なぜ、仕事に情熱が持てないかを徹底的にロジカルに考えてみた
『仕事に情熱を燃やす人を1人でも多く生み出す』
そんな途方もない想いを気付けば15年。
そんなシンプルなことをひたすら追求しながら、研修、採用、コンサルティングを事業としてやってきました。
2007年に創業した時から、「一人でも多くの人が、仕事に情熱を燃やせる世の中にしたい!
その結果、企業の業績や従業員満足度が上がり、今より元気で幸せな日本にしたい!」という想いは全く変わっていません。
今回は、そんな”情熱”について10年以上に渡り追求し続けた私たちから、現在のビジネスパーソンに考えていだきたいことについてお伝えします。
それは、どうして世の中に仕事に情熱を燃やすことができない人がこんなに多いのか。そして、それをどうしたら解決できるのかです。
■『仕事に情熱を燃やす』と起こることとは
“情熱”という言葉の定義について、辞書においては【ある物事に向かって気持ちが燃え立つこと。また、その気持ち】とありますが、我々が考える“情熱”は、
【自ら目的・意義を見出し、諦めずに挑戦し続けること】を指しています。
我々が追求し続けている『仕事に情熱を燃やす』ということは、本人目線でも、お客様(クライアント)目線でも、企業目線でも、単純に素晴らしいことであることは明確だと思っています。例えば以下の通りです。
●本人目線
無気力で感じが悪い、いい加減な状態ではなく、仕事に情熱を燃やし、トライ&エラーを繰り返しながら成長し、成果を上げると、役職が上がっていき、自他共に承認を得ることができます。
また、採用面接の時点で考えても、「仕事に対して情熱を持って頑張ります」と「仕事に情熱は燃やしません」だと、どちらが採用されやすいか?を考えたら、一目瞭然だと思います。
それから、お給料が上がって生活が裕福になることで、喜んでくれる家族も多いと思います。お客様の期待に応えることで感謝され、やりがいを感じることもできます。
そもそも、もっともシンプルな理由として、「無気力にいやいや働くよりもどうせ働くなら前向きに情熱を持って働く方が自分にとって良い」 というのは、皆の意思ではないでしょうか?
●お客様(クライアント)目線
無気力で感じが悪く、いい加減な人間よりも、仕事に情熱を燃やしている人からサービス・商品を提供してもらった方が、気分が良く、幸せになることができます。
病院・飲食店・ブライダル・インターネット広告・人材派遣・自動車メーカー・ITエンジニア・不動産・経営コンサル等々、扱っている商品やサービスは違えど、そこは変わりません。
●企業目線
社員一人ひとりが仕事に情熱を燃やすことで成果が上がり、離職が減り、企業が潤うと、社員に成長・やりがい・お金といったものを手に入れてもらうことができ、幸福度が高められます。
また、お客様や世の中への貢献量を増やすことができることで、企業価値が高まっていきます。
つまり、“無気力で感じが悪くいい加減な状態”よりも、“仕事に情熱を燃やしている”状態の方が、全てにおいて幸せが増えることは間違いないのです。日本が抱える大きな問題である、定着率(離職防止)や生産性向上にも、プラスに働くことは誰も疑わないと思います。
しかし、仕事に情熱を燃やさない、燃やすことができない状況が多いのも、今の日本ではないでしょうか。
■現状は『仕事に情熱を燃やす』ことができない状況が多い
仕事が原因の精神疾患が増え続けています(下のグラフ参照)。
働き方改革が叫ばれ、2000年に比べて年間100時間以上労働時間が減っているのにもかかわらずです(下の表参照)。
なぜかについては後述しますが、仕事に対する精神的な負荷の感じ方が変化し、苦しい状態になる人が増え続けているということです。
人間の心は人によって様々な感じ方をするものであり、同じ8時間働くでも、各人の心によって感じる負荷は大きく変わります。
引用:仕事が原因のうつ病が増加傾向 自殺の9割以上は男性|NIKKEI STYLE
引用:一人当たり平均年間総実労働時間|労働政策研究・研修機構(JILPT)
また、モチベーションもエンゲージメントも日本は低いままです。
引用:モチベーションの本質を探る|人材紹介、人材派遣なら – アデコ株式会社
引用:2008年11月18日 IT人材のプロフェッショナル意識調査2008|NTTデータ経営研究所
さらに、生産性についてもグローバルで見ると低いままです。
引用:日本の労働生産性の動向2016年版|公益財団法人日本生産性本部
■『仕事に情熱を燃やす』ことができない要因とは
我々は、この仕事に情熱を燃やすことができない要因について、大きく2つあると考えています。
