癌ちゃん

これまで書いた脚本を載せます。公演や練習などに使われる際はご一報頂けると大変嬉しいです。

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最近の記事

声劇脚本「機械人形と恋人たちの食卓」

登場人物:2人 時間:10分 あらすじ…冷えた空気とオイルに匂いが漂う恋人たちの暮らし。実は彼女は、亡くした恋人そっくりに作られた機械人形だった。彼女が最期に本当に伝えたかったのは何だったのか。 男「ただいま」 女「サトシくん、おかえり。お疲れ様」 男「あ~~疲れた~~」 女「今日は何してたの?」 男「本読んで、ゲームして、セリフ覚えてた」 女「それ仕事なの?」 男「警備の仕事なんて、やることないから。俺が暇で何もしないってことが、一番平和でいいことなの」 女「そうなんだ

    • 声劇脚本「春の花は空を夢見る」

      登場人物:2人 時間:10分 あらすじ…仕事に疲れたOLは公園でひとり酒を飲んでいた。するとどこからか声が聞こえてくる。よく見るとその声は足元に咲くちいさな花から聞こえてくるのだった…。 女「信じていれば夢は叶うと、最初に言ったのは誰だろう。いつだって世界は絵本とは違う。どんなに手を伸ばしても、届かない空がある。私が私で生まれてこなかったならと、思わずにはいられない。私がもっと裕福な家庭に生まれていたら、就職に有利な大学なんかじゃなくて、演技の学校に行っていたのに。私がも

      • 声劇脚本「弱小高校演劇部の日常」

        登場人物:4人 時間:15分 あらすじ…高校演劇部の4人は大会間近なのに今日もお菓子食べてボドゲをして自堕落な毎日で、練習どころか脚本も決まっていない状態。部員たちはそれぞれ自分の書いた-愛-をテーマにした脚本を披露していくが… ソラ「ちょっと!みんなちゃんと考えてよ!」 シズク「考えてるじゃないですか。こんなに真剣に」 アカリ「そーだそーだ!」 ソラ「こんなんじゃ一生決まんないよ」 アカリ「あっお菓子食べる?」 シズク「いいですね」 ソラ「ほらぁ~!…ったく、部長からも

        • 声劇脚本「summer phobia-夏恐怖症-」

          登場人物:2人 時間:10分 あらすじ…動機息切れ蕁麻疹がでるほど夏が嫌いな男ユタカと、夏の魅力を伝えたい女ミノリ。夏恐怖症を克服するために、色々挑戦してみるが… (遠い蝉の声) 女「ユタカ!いい加減にして!」 男「帰ってくれ!」 女「いつまでも引き籠ってられないでしょ!」 男「ステイホームだ!自己防衛だ!」 女「外に出たくないだけでしょうが!」 男「頼むから帰ってくれよぉ」 女「あんたのお母さんに頼まれてるのよ。引き籠りの息子を引っ張り出してくれって」 男「ほっといてく

        声劇脚本「機械人形と恋人たちの食卓」

          声劇脚本「原稿用紙に絵の具を」

          登場人物:2人  時間:10分 あらすじ…太宰ニズムに浸る劇団の団長は今日も脚本の筆が進まない。酒とたばこに浸る毎日に、おせっかいな少女が鮮やかな転機をもたらす。 男「もうお酒なんか飲みたくない」 女「飲まなくていいよ」 男「もう煙草なんか吸いたくない」 女「吸わなくていいよ」 男「じゃあどうして灰皿はこんなに山盛りで、僕はこんなに酔っぱらってしまっているんだ」 女「それは私が聞きたいよ。こんな夜中に呼び出されたと思ったら、やっぱり酔っぱらっているのね」 男「来てくれて嬉

          声劇脚本「原稿用紙に絵の具を」

          声劇脚本「未来からの電話」

          登場人物:2人 時間:10分 あらすじ…ある男のもとに、未来の自分を名乗る男から電話がかかってくる。彼は自分のことを次々言い当てる。未来からの電話を受けて、男の未来が変わっていく。 (着信音) 水谷「もしもし、ミズタニです」 男「あ、もしもし?俺、俺だよ!」 水谷「あ?誰だよ」 男「俺だよ!俺だって!」 水谷「だから誰だよ!」 男「実は事故起こしちゃってさ…」 水谷「これもしかして…おれおれ詐欺か?」 男「今すぐ100万振り込んで欲しいんだけど…」 水谷「おい!よく今の流

