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?がらくた
2024年5月7日 09:56
隣のクラスの女友達、中野未来(なかの・みく)と話していた田島優吾(たじま・ゆうご)が教室に戻ると、机の引き出しにハートのシールで封のされた手紙が入っていた。ラブレターなど無縁だった彼は、初めての経験に胸を躍らせる。だが、それは嘘の告白で―――当然からかわれた彼は悲しみ、憤って、自分を責めて。これは嘘から始まる恋のお話。この作品はFC2ブログ、小説家になろう、カクヨムに掲載されています。
2024年5月21日 18:20
翌日、俺は鹿山を屋上に呼び出した。宮本さんに訊ねる選択肢もなくはなかったが、疎遠になっていったせいで、それは難しい。だからこそ、当人に訊ねるのが手っ取り早いと考えた。しかし、あいつのことだ。延々と、しらばっくれてもおかしくない。それでも直接聞きださねば、腹の虫が収まりそうになかった。心の奥底で燻っていた憤りや憎しみ、その全てをぶつけないことには。「こんなところに呼び出して何のつもり
2024年5月20日 12:46
あれから数週間後。再び学校に通えるようになった宮本さんは、徐々に変わっていった。陰気だった過去を全く感じさせないほど、彼女は明るくなっていって、すっかりクラスのみんなと打ち解けた。性格が変われば運命が変わるとはよくいったものだ。俺たちの関係性が変化していくのに、そう時間はかからなかった。以前よりも喋る機会がなくなっていき、ここ数日は会話もしていない。普通なら友達として、成長を喜ぶなりし