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サンタはいつも苦労するのです

『クリスマスのおくりもの』
作:絵 ジョン・バーニンガム
訳:長田 弘
出版社:ほるぷ出版
<内容>
クリスマス・イブの夜。おじいさんサンタとトナカイたちは、すっかりくたびれて、うちに帰ってきました。なにしろ、世界中の子どもたちに、クリスマスのおくりものをとどけてきたのです。ところが、袋の中に、まだひとつ、おくりものが残っているではありませんか! さあ、はたして、朝までに届けられるでしょうか?

ほるぷ出版HPより


ひとつだけ配り忘れたプレゼントの為に、サンタおじいさんは再び一人で雪の夜に出掛けて行きます。
そのプレゼントを待っている子どもは、ずっと遠く離れたロリーポップ山のてっぺんの小さな家に住んでいる、ハービー・スラムヘンバーガーという名前の貧しい男の子。
サンタおじいさんが一人で歩いていると、訳を知った親切な人々が、サンタおじいさんを送り届けようと、様々な乗り物に乗せて、リレーのように送り届けます。最後には自力で山を登っていくサンタおじいさん。
たった一人の子どもの為に、苦労をして届けたプレゼント。
最後のぺージでは、何も知らないハービー・スラムヘンバーガー少年が、ベッドで目を覚まし、プレゼントを手に取る場面で終わります。

おくりものが なんだったか しりたいな。

この言葉が最後に添えられていて、子どもたちの好奇心をそそりますが、サンタおじいさんがハービー・スラムヘンバーガー少年に知られることなく、苦労して送り届けたプレゼントですもの、きっと大喜びするものに違いないのです。

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我家の本棚にはいくつかのクリスマスにまつわる絵本がありますが、この絵本はクリスマス時期になると、いつもクリスマスツリーの横に飾っていました。
幼い子どもがいる家庭では、クリスマスは大事なイベントです。
でも私の幼い頃のトラウマで、子どもたちにサンタクロースの存在を信じさせるか、それとも最初からサンタクロースはお父さんとお母さんなんだという真実を告げてしまうかでかなり悩みました。
その経緯は👇の記事に書いてますので、お暇な時間に読んでいただくと嬉しいです😊

子どもたちも幼い頃はサンタクロースの存在を信じていたので、何とか欲しいものを聞き出し、イヴの夜には枕元にプレゼントを置くのが私の楽しみでもありました。

その欲しいものが何なのか、聞き出すのが一苦労。
「サンタさんは何も言わなくても魔法で分かるはず」と、頑なに教えてくれない時期がありました。
仕方ないのでおもちゃ売り場やゲームコーナーに連れて行って、子どもたちの反応を探ったり、友だちの間で流行っているものをリサーチしたり。
次男が廃盤になっていた、64の『どうぶつの森』を欲しがっていた時は、オークションサイトで競り勝って、ようやく手に入れたこともありました。

その苦労たるや、世のサンタクロースの皆さまだったら共感していただけると思います。

さて、いよいよクリスマスも迫ってきているこの時期。
世のパパママサンタたちも、この絵本のサンタおじいさんのように、苦労して子どもたちへのプレゼントを用意するべく奔走していることでしょう(笑)
クリスマスの朝、枕元に置かれたプレゼントを手にし、喜ぶ我が子の笑顔を眺めながら、その手柄を架空のサンタクロースに奪われているにも拘らず、なぜか幸福感に浸るサンタたち。

おくりものが なんだったか しりたいな。

それはきっと、本物のサンタクロースからの、パパママサンタへの贈り物に違いありません。

クリスマスの贈り物が、たった一つの特別のものだと感じられる、やさしくて心温まる絵本『クリスマスのおくりもの』は、大人のサンタクロースたちにもお勧めの絵本です。





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