1つ目は、時代・環境要因。2つ目が、ビジネスの根本的原理原則です。
【1】時代・環境要因
経済学者の世界的権威、ピータードラッカーはこう記しています。
「人類史上初めて、自分自身をマネジメントしなければいけない時代が来た。しかし人類はその状況に全く対応の準備ができていない。」
これはどういうことかというと、「なぜ、働くのか?」という問いに対する答えが、
「生きるため」(狩猟・農耕時代)と、「より豊かに生きるため」(産業工業・知識情報時代)
のように自然に用意されていた時代から、用意されない時代になった、ということです。
必死に働かなくても豊かに生きることが可能な部分が増えたため、「なぜ、働くのか?」に対する答えが見えなくなってしまったのです。
豊かになったこと自体は喜ばしいことですが、仕事が“必死にならなくてもいいこと”になったことで、それをすることに対する精神的な負荷の感じ方も合わせて増幅してしまいました。
それに対応するために、「なぜ、働くのか?」の答えを自分で描き、決定し、頑張る理由・成長する理由・情熱を燃やす理由をセルフマネジメントしなければいけない時代になっているのですが、ドラッカーが言うように、我々はまだ、それに対応しきれていません。
企業側も、「なぜこの事業をやっているのか」「個人は、なぜ仕事しているのか」「なぜこの事業に携わっているのか」「なぜこの職についているのか」の答えを、「生きるため」「より豊かに生きるため」では埋められなくなっています。
人間の情熱の源になるwhyに対して、becauseが見当たらないのです。
「えっ、別に一生懸命仕事しなくても、豊かに幸せに生きられますけど、、、」と考える人が多いという現実は今の日本に確実に存在し、かつ大きくなり続けているのです。
【2】ビジネスの根本的原理原則
『仕事の評価は相手が決める』という、仕事における絶対的なルールがあります。
どの業界・業種でも、サービスを依頼する・しない、商品を購入する・しない、満足する・しない、リピートする・しない等は、全て相手が決めるので、自分(企業)ではコントロールしきれないものです。
自分がどんなにおいしいコーヒーだと思っていようと、どんなに素晴らしい雰囲気の店内だと思っていようと、相手(お客様)が評価を決めるのです。
自分がどんなに良い料金体系だと思っていようと、素晴らしいサービスだと思っていようと、相手(クライアント企業)が評価を決めるのです。
つまり、仕事というのは、自分の思い通りにいかないことが圧倒的に多いものなのです。
・頑張って企画書を書いてプレゼンしても他社に負ける。
・どんなに笑顔で感じ良く販売対応をしてもリピートしてもらえない。
・人事評価でどれだけ上司の期待に応えても思ったより高好評にならない。
・新卒採用活動のために超多忙な社長と食事の機会を設けても、学生が他社にいってしまう。
このようなことは日常茶飯事で、例を挙げればキリがありませんが、
この、“自分の思い通りにいかない”ということに、情熱を奪われることが多々あるのが人間です。
『仕事の評価は相手が決める』という至極単純なルールを頭では分かっていながら、「もうダメだ、、、」と無気力になり、「どうせ頑張ったって、、、」と考え感じが悪くなり、「意味ないし、、、」といい加減になってしまうのです。
■日本のビジネスパーソンが今こそ身につけるべきもの
以上の要因から、仕事への情熱を燃やすことができず苦しい状態にあるビジネスパーソンが増え続けています。
そこで我々が考える解決策が下記の3つです。
【1】whyをマネジメントする『purpose&mission』
【2】行動の量をマネジメントする『6つのエモーショナルマネジメント』
【3】行動の質をマネジメントする『G-PDCAサイクル』
【1】whyをマネジメントする『purpose&mission』
「なぜ、仕事に情熱を燃やすのか?」に対する「なぜなら」が見当たらない中で自ら目的・意義を見出せるようになるには、まず個人と組織それぞれの“情熱を燃やす目的”を考える必要があります。
●個人の目的
・家族を守り、幸せにする。
・休みに大好きな旅行に行く。
・地位や名誉を得る。
・好きなメンバーと一緒に目標を追いかける。 等
●組織の目的
・情報革命で世の中の人々を幸せにし、従業員の物心両面の幸福を追求する。
・クライアントの営業課題をインターネット広告で解決する。
・ファッションを通して、人々の自信を増やすお手伝いをする。
・心地よい住環境を提供する。 等
そしてそのそれぞれの“情熱を燃やす目的”がリンクするかどうかが、情熱を開発する上での分かれ道となります。
