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327_あなたと私は似ている、ただそれだけだった。

あなたと私は似ている、ただそれだけだった。
あなたとはサークルで出会った。新歓で少し話して、合宿でお互いの過去を話し合った。サークル仲間大勢と飲み会もして、授業もたまに一緒に受けた。

あなたは趣味がたくさんある。カラオケ、カメラ、寝ること、あとは、アニメが好き、映画も好き。歌うことも好きだし、写真を撮ることも、ぐーたらすることも、アニメ、映画を見ること、これらは私の趣味だ。

あなたと私は気が合うと言ってくれた。確かに、楽に話せるし、自然に笑顔になる。気を遣わないし、何なら考えていることが少しわかったりする。お互いが惹かれあって、自然と私たちは付き合い始めた。

あなたが連れていってくれるところはどこでもディズニーランドのような夢の世界のようだ。私たちは主人公でキャストさんは主人公を引き立ててくれる。クレープ屋さんの店員も、電光掲示板に映る芸能人も、通りすがりの人も全て私たちのために出演しているエキストラのように思えた。

あなたが「好き」と言うと、私もあなたに「好き」と言った。私が会いたいと思うときに、あなたは「会いたい」と連絡をしてくれた。何気ない散歩も、お家でだらだらしていることも私がしたいと思っていたことだ。あなたとしていることが私の「したい」ことになっている。

あなたは、私に「別れよう」と伝えてきた。私は驚きすぎて何も言えなかった。あなたの理由は先が見えないから、だそうだ。先が見えないって何だよ、って思ったけど、気付いたら就活は始まっていて、周りはインターンや選考とか聞きなれない言葉を使い始めていた。そんな時も私は彼に夢中だった。

あなたと一緒にいるとき、私は無敵だった。何も怖くない、私たち以外全てがエキストラの世界。親や友人の声より、彼の声が鮮明に聞こえた。今まで、これほどまでに気が合う人に私は出会って来なかった。私はあなたと一生を共にするとさえ思っていた。でも、そんな夢は儚く散った。

あなたと私が一緒にいた理由。それは、あなたと私は似ていたからだ。ただそれだけだったのだ。趣味が合う、お互いが気を遣わない、話すことも、考えることも全部似ていた。私はあなたしか見えなかった。お互いのこれからには見向きもせず、純粋にあなた以外見えなかった。私はあなたで、あなたは私だって思っていたのにな。

あなたと私は似ていた、ただそれだけだった。


noteは、普段考えていることを文字で吐き出す
Instagramは、普段考えていることを形にして表現する

写真撮っているので見てください
https://www.instagram.com/ganometherapics/?hl=ja

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