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新規事業や事業リニューアルで「あると便利!」 "デザインまわり"のツール5選

こんにちは。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房です。
月1回、デザインについてのアレコレを、ビギナーさんにも分かりやすく解説したコラムを書いていますので、良かったら最後まで楽しんでいってくださいね。




やっと暑い暑い夏が終わり、過ごしやすい季節になりましたね!
とは言いつつ、急激に冬がやってきそうな気もしますが…(笑)

さて、この記事をご覧になっている方の中には、新規事業の立ち上げや、事業をリニューアル・事業承継や、規模拡大のために新たなスタートをきろう!としている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に、デザインのお仕事をしていると、新しく何かを始める方からのご相談をたくさんいただきます。
新しいことを始めるときには、考えなくてはいけない・やらなければならないことがたくさんありすぎて、"デザインまわり"のことまで手が回らない!なんてこともありますよね。

そこで今回は、そんなお悩みを解決するべく、デザイナーが考える「事業をサポートしてくれる"デザインまわり"のツール」を重要度順に5つご紹介したいと思います!
あなたの事業にはどのツールが必要か、じっくり比較検討してみてくださいね。

"デザインまわり"のツールって、どんなものがあるの?

"デザイン"と言っても、広義にも狭義にも多種多様なデザインが存在しています。
建築デザイン、ファッションデザイン、工業デザイン、インテリアデザイン、プロダクトデザイン、などなど…。

今回ご紹介する"デザイン"は商業デザインと呼ばれる「商業分野に関わるデザイン」で、モノやサービスを売ったり買ったり、お金を介して行う事業活動全般に活用できるデザインです。

私がデザイナーとして日々お客さまに提供している商業デザインは、ロゴや画像などのデジタルのものや、名刺・パンフレット・パッケージなどの印刷物、のぼり旗・横断幕・ノベルティといった販促グッズ、デザインや宣伝に必要な写真撮影などです。
よく、「どんなものが作れますか?」と聞かれるんですが、書ききれないほどたくさんのものを作ることができるので、最近は名刺に「よくご依頼のあるツール」の例を載せています。

それはさておき、無数に作れる"デザインまわり"のツールの中でも、特に「あると便利」もしくは「これは必要」と感じる5つのツールを、それぞれまとめてみました。


1.ロゴ

取引先が固定されてる、もしくは自分で営業を行わなくて良い事業を除いて、ロゴは最も重要度の高いツールです。

「小さい事業は、大企業みたいにロゴで認知されることなんてほとんどないんじゃない?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、事業規模と認知度は比例する場合が多いですが、私は「小さい事業にこそロゴが必要」だと考えています。
その理由は、①事業内容を視覚的に伝えることができる②事業に対する愛着や誇りを強くもつことができる③事業を覚えてもらいやすくなるからです。

①事業内容を視覚的に伝えることができる
いろんなロゴを観察してみると、それぞれの事業コンセプトや想い、ターゲットが反映されていることが分かると思います。
例えば、AとBのロゴを比べてみてください。

同じ文字なのに、AとBとでは別の事業を表しているように見えませんか?

文字は同じ「Business Logo」と書いてありますが、それぞれ受ける印象が違っていますよね。Aはどちらかというと女性的で柔らかい印象、Bは男性的で力強い印象です。
この2つは私がコラム用にサンプルとして作ったものですが、Aは「女性が笑顔になる事業」、Bは「開発系の事業」をイメージして制作しました。
このように、ロゴは「事業の顔」として取引先やお客さまの視覚に訴えかけるツールになるわけです。

②事業に対する愛着や誇りを強くもつことができる
大昔から、屋号や家紋などのシンボルマークは、連帯感や責任感、誇りを抱かせる役割を担ってきました。
時代が変わってもその役割は変わらず、事業主にも、事業のファンとなってくれるお客さまにも、その事業に愛着を持ってもらうことができるのです。

③事業を覚えてもらいやすくなる
図やイラストは、文字だけの情報に比べて記憶にとどまりやすいと言われています。
新規事業は特に、多くの人に知ってもらうこと・覚えてもらうことが重要なので、ロゴを使うことで覚えてもらえる確率が少しでも上がるなら、ロゴがあるに越したことはありません!


使用できる場面

  • SNSのアイコン

  • 名刺やショップカード

  • パンフレット

  • 商品パッケージ

  • ノベルティ

  • ユニフォーム など

ロゴを作っておくと、使える場面がこんなにたくさんあるんです。
最近はSNSでの情報発信も大切な事業PRなので、ロゴをアイコンにしておくと、フォロワーに「あの事業/会社の新しい投稿だ!」と気付いてもらうことができますよ!

