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【怪談和尚】

三木大雲だいうんというお坊さんがいる。京都市下京区にある〈蓮久寺れんきゅうじ〉という日蓮宗のお寺の住職だ。

以前の〈蓮久寺〉は寂れたお寺だったのだが、縁あって三木氏が住職になってからというもの、人が頻繁に出入りする、謂わば流行りのお寺に変貌した。

というのが、この三木住職は、小さい頃から霊的な体験をしてきた人で、お坊さんでありながら〈オバケの話〉をしながら仏法を説くという〈怪談説法〉を始めた結果、人々の耳目が集まったという訳なのである。

同業者の僧侶の中には、それを批判する者も多々あったという中、彼が〈オバケの話〉をするようになったのにはチャンとした理由があった。

蓮久寺に赴任してきた頃である。檀家さんも少なくて、家族にご飯を食べさせることも儘ならない程の貧乏寺を、彼はどうして立て直そうかと色々試行錯誤するのだが、誰も話を聴いてくれる者がいなかったそうである。

そんなある日のことである。近くの公園に暴走族が集まってワイワイやっているところに出くわした三木住職は、思い切って彼等に声を掛けたのであった。

「・・あのぉ~君たち仏様の話を聴きませんか?・・・」

すると彼らから想定通りの返事が返ってくる。

「お坊さんの話なんか聴きとうないわ❗️」

「オバケの話をするけど聴いてみませんか?」

「え?オバケの話?お坊さんが話すオバケの話ならオモロそうやないか、聴く聴く」

三木住職は、色々不思議な体験を持っているお坊さんなのである。〈オバケの話〉をしながら最後は仏教の教えを説くというこの〈怪談説法〉は、こうして生まれたのであった。

当初は、関西テレビの〈怪談グランプリ〉に出演したり、ネットでの〈OKOWA初代王者〉になったりもしたそうだが、YouTubeの〈三木大雲チャンネル「怪談説法】〉がブレイクしたことが決定的に彼を有名にしたようで、現在では北海道から沖縄まで、全国から講演の依頼があるという。

有名になろうとも彼は謙虚であり、子供や幽霊にさえ「・・・されていたんです」などと敬語を使う話ぶりには、語りの上手さも相まって、非常に好感が持てるのである。

「YouTubeから〈銀の盾〉まで頂きました」という彼のチャンネルの過去のナンバーも相当な数に達しているのだが、アーカイブでどの動画を観ても色褪せてはいなくて、聴く人々を優しく感化するのだ。

さて、本当は優しい人相の住職なのだが、イラストが恐そうな顔になってしまったことはお詫びしなければならない。

(引用:以下は三木大雲「怪談説法」の動画のURLです。ご興味ある方はどうぞ・・)

https://youtu.be/kjAaUaB_ang


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