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「つながり」が大事だと人は言う。

人は一人では生きていけないというのは

誰もが知っていることだけれど、

それにしたって今、ニンゲンはつながりすぎじゃないだろうか。

隣の席の同僚がInstagramで数百人のフォロワーがいると笑顔で教えてくれた時、

僕は「フォロー」と「フォロワー」ってどっちがどっちの意味だったっけ?と

すぐには理解できないくらいあほであった。

一昔前には、こんなにたくさんの人が見知らぬ他人とつながることは想像もできないことだったと思う。

それだけニンゲンにとって「孤独」とは耐え難いものだったのかと驚く。


みな、孤独は嫌だと言ってパートナーを探すし、

一人で過ごすのは嫌だと言ってクリスマスを嫌う。

でもニンゲンは生まれてから死ぬまで常に孤独なものだと思うし、

パートナーがいようがいまいが、目の前のイルミネーションはとても綺麗だと僕は思う。


どんなに愛があっても人と人は必ず別れるし、

だからなるべく、大切な人は少ない方がいいと僕は思う。


別れはいつも突然で、ひどくさみしいから。


僕はまだ、たかだか30年程度しか生きていないけれど

それでももう、十分すぎるくらいの人と出会ったと思っているし、


その中に、自分の中では抱えきれないくらい大切な友人達にも出会った。

だからもう、これ以上はいいかなと思う。


大切な人が増えれば、それだけ別れも増えるから。

だからもう、いいかなと。


若いころ、「つながり」が大事だと、人脈づくりや人に気に入られるように努めるよう言われてきたけれど、

僕にはあまり向いていないことが分かった。

つながろうと相手の機嫌を伺えば伺うほど「自分」が死ぬし、

自分をちょっとでも主張しようとすればするほど人を不快にさせることもある。

そのバランスが、僕には死ぬほど難儀らしい。


だから、そうやってうまく生きている人々への妬み嫉みも入っていることは重々承知で、

「つながり」に固執することはもうやめようと思った。


自分が努力してでもつながり続けたい。

そういう人たちとなら、言い争いも意見の不一致も、別れでさえも超えていけるだろう。


そうでなければ、

「またいつかどこかで会いましょう」

そう言って、一生会えないような関係を、死ぬまで続けていきたい。



そろそろイルミネーションが綺麗な季節になる。

僕は、目の前で輝く美しい景色が

誰の目にも同じように、心穏やかにするものであればいいのにと、いつも願う。

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