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自分と向き合う站椿功

体の内と外を鍛える『站樁功』についてを検証してみます。


站樁功は中国武術の基本的な鍛錬法のひとつとで、
武術家が瞬時に動ける強力な上腿・下腿・脚の部位を創りあげるための訓練方法です。その目的は健康維持、敵から自分の身を護るところにあります。


『太極拳で最も重要な基本は站椿功である』『100練よりも一つの站樁功』とかいわれ、武術気功に欠かせない站樁功です。


『三円式站樁功』の動作
全身、各部が球体を抱えているような姿。

呼吸を整えたり気を丹田に落としたりしながら内気を養う。          呼吸法と意思活動(意念)を行い、激しい運動をともなわない『静』の状態で身体内の修練を行うことを静中求動といいます。

『静』によって精神と内気を養う・・・
筋肉による力に対して、意識による力で中枢神経や内臓を活性化させる。
じつに奥深いです。


さすが中国武術家はなにかがちがう


以前、中国の武術家にお会いする機会があり、「武術型站椿功」について 質問をしていたら、実際に行って見せてくださいました。

この姿勢は私の教科書です

深く腰を落としたまま姿勢を維持(立身中正)
微動だにしない強靭な足腰。

目線は内に、心と気持ちを落ちつかせる(精神放松・形意合一)
心と身体は1つである(心身一如)



武術型站樁功やってみた


武術型の場合、スクワットのようにしゃがんで行うと大腿四頭筋(太もも)が直ぐ疲労してしまうので、仙骨部を真っ直ぐに、もしくは尾骨を大地に突き刺すような感覚でしゃがみます。

脚を広げ、仙骨ー大臀筋(尻)ーハムストリングス(裏もも)に乗せられればなんとか長時間いけそうだということで、大腿部をプルプル震わせながら姿勢を維持。

太ももプルプル 汗ダラダラ

しかし、時間経過とともに前ももの疲労感が増してしまいました。
内気で何とかしなければいけないという焦りと不安がからまわりし始めます。このとき恐怖や不安感がその行為を邪魔するものだと気づく💡

上肢と下肢は別物とし、
上虚→(脳・上肢)頭からっぽ、上半身ゆるゆる
下実→(丹田・下肢)丹田の気の充実、足腰の力強さに全集中

一定の姿勢で立つことによって全身に持続的、静力学的緊張をもたせ、精神を集中しながら無駄な力を抜きリラックスする。頭は色々な雑念がよぎりますが全スルー!すると次第に「虚」の状態へ…
やがて震えも収まっていき下肢の軽さも覚えてきました。



気功を練功するうえで最も重要なことをは焦らない、急がない。
「今」にいること。時間を超越するのが気功のモットーだと痛感。



たとえば・・・筋トレだったら?

科学的に無駄なく効率的に動くことを是とする筋トレ


身体を解剖学的に筋・骨・関節・としてとらえる視点が西洋思想。
トレーニングの基本的な目的は、増やしていくこと(肥大・筋力アップ)。自身の目に見えるさまざまな面でのレベルアップを目指していきます。


レッグプレスマシンで下肢の筋トレ

ボードに足を踏ん張るような動作で、股関節の曲げたり伸ばしたりを繰り返します。重い負荷をかけられ、下半身の筋力アップに最適です。

屈曲

「屈曲・外転・外旋」膝、股関節を曲げると、脚が外側に開いていき、
「円とう」の状態になってます。(膝つま先が同じ方向に向き、股下を丸く保つ)

伸展


負荷をかけるバーベルスクワット

太腿(太もも周り)、お尻、ふくらはぎの筋肉、姿勢維持のために欠かせない背筋群、腹筋群、腸腰筋などに刺激が入りトレーニングされていきます。

フルスクワットで行います

しゃがむ動作の筋・骨・関節の動きが決まっており、専門用語で「屈曲・外転・外旋」と言います。

立ち上がる動作が、「伸展・内転・内旋」屈んだ状態から伸び上がると、太ももの骨が内側に回りながら、中心に戻る要は一番最初の立っている状態に戻るということです。


自重フルスクワット

フルスクワットは、スクワットの中で最も腰を深く落とすトレーニング
負荷が大きいため、下半身を効果的に鍛えられます。

筋肉は曲げる・伸ばす、開く・閉じるなど、連続稼働させることによって
血行を促進。複数の筋肉群が同時に使われるため、より効果的に全身が鍛えられます。

深く腰を落とすフルスクワット

短時間で効率的よく回数や重りを増やしたり、関節を動かし続けることが運動だとすると、その場でずっと止まっている站樁功は、非合理的とみなされます。それは時間がかかり過ぎるのと、筋肉を同じ位置で定しているため。


筋トレ & 站樁功 どちらもカラダを丈夫にします


長い時間をかけての状態で行なう站樁功は『静』の身体内修練(内気功)となるので科学的トレーニングとまさに正反対。しかし共通点があります。
それは呼吸法。正しい呼吸を意識しながら正しい動作を行うこと💡

『西洋式筋トレ』と中国武術気功に基づいた『鍛錬法』
どちらも呼吸系、神経系と循環系の機能を改善することに役立ち、細胞免疫の機能強化と老化を防ぐ能力、そしてどちらも下肢の力、関節の柔軟性と平衡能力を高めることが証明されています。

八ヶ岳 トレイルランニング 

東西の理論を融合させたエクササイズで体力的な要素と気力的な要素の調整を同時に行うこと。私たちゲンジヤウが追求しているコンデショニングです。




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