          声劇脚本「未来からの電話」

          声劇脚本「神様はなんでも知っている」

          登場人物:二人(男 オオウチ 女 マナミ) 時間:10分 あらすじ…よく携帯や財布を無くす彼女に彼はほとほとうんざりしている。でも彼女がいうにはカミサマがなんでも教えてくれるらしい。でもそれは幸せなのか、そもそもそれは本当に神様なのか。 女「えへへ~オオウチくんとデート久しぶりだね!」 男「そうなぁ~出張で一週間も会えてなかったもんな」 女「も~ほんとにうれしい~!写真とろ!…ん、あれ?あれ!?あーやばい!」 男「なに、どーしたの?」 女「携帯どっかいった!」 男「またか

          声劇脚本「神様はなんでも知っている」

          声劇脚本「膨張し収縮する世界」

          登場人物:二人男(スバル)女(ハルカ) 時間:10分 あらすじ…ある日彼女は恋人の異変に気付く。彼が日に日に小さくなっていることに。病気を疑うが原因は分からない。二人はさいごに壮大な世界の真実に気付いていく。 女「ねえ、やっぱり」 男「え?」 女「やっぱりおかしいよ」 男「おかしいって、何が?」 女「だって、ほら。私の目の前に立って」 男「え?…あ、ちょ、ちょ」 女「ね。ほらどう思う?」 男「えっと…今日も可愛いね」 女「そういうことじゃなくて!」 男「え?…可愛い顔がす

          声劇脚本「膨張し収縮する世界」

          声劇脚本「博士と助手」

          登場人物:二人 時間:15分 あらすじ…こだわりの強い植物学者の博士と、その助手の日常。「僕の人生に早く過ぎてほしい時間など1秒たりともあってはならない」それが博士の口癖。 (ドアをノックする音 ドアが開く音) 助手「博士―、入りますよ」 博士「おぉ、オーベくん!おはよう!」 助手「おはようござ…、えっ!うっ、ゲホッゴホ、なんですかこの臭いは!?」 博士「あぁ!ちょうど今新薬開発のための実験をしていたところだよ!」 助手「それでなんで部屋が花火大会みたいな匂いなんですか

          声劇脚本「博士と助手」

          声劇脚本「四季たちのはなし」

          登場人物:4人 時間:10分 あらすじ…春夏秋冬が集まって会議をしているなか、突然「夏」が人間に恋をしたことを打ち明ける。一年を無事に巡らすために四季たちは話合いを続ける。 夏「ねえ~!お願い!!」 冬「ダメったらダメだよ」 春「流石にねぇ、どうかなぁ」 秋「私はいいけどねえ」 夏「お願いお願い!今年だけでいいんだって!」 春「んー長さは我々で決めてる訳じゃないからね」 夏「じゃあ誰に頼めばいいの?」 秋「上司かな?」 夏「上司って?」 冬「んーまあ自転とかを管理してる部

          声劇脚本「四季たちのはなし」

          声劇脚本「リモートで演劇をしてみよう」

          登場人物:4人 時間:5分 あらすじ…高校演劇部の4人は、部室が使えずリモート会議で演劇の練習を試みているが、なかなかうまく進まない。 アカリ「んー皆ぁ、みえる?」 ソラ「お、見えた見えた~」 部長「あ、大丈夫です」 シズク「え、ちょっと待ってこれどうやるんですか?」 アカリ「今日は自粛で部室が使えなかったから、テレビ電話を使って、リモートで声劇の練習しようと思います!」 ソラ「なんかテレビ電話越しに練習するなんて変な感じするなあ」 部長「アカリちゃん、設定してくれてあり

          声劇脚本「リモートで演劇をしてみよう」

          声劇脚本「六月の神様」

          登場人物:3人 時間:10分 あらすじ……純粋でお喋りな彼女と、無口でぶっきらぼうな彼。二人の穏やかな日常は突然の事故で引き裂かれる。意気消沈の彼の目の前に、自分は神様だと名乗る怪しい人物、ミナヅキが現れる。 (雨の音 静かな音楽) 女「アメミヤくん。今日も雨だね」 男「そうだねえ(興味なさそうに)」 女「こう毎日毎日雨だと気が滅入るよね」 男「んーーそうだねえ」 女「湿気が多くてさ、髪の毛が言うこと聞かなくてさ」 男「んーー」 女「なんかどんよりして、お化

          声劇脚本「六月の神様」