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出会えたからできたこと。

劇団糸では演出をしてくれて、もうかれこれ12年のお付き合い。
僕が劇団糸の台本を書きあげると並木邸に行き昼食後から12時間もの打ち合わせ!

台本を脚本にしていく作業はいつも二人でギターを抱えながらやりましたね。

ここには、季節感。
ここには、環境音。
ここには、時間。

僕の台本がどんどん脚色されていくのは本当に楽しい作業でした。

いつも冗談ばかり言ってましたが、脚本にする作業では本当に真面目に取り組みましたねー。

お互いアイデアをだしてそれを膨らませ、壊して、また作り直したり・・・。
気が遠くなる作業でもあるけど、公演が終わると「またやりますか〜?」「朝まで作業しちゃう〜?」なんて言って毎年作業してきた。

僕が元々演劇界出身ではないことを「逆に面白い!だからこその発想力だよ!」って受け止めてくれたからこそできた舞台で、否定的な人が多い中一番最初に手を挙げてくれたことに感謝しかない。

遺影写真に手を合わせて想ったこと

僕の言葉に並木さんが季節や、音を演出でつけてくれて、それを僕がさらに劇伴用曲をオリジナルで作り飾り、大好きなキャストが演技をしていく舞台。

この構図はもう二度とない。

並木さんの葬儀で僕は何を思うんだろうと当日まで訳わからない状態だったけど、実際に穏やかな顔をみて、遺影写真に手を合わせて想ったこと・・・。
「今はとにかく実行していく」ことしか見当たらない。

亡くなってから二ヶ月が過ぎて未だ落ち着かない自分の弱さに腹が立ってくるけど、最近は妙な感じで・・・。

亡くなってすぐの時には、アイデアが浮かぶと「あ!並木さんに連絡!」「お!並木さんならなんていうかな?」って思った瞬間涙が流れそうになったけど、今は「あ!並木さんに連絡!」「お!並木さんならなんていうかな?」って思うことは同じなんだけど、その後の感情が「どう思う?俺はこれでいくよ!」って、感じになった・・・今はね・・・・この先はわからない。

今年2022年2月にある賞の発表がある。


もし、もし劇団糸がこれに受賞することができたら一緒に四国まで車で車中泊しながら何日もかけて車で行こうぜ〜なんて言ってた。

受賞は難しいかな〜って僕が言うと「それが芸術だ」なんて救いの言葉もくれたけど、そのあとすぐさま「でも、賞もほしいよね〜」って照れながら言う顔が忘れられないよ。

Photo/Keiichi Kimura 

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