おれは怒る人が好きなのかもしれない
8年前、おばあちゃんが死んだ。
おばあちゃんは、おれの父親のお母さん。
感情の起伏があり、怒るときはすごく怒る人だった。
おばあちゃんは母親と、おれの姉に嫌われていた。
母親はおばあちゃんを憎んでいたし、姉も同じだった。
母親と姉はことあるごとにおれにおばあちゃんの悪口を吹き込んできた。
彼女たちの言いたいことはわかっていた。
「あなたもおばあちゃんを憎みなさい」
おれはそのとき幼い子供だったし、
そんな幼い子供が母親から見捨てられたら生きていけない。
だから表面上は、母親と姉に合わせていたこともあった。
おれがおばあちゃんのことを悪く言うと、2人とも喜んだ。
でもおれは、当時は言葉にできなかったけど、おばあちゃんよりも母と姉のほうがいじわるだと思っていた。
確かにおばあちゃんにも悪いところがあったかもしれない。
感情的に怒るところがあったかもしれない。
それは本当だと思う。
でも、影でコソコソ悪口を言って、本人の知らないところで仲間外れにしようだなんて、おれはそっちのほうが気に入らなかった。
人をコントロールしようとすること。
人に憎しみを植え付けようとすること。
母と姉がやっていたのは、そういうことだ。
人に憎しみを植え付ける。
そして誰かを憎むように仕向ける。
それってどういうことかって言うと、
自分の手を汚さず、人をつかって人を罰するってことだよね。
憎いならてめえが刃物で相手を刺せよ。
なんでおれに刃物を握らせる?
なんでおれに刺させようとする?
自分はいい人の仮面をかぶってさ。
自分は手を汚さずにさ。
おれはそういうヤツが大嫌いなんだよ。
当時はそれを言葉にすることができなかった。
6歳とか7歳だからな。できるわけがない。
いま50歳になってやっと言葉にできた。
人をコントロールすること。
自分でやらずに、人に酷いことをさせること。
いじめじゃんね。
「みんなであいつを無視しようぜ」
「あいつは悪いやつだから」
じゃねーんだよ💢
おまえが誰かを憎むのはおまえの勝手だが、
それにおれを巻き込むなよ。
おまえがばーちゃんを懲らしめたいのなら、
おまえが自分でやれ。おれを使うな。
おれを操るな。おれを利用するな。
少なくとも、ばーちゃんはそんなこと、
一回もしなかったぞ。
なんかさ、会社とかで他人の悪口言ってるヤツってやだよね。
本当にいやだ😢
人を憎んで、
その憎しみを他人にうつす。
風邪をうつすみたいに、他人に感染させる。
人を憎めば、自分が傷つくんだよ。
そんなことさえ知らないから、
人を憎むし、その憎しみを誰かにうつそうとする。
そして他人に、やらせる。
自分は、やらない。
良識人を気取る。
常識人を気取る。
いい人を気取る。
ばかやってんじゃねーぞ。
そんなの6,7歳の子供にだってわかるんだからな。人間なめんなよ💢
誰かのことを、よってたかって悪く言う。
みんなで、ひとりのことを攻撃する。無視する。裁く。
徒党を組んで、害を与える。
おれはそういうことが、生まれたときから大嫌いでした。
人間なんて全員大馬鹿者のクソッタレのこんこんちきなのに、
「わたしはちがいます」
みたいな態度で人を悪く言ってるヤツが、大嫌いだ。
どんなに悪人だと言われる人のことでも、おれは憎みたくない。
世界的に悪人だと言われている人のことでも、おれは憎みたくない。
憎まない。
おれになんかいじわるしてくるヤツは許さないけどな。
そうじゃないなら、やっつけないし、憎まない。
憎んだってこころが汚れるだけだし。
もしも「あいつは嫌なやつだ」ってみんながそう言っているのなら、
おれは出来れば、その嫌なやつのいいところを探して、
おれはそいつのことを嫌いにならないようにしたい。
おれは生まれたときから、
ずっとそんなふうに生きてきました。
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