注意点

良いことづくめの「ロゴ」ですが、注意点もあります。
①使うシーンを考えて形を決める必要があることと、②作って終わりでなく、積極的に使って育てていく必要があること。

①使うシーンを考えて形を決める必要がある
正方形(真円)、横長、縦長など、ロゴにはいろいろな形があります。
SNSなどのアイコンとして使うときには真円を意識した構成のロゴが良いでしょうし、横長・縦長でないと使いにくい場面もあると思います。
今後の事業展開をよく考えてから、マークだけ・文字だけ・マークと文字一体型・マークと文字分解して使えるものなど、どんな形のロゴを作るか決めましょう。
困ったときには、デザイン会社やデザイナーに相談してみるのも1つの方法です。

②作って終わりでなく、積極的に使って育てていく必要がある
かなり重要なポイントなのに見逃されがちなのが、「ロゴは育てる必要がある」ということ。
どんなデザインにも言えることではありますが、ロゴは特に、「作ることがゴール」になってしまうと真の力を発揮できません!
そして、数か月や1年などの短いスパンでロゴのリニューアルを繰り返してしまうと、これまた真の力を発揮できなくなってしまうんです!
ロゴをどんどん外に出してたくさんの人に知ってもらいながら、事業と一緒にロゴも育てていきましょう。そうすることで、時間をかけて少しずつ認知してもらい、事業のファンを増やしていくことができます。


2.名刺・ショップカード

名刺やショップカードは、ロゴと同じくらい重要なツールです。
事業をやっていると、名刺交換を求められる場面はかなり多いですし、こちらから名刺をお渡ししたいとご挨拶する場面も少なくありません。
ショップカードは「お店の名刺」とも言える、お客さまや取引先、同業者とのコミュニケーションツールです。
ロゴ・名前・所在地・連絡先・顔写真などのほか、SNSのアカウントや二次元バーコードを載せておくことで、連絡が取りやすくなり、事業に大きく貢献してくれる、頼れるツールです。


使用できる場面

  • お客さまや取引先との名刺交換

  • レジや商品の近く、来客スペースなどに置いておく

  • パンフレットや商品に添える など

注意点

名刺・ショップカードを作るときのポイントは、情報を厳選することです。
一般的な名刺のサイズは、55×91mm。
この中にギュウギュウに情報を詰め込んでしまうと、とんでもなく見づらい名刺になってしまいます…!
「アレもコレも」と詰め込まず、絶対に必要な情報・これは入れたい!という情報だけに厳選して、受け取る人が窮屈さに圧倒されないように気を付けましょう



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3.パンフレット

事業や商品の内容を口頭だけで説明するのは、なかなかに至難の業。
実は、説明する側だけでなく、聞く側にも大きな負担となります。
そこで活躍するのが、パンフレットです!

パンフレットがあれば、その場で見せながら説明することもできますし、持ち帰ってもらい後でじっくり見てもらったり、相手が会社であれば社内で回覧してもらったりすることができます。

そして、パンフレットを作るもうひとつの利点は、渡す相手に「この人/会社は、事業や商品を大切にしている」と感じてもらえる点です。
もちろん、事業や商品を大切にしていない事業主はいません!それは重々分かっているのですが、残念ながら相手がどう感じるかは未知数なのです…。
実際に、お客さまから「作ってもらったパンフレットを商談で見せたら『これは本気ですね、気合入ってますね!』と言われて上手くいったよ!」とか「パンフレットを渡すと、バイヤーの食いつきが今までと全然違う!」と報告していただくことがあります。
小さな事業だと特に、「なるべく出費を抑えたい」という観点から、デザイン会社やデザイナーなどデザインのプロに制作依頼をするのは気が引ける…という方も多いと思います。
確かに費用は発生しますが、パンフレットのサイズやページ数、印刷部数によって、価格は大きく変わってきます。デザイナーたちは、伝えることに関するプロです。A5やA4などの1枚ものなら比較的安価に制作できる場合も多いので、ぜひ一度相談してみてくださいね。


使用できる場面

  • 名刺交換や商談

  • 商品と一緒に渡す

  • レジや商品の近く、来客スペースなどに置いておく など

注意点

①渡す相手が「知りたい」と思っている情報を厳選して載せることと、②自身や配布先にとってベストなサイズを考えることが大切です。
①は、名刺・ショップカードの繰り返しになってしまうので割愛するとして、②自身や配布先にとってベストなサイズを考えるとはどういうことかというと、例えば商品の近くにパンフレットを置いておきたい場合、A4サイズの数十ページあるパンフレットを置くのは無理がありますよね。逆に、会社案内などある程度"硬い内容"のパンフレットであれば、10cm角の正方形1枚ものでは目的に合っていません。
大きすぎると困る場面、小さすぎると困る場面はそれぞれありますので、目的に合ったベストなサイズを選ぶことがポイントです!