当然、個人と組織の目的がリンクすると情熱は開発され、リンクできないと逆の結果ということに、、、
ですので、組織(企業)としては組織の目的を個人に打ち出していく必要がありますし、共感してもらう努力をしなければいけません。
そして個人は、まず自分の目的をはっきりさせた上で、会社の目的とリンクさせていく努力をするということが大切です。
また、どちらか片方だけが努力できていればいいというわけではありません。
あくまで組織と個人の掛け算で決まるものなので、両方が揃わないと情熱の開発にはつながらないのです。
情熱マネジメント®では、この個人と組織の目的(purpose&mission)をCCSBの切り口から描き、リンクさせていくことで情熱を開発していきます。
《CCSB》
Company(会社):共感(ミッション・ビジョン・バリュー)、評価(自己重要感、公平性)
Co-worker(仲間):信頼(一緒に働く全メンバー)、尊敬(特に上司)
Service・Product(サービス・商品):好感、矜持
Business(業務内容):成長(自己成長感)、意義
【2】行動の量をマネジメントする『6つのエモーショナルマネジメント』
仕事への情熱を燃やせるようになるためには、“自分の思い通りにいかない”というビジネスの原理原則に情熱を奪われず、行動の量を増やし、維持することが必要です。
そのため情熱マネジメント®では、『6つのエモーショナルマネジメント』という思考法を用いて、仕事の捉え方を変換することで行動量を増やすアプローチをおこないます。
《6つのエモーショナルマネジメント》
①限界突破思考:どうすればできるのか?と可能性を見出す思考。
「無理・できない」理由よりも、「どうすればできるのか」を考えた方が、行動が増える。行動の質を高めるには、まず行動量を増やすことが絶対に必要。
②主体的思考:相手の期待を満たす(超える)べく、自分から行動(報連相しながら)しようとする思考。
「言われないからやらない・言われたことだけやる」よりも、「自分から行動しよう」
と考えた方が、行動が増える。行動の質を高めるには、まず行動量を増やすことが絶対に必要。
③自己責任思考:条件や環境のせいにせず、自分がやるべきことを見出す思考。
「自分のせいではない」よりも、「自分には何ができるのか」を考えた方が、行動が増える。行動の質を高めるには、まず行動量を増やすことが絶対に必要。
④ポジティブ管理思考:問題に対して、肯定的部分にフォーカスする思考。
行動して○のこともあるが×のこともある。×=問題を「最悪だ」と否定的に
考えるよりも、「成長の糧だ」というように肯定的に考えた方が、行動量を維持できる(減らない)。
⑤モチベーション管理思考:目的・目標を見出し、モチベーションを維持し、高める思考。
変えられない“他人・環境・過去”よりも、変えやすい“自分・未来”に
フォーカスしてモチベーションを維持した方が、行動量を維持できる(減らない)。
⑥感謝思考:当たり前の基準を下げ、有り難いと感じる思考。
「してもらって当たり前」よりも、「してもらえるのは当たり前ではない」と考えた方が、感謝の気持ちが増える。また、それによって上記の5つを強化できる。
【3】行動の質をマネジメントする『G-PDCAサイクル』
そして、『6つのエモーショナルマネジメント』により増えた行動の“量”を“質”に変換し、成果や生産性の向上につなげていくためには、『G-PDCAサイクル』という改善サイクルを用います。
これは、以下のように、トライ&エラーで経験値をためることで、成長につなげることができる手法です。
《G-PDCAサイクル》
Goal(目標)
Plan(計画)
Do(実行)
Check(振り返り)
Act(改善)
■原因を知り解決策を得ることで、仕事に情熱を持てる状態へ
様々な要因から、仕事に情熱を燃やすことができないのが現状ですが、このままの状態を続けていてもマイナスの働きしか生み出されません。
仕事に情熱を燃やしている状態の方が、素敵で、魅力的で、幸せが増えることは間違いないのです。
そして、仕事に情熱を持てる状態とは環境が作ってくれるわけではなく、自分自身の考え方とスキルを身につけることで変えていくことができるのです。
我々は、それを研修や組織コンサルティングとして提供するのはもちろんのこと、1人でも多くの人にまず気づいてもらい、そして変化しようという機会を与えていきたいと思います。
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