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【本の紹介】寺山修司『ロング・グッドバイ 寺山修司詩歌選』(講談社文芸文庫)

□難度【★★★☆☆】
詩歌なので、難度という点はなかなかに明示しにくい…が、「考えるな、感じろ!」の精神こそがテラヤマを読む際の推奨スタイルだ(と勝手に思っている)。詩の中の、短歌の中の、ひとフレーズ、一単語に、言語化不可能なおののきを味わいたい。

□内容、感想など
僕ごときがくだくだ雑文を弄するまでもない。テラヤマの作品の中で僕が最も好きな以下の詩句を引用しておく。ここに何かを感じた人は、テラヤマを読み漁ることをオススメします。

昭和十年十二月十日に
ぼくは不完全な死体として生まれ
何十年かかゝって
完全な死体となるのである

遺稿「懐かしのわが家」より一部抜粋

□こんな人にオススメ
・日常にリアリティを感じられない人。
・やっぱり書を捨てて町に出るより書を読みたい人。
・言葉だけが表すことのできる世界を感じたい人。
・カミソリのような表現に、ひりしりした精神の痛みを感じたい人。



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