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4.宣材写真

案外重要視されていないけれど、実はあると便利なのが宣材写真です。
写真は、たくさんの情報をしっかりと届けてくれる大切なツールです。
デザインの世界では、写真の良し悪しがデザインのクオリティを大きく左右すると言われているほど、重要な要素でもあります。

以前にもコラムで書いたような気がしますが、ここでひとつ例え話をしましょう。
AさんとBさん、2人のお見合い候補がいるとします。Aさんの写真は、フォーマルな服装で、髪型や立ち姿などにも気を使っていて、写真館でプロのカメラマンが撮影したものです。Bさんの写真は、「素の自分を見てほしい!」という気持ちから、普段着で髪もボサボサ、極めつけには写真が暗くて顔が不鮮明、どうやらスマホの自撮り写真のようです。さて、あなたはAさんとBさん、どちらとお見合いをしたいですか?

…ちょっと極端な例かもしれませんが、要するに「あなたに見てもらうため、ちゃんと準備しました!」ということが分かる写真は、良い印象を持たれやすいということなんです。
プロのカメラマンでなくても、Bさんが少しオシャレをして自然な笑顔でいるところを写真の上手な友達に撮ってもらったら、与える印象は最初の写真よりずっと良くなるはず。
「偽装しましょう」ということではなく、見てもらうことを意識した写真を撮ることが大切だ、ということですね!


使用できる場面

  • パンフレット

  • SNSの投稿

  • ホームページやブログなどのWEB媒体

  • メニュー表

  • メディアからの取材時 など

注意点

注意、というほどではないですが、宣材写真を用意するときのポイントは2つ。①自分で撮るのは難しいと感じたらプロに相談することと、②今後自分で撮っていきたいと思ったら、デジタル一眼やミラーレス一眼の購入をおすすめしますという点です。
①は、自分で撮る時間がない場合や、何だか思ったように撮れない場合、スマホでの撮影に限界がある場合には、ぜひプロのカメラマンに相談することをおすすめします。餅は餅屋、やっぱりプロカメラマンの写真は「撮ってもらって良かった!」と感じるほどの力があります!
そして②、ある程度自分で納得のいく写真が撮れる場合や、写真を人から褒められることが多い方の場合は、デジタル一眼やミラーレス一眼を購入することで、写真の幅がものすごく広がるのでおすすめです!
(ちょっとマニアックな話になりますが)スマホとデジタル一眼やミラーレス一眼のイメージセンサーサイズはかなり差があるので、デジタル一眼やミラーレス一眼だとよりキレイな写真を撮ることができます。センサーサイズについて詳しく知りたい方は、Sony|カメラ基礎知識「カメラのイメージセンサーサイズの違いとは」を読んでみてくださいね!



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5.ホームページ

ここまでご紹介してきたツールの中で、一番重要度が低いのはホームページです。(あくまで、この5つの中では重要度が低いというだけですよ!もちろん、ないよりある方がいいんですが…)
なぜホームページがこの位置なのか、納得いかない方もいらっしゃるでしょう…。
業種や事業規模によって、ホームページが絶対に必要な場合もありますが、小さな事業やひとり親方の個人事業主にとっては最重要なものではないと私は考えています。
今はSNSやGoogleマップ(Googleビジネスプロフィール)など無料で使えて多くの人が見ている情報発信ツールが充実していますので、まずはSNS等で情報発信をしながら、「やっぱり必要だなぁ…」と感じたらホームページを作る、という順番でもいいかもしれません。
または、自分でホームページを作れるサービスもいろいろありますので、まずは無料のものから挑戦してみるのもいいかもしれませんね!


使用できる場面

  • SNSやGoogleマップのリンクから

  • 名刺やパンフレット、メールの署名欄から

  • オンラインショップやオンラインビジネス など

注意点

ホームページを作るときには、①ロゴやパンフレットと同じで、「作ったら勝手に見てもらえるというわけではない」と知っておくことと、②サーバーやドメイン、サービスの契約料、保守についてなどある程度は知識をつけておく、この2点に注意したいところです。
①は「自然に検索されて見てもらえるだろうと思っていたら、全然見てもらえない!たくさんお金をかけたのに!」となってしまわないために知っておきたい部分です。この題材だけでコラムが1本書けるほど込み入った内容になってしまうので、気になる方は「ホームページ 集客方法」などのワードで検索してみてください。
②は、費用やホームページのシステムまわりについて、発注する側もある程度知っておいた方がトラブルになりにくいという話です。慣れていない方にとってはちょっと複雑で苦手に感じてしまうかもしれない部分ですが、ちゃんとしたホームページ制作会社でしたら疑問や質問にしっかり答えてくれますので、ひとりで悩まずに相談してみてくださいね!


まとめ

デザイナー視点で、事業をサポートしてくれる"デザインまわり"のツールを5つご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。

理想は5つ全部にお金をかけてデザインまわりを作ってしまえたらいいのですが、始めたばかりの事業や小さな事業にとってなかなか難しい部分ですよね。
必要なタイミングを見極めながら少しずつクリアしていくことで、あなたの事業はきっと良い方向に向かって行くはずです!

悩める事業者さんにとって、なにか少しでもヒントになっていれば幸いです。

それでは、次回もお楽しみに!




徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房

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